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仮想通貨投資をしている方の中には「自分の理想にあった仮想通貨の投資計画を実現する方法が知りたいけれど、どのようにポートフォリオを作ったらいいかわからない」との疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。

一般的にハイリスク・ハイリターンの印象が強い仮想通貨取引ですが、ご自身にあったポートフォリオ戦略を立て、適切な分散投資や資産配分を行うことでリスクとリターンのバランスを調整することが有効といわれています。

そこでこの記事では、仮想通貨取引を行う際に押さえておきたいポートフォリオの組み方や、管理しやすいツールなどについてご紹介していきます。

目次

  1. 仮想通貨のポートフォリオを作る際の基準
  2. より自分の理想に近い仮想通貨のポートフォリオを作るコツ
  3. 【投資スタイル別】仮想通貨のポートフォリオの事例
  4. 仮想通貨のポートフォリオに関するよくある質問
  5. 仮想通貨のポートフォリオ管理におすすめなツール

仮想通貨のポートフォリオを作る際の基準

いざ、ポートフォリオを組もうと考えても、なにを基準に銘柄を組み込めば良いのか悩んでしまう方もいることでしょう。

仮想通貨の場合、大きく「ビットコイン」「アルトコイン(※1)」「ステーブルコイン(※2)」とコインの特性で分けて考えるとポートフォリオを組みやすくなるといわれています。ここでは、これらを中心としたポートフォリオの作り方についてご紹介します。

※1 アルトコイン:英語表記「altcoin」の日本語読みで、ビットコイン以外の暗号資産(仮想通貨)の総称。      
引用:大和証券 金融・証券用語解説      
※2 ステーブルコイン:価格を安定(Stable)させることを目的に作られた仮想通貨の総称。      
引用:大和総研

ビットコインを中心としたポートフォリオ

バランスのとれた仮想通貨ポートフォリオを組みたい場合に活用されることが多いのが、ビットコイン(BTC)を中心としたポートフォリオです。

ビットコイン(BTC)は2009年に誕生した最も長い歴史を持つ仮想通貨であり、現在でも最大の時価総額と膨大な取引量を誇る、仮想通貨を代表する銘柄です。ビットコイン(BTC)について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

多くのアルトコインと取引ペアが存在する基軸通貨としての地位も確立されていることから、ビットコイン(BTC)の価値が0円になってしまう可能性は、他のアルトコインと比較して低いものと考えられています。

そのため、ビットコインは仮想通貨投資においてリスクとリターンのバランスがとれた中間的な銘柄として多くの投資家に認識されている傾向があるのです。

アルトコインを中心としたポートフォリオ

アルトコインは一般的にビットコインよりもボラティリティが高い傾向にあるとされており、知名度が低く時価総額や流動性が少ない「草コイン」であるほど、その傾向は顕著になると考えられています。

そのため、仮想通貨投資でハイリスク・ハイリターンを狙うポートフォリオを組みたい場合活用されるのが、アルトコインを中心としたポートフォリオです。

近年は国内仮想通貨取引所においてもアルトコインの取扱銘柄が増えてきており、日本国内でも豊富な選択肢の中から銘柄を選ぶことができるようになってきました。

今後、日本の仮想通貨取引所でアルトコインの取り扱いが増えていくことになれば、「攻め」の仮想通貨投資を行いたい投資家にとっては大きな追い風となる可能性があるでしょう。

ステーブルコインを中心としたポートフォリオ

できるだけリスクを避けながら「守り」の仮想通貨投資を行いたい場合、一般的に言われているのがステーブルコインの保有比率を高めたポートフォリオです。

ステーブルコインとは法定通貨や特定の資産価値と価格が連動するように設計された仮想通貨のことで、相対的に価格が安定しているというメリットがあります。

例えば米ドルとペッグ(価格連動)しているテザー(USDT)をポートフォリオに組み込んだ場合、仮に仮想通貨相場全体が大きく下落したとしても、ドル円相場が安定していれば円ベースでの影響を最小限に抑えることが期待できるのです。テザー(USDT)について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

仮想通貨相場が不調な局面ではステーブルコインの割合を高め、逆に好調な局面ではステーブルコインを減らすなど、状況に応じた調整を行うことも有効といわれています。

なお、2023年6月に改正資金決済法が施行されたことで、日本国内でのステーブルコインの発行や取り扱いが容易となりました。今後は日本円とペッグするものなど、新しいステーブルコインが増えていくことが予想されています。

日本人投資家がポートフォリオを組む際に、ステーブルコインは益々身近な選択肢になっていく可能性があるでしょう。

より自分の理想に近い仮想通貨のポートフォリオを作るコツ

ポートフォリオをより効果的なものとするためには、次の点に注意すると良いでしょう。

投資額をあらかじめ決めておく

仮想通貨投資を行う際は、投資額の上限をあらかじめ設定しておくことがおすすめです。

投資額の上限は、万が一、その資金を失うことになっても生活に影響がない程度、すなわち余剰資金の範囲内で決めるようにしましょう。

余剰資金の範囲で投資額の上限を決めておくことで、損失を補填するために生活費に手を出してしまうというような、感情的な行動を抑制する効果もあります。

ルールを決めてリバランスを行う

「リバランス」とは、一度作成したポートフォリオを定期的にメンテナンスし、資産バランスやリスクレベルを維持する作業のことをいいます。

仮想通貨の価格は常に変動しており、ポートフォリオに組み込まれた各銘柄の時価評価額も時間経過とともに変化していきます。そのため、当初はバランスよく分散配分できていたポートフォリオも、しっかりメンテナンスを行わないとバランスが崩れてしまいます。

値上がりによって割高感が増した銘柄を売却し、逆に値下がりによって割安感が出てきた銘柄を購入することで、当初のリスク戦略通りのポートフォリオを維持しつつ、合理的なリターンを追求することができるのです。

ポートフォリオのリバランスには主に次のような方法があります。

● 定期リバランス        
● 閾値(しきいち)リバランス

定期リバランスとは、毎日、毎週、毎月といったように、リバランスを行う間隔を決める方法です。一方、閾値リバランスとは特定の銘柄の比率が一定以上乖離してしまった場合にリバランスを行うと決めておく方法です。

ポートフォリオのリスク許容度が低いほど定期リバランスの間隔を狭く、または閾値リバランスの乖離幅は狭く設定するのが一般的ですが、そうすることで作業負担は増加していくことになります。

リスクと作業負担のバランスを考えながら、自分なりのリバランスルールを決めると良いでしょう。

なお、リバランスの作業負担を極力小さくするためには、ポートフォリオ管理機能のあるツールの活用がおすすめです。

例えば仮想通貨の損益計算ツール「クリプタクト」のポートフォリオ管理機能では、最新の仮想通貨価格に基づいた時価評価額やその比率をリアルタイムに確認することができるため、リバランスの都度、手作業で計算を行う必要がありません。

 

仮想通貨 ポートフォリオ

クリプタクトのポートフォリオ(サマリー)画面サンプル。簿価と時価評価額に乖離が生じていることが見て取れます。

 

仮想通貨 ポートフォリオ 時価総額

クリプタクトのポートフォリオ(時価評価額)画面サンプル。銘柄ごとの比率が自動計算で表示されます。

また、仮想通貨取引所とのAPI連携やウォレットアドレスからの取引履歴取得機能などにより、仮想通貨の取引履歴を自動的に取り込むことも可能であるため、取引履歴を管理する手間も大幅に削減することが可能です。

 

ポジションと取引履歴チャート

クリプタクトの「ポジションと取引履歴チャート」画面サンプル。自身の売買履歴に沿ったチャートを確認できます。

ポートフォリオのリバランスに際しては、必要に応じて銘柄の再選定を検討することも重要となります。

将来性がなくなった銘柄に資産を配分し続けても、期待する投資効果は得られません。

クリプタクトでは、通貨ごとの保有・売買履歴と時価データを組み合わせたチャートを表示できるため、売買タイミングや投資の妥当性を振り返りながら、投資判断に反映していくことが可能です。

このようにポートフォリオ管理ツールを上手に活用することで、ポートフォリオの維持・向上を行っていくと良いでしょう。

【投資スタイル別】仮想通貨のポートフォリオの事例

ここでは、具体的なポートフォリオのサンプルをご紹介していきます。        
投資スタイルに応じたサンプルケースをご用意していますので、順に見ていきましょう。

ただし、これらのポートフォリオはあくまでも一例です。実際にポートフォリオを組む際は、必ずご自身で検討して組み込む銘柄を決めるようにしてください。

 「攻め」のポートフォリオ例

● 25% サンドボックス(SAND)        
● 25% エンジンコイン(ENJ)        
● 25% ビットコイン(BTC)        
● 15% イーサリアム(ETH)        
● 5% ドージコイン(DOGE)        
● 5% モナコイン(MONA)

こちらは、ボラティリティの高いアルトコインを中心とした「攻め」のポートフォリオの一例です。

サンドボックス(SAND)やエンジンコイン(ENJ)などはメタバースやNFTなどに関連する注目銘柄であり、このポートフォリオの半分を占める主軸としています。一方、ドージコイン(DOGE)やモナコイン(MONA)のようなジョークを発端とした、いわゆる「ミームコイン」については、ボラティリティの高さを勘案して計10%程度の割合とし、残りの40%はビットコインやイーサリアムなどの主要通貨に配分している形です。

「バランス」のポートフォリオ例

● 50% ビットコイン(BTC)        
● 25% イーサリアム(ETH)        
● 25% バイナンスコイン(BNB)

続いてこちらは、「攻め」と「守り」の中間的な位置付けとして「バランス型」のポートフォリオの一例となります。

仮想通貨の基軸通貨となっているビットコイン(BTC)を50%組み込み、残りの50%を時価総額で上位を占めるイーサリアム(ETH)とバイナンスコイン(BNB)で構成しています。

「守り」のポートフォリオ例

● 25% テザー(USDT)        
● 25% USDコイン(USDC)        
● 25% ビットコイン(BTC)        
● 25% イーサリアム(ETH)

最後に、できるだけリスクを抑えた「守り」のポートフォリオの一例です。

代表的なステーブルコインであるテザー(USDT)とUSDコイン(USDC)で計50%を堅め、残りの50%にビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)が組み込まれています。

仮想通貨ポートフォリオに関するよくある質問

ここでは、仮想通貨ポートフォリオに関するよくある質問とその回答をご紹介していきます。

ポートフォリオに組み込む銘柄の選び方は?

仮想通貨に限らず、資産運用や投資の世界には昔から「卵を一つのカゴに盛るな(Don't put all eggs in one basket)」という格言があります。

卵を一つのカゴに入れておくと、そのカゴを落としてしまった場合全ての卵が割れることになります。一方で複数のカゴに入れておけば、一つのカゴを落としても別のカゴの卵は影響を受けません。

このことから、投資を行う際にはできるだけ性質や値動きの異なる資産に分散投資することの重要性を説いているのです。

この考え方は、仮想通貨のポートフォリオに組み込む銘柄選びにも活用することができます。

値動きの相関性が高い銘柄ばかりに偏ってしまうと、一見して分散しているように見えても、特定のジャンルが不調になることでポートフォリオ全体が影響を受けてしまい、期待するリスク分散効果を得られない可能性があります。

仮想通貨にはNFT関連銘柄やAI関連銘柄など、特定のジャンルに値動きが左右されやすい銘柄が多く存在します。ポートフォリオに組み込む銘柄を選ぶ際は、こうした特定ジャンルへの偏りがないかについても気を配るようにしましょう。

ポートフォリオを管理する際におすすめのツールは?

ポートフォリオを管理する際には、仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」がおすすめです。

正確なポートフォリオ管理には、取引履歴を全て漏らさず把握し、残高に反映する作業が欠かせません。

仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」であれば、入力した取引履歴はポートフォリオ管理と確定申告に向けた損益計算の両方に活用できるため、税金計算のために取引履歴を収集しなおす必要がなくなります。

また、「クリプタクト」のポートフォリオ機能では通貨ごとの含み損益も一目瞭然のため、リバランスを行う際に、年間の利益がどう変化するかの見込みをたてやすいというメリットもあります。課税額をある程度予想しながらリバランスを行える点は、損益計算とポートフォリオを一元的に管理できる「クリプタクト」ならではの大きな特徴と言えるでしょう。

なお、「クリプタクト」では国内外の多数の仮想通貨取引所とAPI連携を実現しているほか、ブロックチェーンからの取引履歴の自動取得やカスタムデータの作成機能など、豊富なデータ入力手段が用意されています。

複雑で煩わしい管理作業を「クリプタクト」で最大限に自動化し、あなたならではのポートフォリオ戦略に時間を集中してみてはいかがでしょうか。「クリプタクト」には無料でツールをお試しいただけるプランもありますので、この機会にぜひお試しください。

なお、NFTやDeFiの取引に特化していて、チェーン別に取引を「見える化」したい方は、「defitact」もおすすめです。Metamaskなどのウォレットを接続するだけで簡単にご利用いただけますので、こちらも併せてご検討ください。

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