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仮想通貨のマイニングとは、ブロックチェーン上の取引内容検証作業に協力することで、報酬として仮想通貨を獲得する行為のことです。一定の装置やソフトウェアを導入すればあとは自動的にマイニングが行えるため、継続的に仮想通貨を獲得する方法として聞いたことがある方も多いことでしょう。

もしあなたがこれからイーサリアム(Ethereum)でのマイニングを始めようと思っているのであれば、ちょっと待ってください。

近年、イーサリアムのマイニングをとりまく環境が大きく変わったことをご存じでしょうか?この記事ではイーサリアムでのマイニングの現状や、その代替手段として用いられている「ステーキング」について、これまでの背景なども交えながらわかりやすく解説します。

目次

  1. マイニングとは
  2. イーサリアムでのマイニングの現状
  3. これからイーサリアムのマイニングに参入するなら「ステーキング」を!
  4. イーサリアムのステーキングなどによって報酬を得る際の注意点
  5. イーサリアムの税金計算にはクリプタクトを使おう

マイニングとは

まずはマイニングについて、基本知識を確認していきましょう。

マイニングとはブロックチェーンを生成する作業のこと

仮想通貨のブロックチェーンは、中央管理者やサーバーがいらない非中央集権的なシステムを目指して開発されたため、不特定多数の第三者同士で取引の確認や管理をし合う仕組みになっています。

その中でマイニングとは、ブロックチェーンに新しいブロック(取引履歴のかたまり)を追加するための検証と承認をする作業のことです。

大勢の人がマイニングに参加することで、ブロックチェーンのネットワークが維持されているのです。

マイニングを行うと報酬を得られる

多くの仮想通貨では、ブロックチェーンを維持するためのインセンティブとして、マイニングを行うと仮想通貨を得られる仕組みが導入されています。

複雑な暗号計算を解いて報酬を掘りあてる様子から「Mining(採掘)」という言葉が使われるようになり、マイニングを行う人は「マイナー(Miner)」と呼ばれています。

マイニングのやり方は3種類

マイニングのやり方は大きく分けて3種類あります。

ソロマイニング 

単独でマイニングを実施する方法です。

最もシンプルなマイニング方法であり、小規模なアルトコインなどではソロマイニングでも十分に報酬を得られる場合があります。

一方、ビットコインなどの主要な仮想通貨で成功するためには莫大な計算能力が必要となるため、個人で行うのはあまり現実的ではありません。

プールマイニング

マイニングプール(Mining Pool)と呼ばれるサービスに参加し、複数人で協力してマイニングを実施する方法です。

大規模なプールに参加することで高い計算力を実現できるため、マイニングで報酬を得られる確率や頻度が向上するメリットがあります。

一方で得られた報酬は参加者で分け合うことになるほか、手数料が必要なプールもあるため、報酬が少なくなることがデメリットと言えるでしょう。

クラウドマイニング

仮想通貨のマイニングを行っている事業者に出資し、事業者が得た利益の一部を還元してもらう方法です。

マイニングの知識や高価な装置などを持たずとも、資金を提供するだけでマイニングに参加することができます。

一方で第三者である事業者に資金提供をする形であるため、資金は信用リスクにさらされることになる点に注意が必要です。

イーサリアムでのマイニングの現状

それでは、イーサリアムにおけるマイニングの現状について見ていきましょう。

マイニングに関するルールが変更に… 

イーサリアムでは当初、ビットコインなどと同じプルーフオブワーク(Proof of Work : PoW)と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムが採用されていました。

PoWとは取引データのブロックを作成するために複雑な暗号計算を行う必要がある仕組みで、マイニングによって最初に答えを導きだした人がブロック生成権と報酬を受け取る事ができます。

しかし、2022年9月に実施されたイーサリアムのアップデート「The Merge(マージ)」において、イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムがプルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake:PoS)に変更されました。

これによって、イーサリアムではマイニングができない状態となりましたが、代わりに「ステーキング」と呼ばれる行為を行うことで報酬を得られるようになっています。

ステーキングのルール概要

ステーキングとは、PoSにおけるブロック生成の検証と承認作業のことです。

マイニングは一番早く計算を解いた人にブロック生成を付与する仕組みですが、ステーキングでは保有する仮想通貨の数量に応じてブロック生成をする人が抽選で選ばれる方式となっています。

このブロック生成をする人のことを「バリデーター(validator)」と呼びます。

イーサリアムのバリデーターになるためには、イーサリアムを32ETH保有し、自身のイーサリアムノード(ブロックチェーンに接続された専用のウォレット)に保管する必要があります。

抽選で選ばれたバリデーターは複雑な暗号計算を解く必要がないため、GPUなどの計算装置や莫大な電気代をかける必要がありませんが、代わりに一定以上のイーサリアムを保有することが必要になったと捉えるとわかりやすいでしょう。

PoWからPoSへ変更になった背景

PoWではブロック生成の際に複雑な暗号計算を解く必要があったため、報酬をめぐって世界中のマイナーによる競争が過熱化した結果、莫大な電力を消費してしまうことが大きな環境問題となっていました。

近年の環境意識や持続可能性を重視する情勢から、仮想通貨においてもエネルギー効率の高い仕組みが求められ、イーサリアムでは複雑な暗号計算を必要としないPoSを採用することとなったのです。

この仕様変更によって、イーサリアムのエネルギー消費量は99%も削減されたと言われています。

またマイナーは高価な装置や多額の電気代を負担する必要がありましたが、バリデーターはそれらを必要としません。ブロック生成のコストが下がることから、結果的に取引手数料が安くなる効果も期待されているのです。

加えて、PoSに移行することでPoWが抱えていたセキュリティ面での課題も軽減されています。

ブロックチェーンはその仕組み上、ブロック生成権の51%以上を悪意のユーザーが掌握すると、ブロックチェーンを改竄することができてしまいます。

これは「51%攻撃」と呼ばれるPoWとPoSどちらにも共通している弱点ですが、PoSはブロックの生成権を得る際に保有額に応じた抽選が行われるため、理論上はその仮想通貨の半分以上を保有しなければ51%を掌握できません。

そのため、PoSでは51%攻撃の実現性が極めて低くなるとされ、セキュリティが向上しているのです。

一方でPoSにはデメリットも存在し、ステーキングのために多額の仮想通貨がロックされるため、流動性が低下しやすいとの指摘もされています。

これからイーサリアムのマイニングに参入するなら「ステーキング」を!

さて、これからイーサリアムのマイニングに参入するなら、ステーキングの実施を検討してみてはいかがでしょうか。

ここではイーサリアムのステーキング方法について見ていきましょう。

ソロステーキング

単独でステーキングを実施する方法で、報酬を全額取得することができます。  
24時間365日オンライン接続されたPCと32ETHを用意することで参加可能です。  
ただし、オフラインになるとETHを失うペナルティを課されるなどのリスクもあるため注意が必要です。

ステーキング・アズ・ア・サービス

ステーキングを代行するサービスに32ETHを預けることで間接的に実施する方法です。  
報酬の一部を事業者に支払う必要がありますが、自身で装置を準備する必要がありません。一方で、事業者の信用リスクを考慮する必要があります。

ステーキングプール

32ETHを保有していない場合に、複数人で協力してステーキングを実施する方法です。  
バリデーターの運用を第三者に委任し、少額のETHを提供することで参加できます。  
報酬が少ないうえ、事業者の信用リスクも考慮する必要があります。

仮想通貨取引所

イーサリアムのステーキングサービスを提供している仮想通貨取引所を利用する方法です。  
取引所内のウォレットの残高に応じて報酬が受け取れる方式が一般的であり、初心者でも始めやすい方法と言えるでしょう。「ステーキング」の仕組みや参加方法など詳しくは知りたい方はこちらもご覧ください。

イーサリアムのステーキングなどによって報酬を得る際の注意点

保有しているイーサリアムを有効活用して報酬を獲得できるステーキングですが、収益を得た際には税金を支払う必要があります。

ステーキング報酬は、受け取ったタイミングで、その時点の時価がそのまま収入として認識されます。受け取った仮想通貨を日本円に換金したタイミングではありませんので、この点は間違えないように注意しましょう。

12月に1ETHのステーキング報酬を得て、その時価が30万円だった場合

→イーサリアムを日本円に交換していなくとも30万円の所得が発生したものとみなされます。(経費を考慮しない場合)

 

そのため翌年の1月にイーサリアムの価格が下落してしまったとしても、30万円を課税所得として税金を支払う必要があり、極端な暴落の場合は実際に手に入った日本円より税金の方が高いという事態も発生し得るのです。

ステーキング報酬を得る際は、税金の発生タイミングを正しく理解し、予想される税額を踏まえた資金計画を立てることが大切です。ステーキングにかかる税金について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

イーサリアムのステーキングの税金計算にはクリプタクトを使おう

ステーキングを行う際は税金の予想額を年内に把握することが重要であり、そのためにはいつ・どれだけの仮想通貨を・時価いくらで受け取ったのかを漏らさず記録し、所得を正確に計算することが必要になります。

しかし、ステーキングでは定期的に報酬を得られる可能性があるため、年間を通すと大量の報酬発生や売却取引が発生することが一般的です。これら全ての取引履歴を保管し、手作業でそれぞれの取引の利益を計算していくことは、かなり負担の大きい作業と言えるでしょう。

そこで頼りになるのが、仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」です。  
「クリプタクト」なら取引履歴をアップロードするだけで、蓄積された価格情報などを基に自動的に損益計算ができるため、手作業を大幅に減らすことができます。

イーサリアムのステーキングを始める際は、ぜひ「クリプタクト」の活用を検討してみてください。