海外仮想通貨取引所の候補として、Bybit(バイビット)での口座開設を検討されている方も多いのではないでしょうか。しかし海外仮想通貨取引所に関しては、国内仮想通貨取引所と比較して日本語での情報が少ないため、下調べを面倒に感じてしまうかもしれません。
そこで、この記事ではBybitで口座開設をする際に必要な情報をまとめて、わかりやすく解説します。Bybitの特徴や取扱い通貨、手数料のほか、具体的な口座開設方法もご紹介していきますので、ぜひ取引所選びの参考にしてください。
また、そもそも海外取引所を利用するメリットや選び方のポイントなどにつきましてはこちらの記事でも詳しく解説をしています。
Bybitとは?
2018年の創業以来、世界の主要な仮想通貨取引所の一つとして成長を続け、2023年には全世界累計利用者数が1,500万人を突破しています。
また公式サイトによると、同取引所は情報セキュリティに関する国際規格であるISO27001:2013を取得しており、セキュリティの高さという面では相応の信頼性が確保されていると言えるでしょう。
ただし2023年3月31日には、無登録で日本居住者向けのサービスを提供しているとして日本の金融庁から警告を受けたことが報じられています。その後、同年4月10日にはBybitが本人確認(KYC)の強化を発表し、5月8日以降にサービスを利用するには本人確認(KYC)を完了していることが必須となりました。
その後も公式サイト・公式アプリともに日本語対応は継続されており、2024年4月18日現在においても日本居住者に対する利用制限は行われていませんが、日本で登録を受けずに金融商品取引業や暗号資産交換業を行うことは違法です。この点については取引をする前に必ず留意しておきましょう。
Bybitの特徴
Bybitは豊富な仮想通貨現物取引のほか、デリバティブ・コピートレード・NFTなど多様な投資商品・サービスを提供しており、これらを日本語対応で利用できる点が大きな特徴となっています。
特に取扱通貨に関しては、国内取引所と比較して圧倒的に豊富なラインアップを誇ります。
ここではBybitの取扱通貨や手数料について、具体的に見ていきましょう。
※2024年4月1日時点の情報です。
Bybitの取扱通貨一覧
2024年4月1日現在、Bybitでは約1,100種類以上の仮想通貨を取り扱っています。
主な取扱通貨は以下の通りです。
取り扱い通貨一覧
ビットコイン(BTC) | イーサリアム(ETH) | テザー(USDT) |
バイナンスコイン (BNB) | ドージコイン (DOGE) | MXトークン(MX) |
トロン(TRX) | ソラナ (SOL) | リップル(XRP) |
イオス(EOS) | カルダノエイダ(ADA) | Avalanche(AVAX) |
(Bybit公式サイトより抜粋して作成。テキストリンクをタップするとコインについての解説記事に遷移します。)
これらのほかにも、Bybitでしか取引できない通貨も豊富です。詳細については公式HPをご覧ください。
なお、Bybitは米ドルをはじめとする各国の法定通貨を取り扱っていますが、日本円の入出金には対応していないので 注意が必要です。そのため、Bybitを利用する際には、仮想通貨を用いた入金が基本となります。(その他の方法については「入金方法」の項目にて説明します)事前に国内取引所で元手資金となる仮想通貨を準備してください。その後、購入した仮想通貨をBybitに入金する手順が必要です。
Bybitの手数料
Bybitの基本的な手数料は取引額に対して「0.1%」です。しかし、資産残高や過去30日間の取引高に基づいて決まる「VIPランク」に応じて、手数料が安くなる料金体系が採用されています。
VIP1以上のランクではMakerとTakerで手数料が異なるため、詳しくは以下の一覧表をご覧ください。
なお、Makerとは板に表示できる指値注文を出すこと、Takerは板に表示されている注文に沿って売買することを言い、どちらも約定時に手数料が発生します。
VIPランクの条件および現物取引手数料
(Bybit公式サイトより抜粋して作成、2024年4月時点)
なお、VIPランクの条件である「資産残高」と「過去30日間の取引高」は、いずれか一方を満たすことで該当VIPランクに昇格することができます。ただし、Bybitが提供している多くのサービスの中でどの残高や取引がVIPランクのカウント対象になるのかについては、公式サイトで事前に確認するようにしましょう。
Bybitで口座開設に必要なもの、手順
それでは、Bybitで口座開設をする際に必要なものと、具体的な手順について見ていきましょう。
口座開設に必要なもの一覧
口座開設する際に必要なものは以下の通りです。
● 電話番号
● メールアドレス
● Google Authenticator(Android/iOSアプリあり)
● 身分証明書(マイナンバーカード・運転免許証・パスポート)
● 筆記用具
● メモ用紙
Bybitではメールアドレスか携帯電話番号を使って口座開設をすることができます。
いずれの場合も認証コードを受信する必要があるため、SMSを受信できない電話番号は使えない点に注意が必要です。
Google Authenticatorは二段階認証のために必須ですので、あらかじめダウンロードしておきましょう。また、手順の中でバックアップ用のコードを控える必要がありますので、メモの用意もしておくとスムーズです。
口座開設手順
ここからは、具体的な口座開設手順について実際の画面イメージに沿って、解説していきます。
なお、Bybitの口座開設はPCブラウザで公式サイトにアクセスして行う方法と、専用のスマホアプリを使用する方法があります。
ここでは公式サイトにアクセスする方法をベースに、スマートフォンアプリの場合の画面についても併せてご紹介していきます。
STEP1 アカウントの作成
PCブラウザでアカウント作成をする場合、まずは公式サイトを開きます。
公式サイトが日本語で表示されていない場合は、画面右上の地球儀マークから言語を変更することができます。
日本語表示になったら、画面右上の「登録」ボタンをクリックします。
なお、スマホアプリ版の場合はメイン画面の上部に「登録」ボタンがあります。
アカウント作成フォームでは、「Eメール登録」、「携帯番号登録」、もしくはGoogleアカウントやApple IDと連携の中から登録方法を選択することができます。
これは、スマホアプリからの登録の場合も同様です。ご自身の利用環境に合わせて選択すると良いでしょう。
ここでは「Eメール登録」を例に作業を進めます。メールアドレスと希望するパスワードを入力し、「アカウントを作成する」ボタンを押します。
しばらくすると、登録したメールアドレス宛に認証コードが記載されたメールが届きます。
ブラウザでは認証コード入力用の画面が表示されていますので、メールで届いた認証コードを入力しましょう。なお、認証コードの有効期限は5分となっていますので、余裕をもって操作を行うようにしましょう。
正しい認証コードを入力すると、自動的にアカウント画面に遷移します。
この画面が表示されたら、口座開設の最初の段階は完了です。
続いて本人確認の実施をしていきましょう。
STEP2 本人確認書類の提出
Bybitのアカウントの作成が完了した時点では、まだログインできるようになっただけで、入金やトレードなどの機能を利用することはできません。
そのため、Bybitを利用するためには本人確認の作業を実施する必要があります。
アカウント画面に表示されている「今すぐ認証する」ボタン(スマホアプリの場合は「今すぐ認証」)を押して、認証作業へ進みましょう。
本人確認の画面が表示され、画面下部には本人確認を行うことで利用可能になる機能の一覧が表示されています。
本人確認の作業を進めるため、「本人確認を行う」ボタンをクリックしましょう。
本人確認の方法を選択する画面が表示されます。
ここでは本人確認書類の提出と、顔認証による本人確認を行う必要があり、作業を最後まで完了するにはカメラ付きのPCか、スマートフォンが必要になります。
ご利用中のPCにカメラがついていない場合は、「アプリで行う」を選択すると全てのステップをスムーズに進めることができます。
ここでは「アプリで行う」を選択した場合の流れをご紹介します。
アプリを起動したら、アカウント画面から本人確認を実施します。
「今すぐ行う」ボタンをタップし、続いて表示される画面で「本人確認を行う」ボタンをタップしましょう。
提出したい本人確認書類の選択肢が表示されますので、一つを選択して「はい」をタップします。
日本から利用する場合は「その他」を選択し、同意事項を確認のうえ「同意して続行」をタップしましょう。
撮影画面が表示されますので、画面の指示に従って本人確認書類を撮影します。
本人確認書類の撮影が終わると、続いて顔認証のステップが開始されます。
丸いフレームに収まるように自分の顔をカメラに写しましょう。
顔が認識されると、審査が開始されます。
通常は1時間ほどで審査完了を知らせるメールが届きます。
なお、審査は状況によっては最大で48時間ほどかかる場合もあるとされていますので、もし48時間を超えても審査完了を知らせるメールが届かない場合は、カスタマーサポートに状況を問い合わせてみるとよいでしょう。
これで本人レベル1の認証が完了し、Bybitを利用するための必要最低限の手順を済ませることができました。
本人確認レベル2以上の認証を得るにはさらに手続きが必要ですが、個人レベルの取引であれば本人レベル1でも十分な限度額があります。必要な場合は検討しましょう。
なお、セキュリティを向上してより安全に取引をしたい場合は、引き続き二段階認証の設定を行うことをおすすめします。
STEP3 二段階認証の設定
QRコードのスキャン作業があるため、スマートフォン以外のデバイスからのログインがおすすめです。
二段階認証とは、ID・パスワードの確認に加えて、さらにセキュリティーコードによる確認を行うことで、アカウントの安全性を高める仕組みのことです。
二段階認証の設定を行うには、画面右上にあるアバター(画像赤枠部分)から、「アカウント&セキュリティ」へと進みます。
スマホアプリの場合は、プロフィール画面内の「セキュリティ」から開くことができます。
セキュリティ強化のリストの中に「Google認証」という項目がありますので、「設定」ボタンを押してください。
認証コードの入力画面が表示されますので、登録しているメールアドレス宛に届いた認証コードを入力し、「確定」ボタンを押しましょう。
次の画面でGoogle認証用のQRコードとキーコードが表示されます。
キーコードは携帯電話を変更または紛失した際に必要となるコードですので、必ずメモをするなどして控えを保管しておくようにしましょう。
なお、Google Authenticatorアプリをはじめて利用する場合は、あらかじめスマートフォンにインストールしておいて下さい。その場合、スマートフォンでGoogle Authenticatorアプリを起動し、右下の「+」アイコンをタップします。「QRコードをスキャン」をタップして、QRコードを読み取ります。
すると、Google Authenticatorに6桁のコードが表示されるようになります。
これで、二段階認証の設定は完了です。
この6桁のコードは一定間隔で更新される、ワンタイムパスワードのような役割を果たします。
Bybit側の画面で認証コードを求められた際は、Google Authenticatorを起動して認証コードを確認し、入力するようにしましょう。
Bybitの使い方(入出金方法)
Bybitの使い方として、入金と出金の方法をそれぞれ紹介します。
入金方法
Bybitでは日本円を入金することができませんが、複数の便利な入金方法が用意されています。
代表的な方法について、それぞれ見ていきましょう。
仮想通貨入金
あらかじめ保有している仮想通貨を、Bybitの口座へ入金する方法です。
Bybitのメニューバーから「入金」へ進み、入金を行う通貨とネットワークを指定します。
表示される入金先アドレスをコピーし、国内仮想通貨取引所の口座や自身のウォレットなどから送金をすることで、手持ちの仮想通貨をBybitへ入金することができます。
ワンクリック購入
クレジットカード(JCB、VISA、MasterCard)で仮想通貨を購入する方法です。
「入金」画面の左上に表示されている「ワンクリック購入」を選択することで利用することができます。
元手となる仮想通貨を持っていなくても、Bybitに仮想通貨を入金して仮想通貨取引を始めることができる機能であり、日本円での決済にも対応しています。
ただし、仮想通貨を日本円に戻す機能は提供されていませんので注意しましょう。
P2P取引
P2Pとは、ユーザー同士が直接取引して、仮想通貨と法定通貨を交換できるマーケットプレイスです。
「入金」画面の左上に表示されている「P2P」を選択することで利用することができます。
取引したい仮想通貨と法定通貨それぞれの銘柄と数量を指定して広告を出し、別のユーザーがその条件に応じることで取引が成立します。
日本円での支払いにも対応している他、支払い方法は国内銀行振込やLINEPay、PayPayなども指定できるため、日本人にも利用しやすいサービスとなっています。
ただし、あくまでも個人間の取引となるため、利用をする際には注意が必要です。
出金方法
続いて、Bybitから仮想通貨を出金する方法についても見ていきましょう。
仮想通貨出金
仮想通貨を出金するには、まず送金先のウォレットアドレスを確認する必要があります。
具体的なウォレットアドレスの確認方法はそれぞれの取引所やウォレットごとに異なりますが、ウォレットアドレスは非常に長い英数字の羅列ですので、クリップボードにコピーするなど、間違えないように注意しましょう。
続いて、Bybitの画面右上にある「資産」から「出金」を選び、資産概要のページを開きます。資産概要ページの画面では、「現物」の右側にあるボタンの中から出金を選びます。
送金したい仮想通貨と送金先のウォレットアドレス、使用するネットワークを指定し、「提出」ボタンを押すことで仮想通貨を出金することができます。
なお、1日および1月あたりの出金限度額は、本人確認レベルとVIPランクに応じて変わります。詳しくはBybitの公式サイト上にある案内を見て、限度額を把握したうえで計画的に取引を行うようにしましょう。
まとめ
Bybitは上記で説明した通り、日本円に対応していないため外貨での取引となります。
円貨が分からなくても困らないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが海外取引所で得た利益も確定申告の対象となり、申告の際は取引を行った際の「時価」を用いる必要があります。それゆえ、その都度円貨でいくらだったのかをメモしておく必要があるのです。
これらの計算は1年間分の取引について行う必要があるため、取引量が多いほど管理が非常に煩雑となります。このような手間や負担を軽減するには、損益計算ツールの活用がおすすめです。
仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」であれば、主要な法定通貨・仮想通貨の価格情報が1分単位で自動取得され、取引履歴に基づいて簡単に損益を算出することができます。さらに、「クリプタクト」はBybitとのAPI連携に対応しているため、一度設定をすれば取引履歴を都度ダウンロードする必要もありません。
無料で試せるプランもありますので、この機会にぜひ「クリプタクト」の利用をご検討してみてください。