仮想通貨投資で利益を得た場合、確定申告を行って税金を納める必要があります。この際参考になるのが、取引所が発行している「年間取引報告書」です。
しかし、この「年間取引報告書」は取引所ごとに内容や取得方法が異なるため、確定申告の時期に悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、主な国内の仮想通貨取引所の年間取引報告書の見方について画像付きで詳しく解説するとともに確定申告で使う項目についてもご紹介していきます。
確定申告を目的として「年間取引報告書」を確認しようと考えている方は、最後の留意点までぜひご覧ください。
目次 |
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年間取引報告書とは
仮想通貨の年間取引報告書は日本の仮想通貨取引所がユーザーに提供する書類の一つで、各年の1月1日から12月31日までに行った取引の詳細が記載されています。
記載内容には、取引の日時、取引の種類、数量、価格、手数料などが含まれることが一般的です。
仮想通貨投資家が税務計算や確定申告を行いやすくなるよう国税庁が暗号資産交換業者に対して発行を要請している書類であるため、国内仮想通貨取引所であれば基本的に何らかの形で発行しているものと考えて良いでしょう。
年間取引報告書のイメージ例。国税庁から取引所に対して要請されている記載項目情報をもとに自社にて作成
年間取引報告書があれば、国税庁が提供するエクセル計算書シートに転記することで簡易的に総平均法に基づく所得計算を行うことができます。
また、複数の国内取引所を利用している場合であっても、それぞれの年間取引報告書から仮想通貨銘柄別に転記することでまとめて計算することが可能です。
国税庁のエクセル計算シートや、「総平均法」「移動平均法」についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、興味のある方は併せてご覧ください。
ただし、年間取引報告書を用いた計算方法は取得原価の計算方法として「総平均法」を採用している必要があります。「移動平均法」の使用を届け出ている場合は、取引明細単位での計算が必要になるため注意が必要です。
なお、海外取引所やDEX(分散型取引所)を利用している場合は日本の税務に適合した年間取引報告書が発行されませんので、その分は取引明細単位の計算を行うことになります。
そのため年間取引報告書は、損益計算においては国内取引所でのみ仮想通貨取引を行っており(特に一つの取引所でしか取引をしていない)、かつ「移動平均法」の使用を届け出ていない(=総平均法を採用)人にとってより効果を発揮する書類と言っても良いでしょう。
年間取引報告書の見方
国内取引所が発行している年間取引報告書ですが、書類の名称やレイアウト、記載項目などの細部は統一されていないため、発行する取引所ごとに大きく異なります。
ここでは下記の取引所について、年間取引報告書の内容やダウンロード方法をご紹介します。
● bitFlyer
● Coincheck
● GMOコイン
● bitbank
順に見ていきましょう。
bitFlyerの項目内容とダウンロード方法
bitFlyerの年間取引報告書は、国税庁の要請に基づいたオーソドックスな内容となっています。
(bitFlyerの年間取引報告書イメージ)
項目内容の詳細と確定申告での使い方、そしてダウンロード方法について順に見ていきましょう。
bitFlyerの項目内容
bitFlyerの年間取引報告書は、「現物取引」「日本円で交付した新暗号資産」「証拠金取引」「支払手数料」の区分で構成されています。
それぞれの内容は以下の通りです。
現物取引
現物取引とは、ビットコインなどの仮想通貨(現物)を売買する取引のことで、一般的な仮想通貨取引がここに該当します。
項目 | 内容 |
銘柄名 | 仮想通貨の銘柄名(ビットコインなど) |
年始数量 | 年始時点における保有数量 |
年中購入数量 | 年間に購入した数量の合計 |
年中購入金額(JPY) | 年間に支払った購入金額の合計(日本円) |
年中売却数量 | 年間に売却した数量の合計 |
年中売却金額(JPY) | 年間に受け取った売却金額の合計(日本円) |
移入数量 | 他のウォレット等から入金した数量 |
移出数量 | 他のウォレット等へ出金した数量 |
年末数量 | 年末時点における保有数量 |
日本円で交付した新暗号資産
仮想通貨においてハードフォークが行われた場合、既存の仮想通貨とは分裂する形で新しい仮想通貨が誕生する場合があります。
bitFlyerではこうした仮想通貨を日本円で交付することがあり、該当する交付があった場合はこの欄に記載されます。
上記のような交付によって得た日本円は、仮想通貨の売買損益とは別の収入として所得に含まれるものと考えられますので、確定申告の際に漏らすことのないようにしましょう。
なお、項目内容は「現物取引」と同様です。
証拠金取引
「bitFlyer Crypto CFD」(証拠金取引)を行っている場合は、銘柄名と損益額が記載されています。
支払手数料
取引銘柄ペアと数量、支払った手数料額が記載されています。
確定申告で使用する項目(bitFlyer)
bitFlyerの年間取引報告書に基づいて確定申告を行う場合は、主に次の項目を使用します。
● 銘柄名
● 年中購入数量
● 年中購入金額
● 年中売却数量
● 年中売却金額
● 証拠金取引の損益合計
● 支払手数料
国税庁の「暗号資産の計算書(総平均法用)」に転記する場合は、各欄に(赤字)で記載した項目を転記することで簡易的な計算を行うことができます。
シートは仮想通貨の銘柄ごとに分けて作成する必要がありますので、注意してください。
bitFlyerの年間取引報告書を国税庁の計算書に転記する場合の例
※上記の情報に基づき転記箇所を記載していますが、その正確性について保証するものではありません。最終的な確認はご自身で行ってください。
年間取引報告書に関する事項の記入欄へbitFlyerの年間取引報告書から「年間購入数量」「年間購入金額」「年間売却数量」「年間売却金額」を転記します。
また、仮想通貨の信用・証拠金取引を行っている場合は、その損益額を該当欄へ転記してください。bitFlyerの年間取引報告書では差益と差損を合算した「損益合計」として掲載されていますが、プラスの場合は差益欄へ、マイナスの場合は差損欄に転記すると良いでしょう。
最後に、手数料等欄へ「支払手数料」を転記します。
なお、上記はbitFlyerのみで取引を行っている場合の転記例です。他にも年間取引報告書の発行を受けている取引所がある場合はbitFlyerに続いて2行目以降に転記するほか、信用・証拠金損益や手数料額はそれぞれ合算して記入するようにしましょう。
bitFlyerのダウンロード方法
bitFlyerの年間取引報告書は、ログイン後のメニューから「お取引レポート」を開き、「お取引レポートのダウンロード」ボタンを押すことでダウンロード画面を表示することができます。
取得したい年次の右側にあるダウンロードをクリックしましょう。
参考:bitFlyer|「年間取引報告書」はどこで確認できますか。
Coincheckの項目内容とダウンロード方法
Coincheckは国内大手の仮想通貨取引所ですが、記事執筆時点現在では「年間取引報告書」という形式での取引内容の提供は行なわれていません。
その代わりにCSV形式の取引履歴がダウンロードできますが、利用者自身で損益を計算する必要があります。
(Coincheckの取引履歴CSV(業界標準フォーマット)のイメージ)
Coincheckの取引履歴には同社独自の「Coincheckフォーマット(新・旧)」と、業界標準に準拠した「業界標準フォーマット」があります。
「業界標準フォーマット」は「取引履歴、積立、コインを貸す、仮想通貨報酬履歴」など取引種類の網羅性が高いデータとなっています。
ここでは「業界標準フォーマット」を例として、項目内容の詳細と確定申告での使い方、そしてダウンロード方法について順に見ていきましょう。
Coincheckの項目内容
Coincheckの取引履歴(業界標準フォーマット)には、以下の項目が取引単位で掲載されています。
項目 | 内容 |
取引日時 | 入出金や売買などの取引を行った日時(日本時間) |
取引種別 | 行った取引の種別 |
取引形態 | 取引種別が購入・売却・交換の際、取引相手がCoincheckの場合(販売所)は「自己」 板取引(取引所)の場合は「媒介」 |
通貨ペア | 売買時の通貨のペア |
増加通貨名 | 入金や購入などによって増加した通貨名 |
増加数量 | 入金や購入などによって増加した数量 |
減少通貨名 | 出金や売却などによって減少した通貨名 |
減少数量 | 出金や売却などによって減少した数量 |
約定代金 | 売買などの際に、注文が成立した価格 |
約定価格 | 通貨1単位あたりの約定代金 |
手数料通貨 | 発生した手数料の通貨 |
手数料数量 | 発生した手数料の数量 |
送付元アドレス | 預入した際の送金元アドレス |
送付先アドレス | 送付した際の送金先アドレス |
登録番号 | Coincheckの暗号資産登録業者番号 |
社名 | コインチェック株式会社と表示される |
備考 | 補足事項(TradeIDなど)があれば表示される |
確定申告で使用する項目(Coincheck)
Coincheckの取引履歴CSVに基づいて確定申告を行う場合は、一つ一つの取引履歴から損益計算を行う必要があります。
「暗号資産の計算書(総平均法用)」を使用する場合は、主に「3 上記2以外の取引に関する事項」の欄を使用します。
シートは仮想通貨の銘柄ごとに分けて作成する必要がありますので、注意してください。
※上記の情報に基づき転記箇所を記載していますが、その正確性について保証するものではありません。最終的な確認はご自身で行ってください。
「3 上記2以外の取引に関する事項」の欄には、損益計算の対象となる取引を全て記入する必要があります。
Coincheckの場合、主に取引履歴上の取引種別 「購入」 「売却」 が記載対象になることでしょう。(現状、Coincheckは仮想通貨同士の取引ペアがないため「交換」は発生しません。)
現金の「入金」 「出金」や、仮想通貨の「預入」 「送付」は損益計算には影響しないため、「暗号資産の計算書(総平均法用)」に記入する必要はありません。
なお、取引種別「受取」の記載がある場合は、何らかの理由でCoincheckから仮想通貨または日本円を受け取っています。受け取ったものが仮想通貨である場合は、こちらも損益計算に加える必要があります。
記載方法については「暗号資産の計算書(総平均法用)」の補足説明(③マイニング、ステーキング、レンディングなどにより暗号資産を取得した場合)を参考にすると良いでしょう。
「手数料等」欄については、取引履歴上に記録されている手数料の合計額を記入します。
ただし送付手数料などの仮想通貨で支払う手数料については、日本円に換算して合算する必要があります。
日本円換算を行う際は、Coincheckが公表している取引相場を参照すると良いでしょう。
Coincheckのダウンロード方法
Coincheckの取引履歴をダウンロードするには、PCブラウザにてCoincheckにログインする必要があります。
画面左メニューの人型タブ(左から2番目のアイコン)、「取引履歴」の順にクリックすると取引履歴のダウンロードページが表示されますので、取得したい年度やフォーマットを選択してダウンロードしましょう。
参考:Coincheck|業界標準フォーマットでの取引履歴(CSV)の取得方法
参考:Coincheck|Coincheckフォーマットでの取引履歴(CSV)の取得方法
GMOコインの項目内容とダウンロード方法
GMOコインの年間取引報告書は、ステーキングや貸暗号資産などのサービスを反映した項目が多いのが特徴です。
自分が保有していない銘柄の欄も表示されるため、ページ数が多くなっています。
(GMOコインの年間取引報告書イメージ)
項目内容の詳細と確定申告での使い方、そしてダウンロード方法について順に見ていきましょう。
GMOコインの項目内容
GMOコインの年間取引報告書は、「現物取引」 「収入金額」 「各種手数料」「証拠金取引」の区分で構成されています。
それぞれの内容は以下の通りです。
現物取引
現物取引(通常の仮想通貨売買取引)における、年始と年末の保有数量と評価額が銘柄ごとに記載されています。
項目 | 内容 |
通貨名 | 仮想通貨の銘柄名(ビットコインなど) |
年首残高 | 年始時点における保有数量 |
年首残高評価額 | 年始時点における評価額(日本円) |
年末残高 | 年末時点における保有数量 |
年末残高評価額 | 年末時点における評価額(日本円) |
収入金額
収入に関する金額が銘柄ごとに記載されています。
項目 | 内容 |
通貨名 | 仮想通貨の銘柄名(ビットコインなど) |
購入/取得数量 | 年間に購入・取得した数量の合計 |
購入/取得金額 | 年間に支払った購入金額の合計(日本円) |
売却数量 | 年間に売却した数量の合計 |
売却金額 | 年間に受け取った売却金額の合計(日本円) |
キャンペーン | キャンペーンで付与された仮想通貨の評価額 |
その他 | キャンペーン以外(賃借料・ステーキング報酬等)で付与された仮想通貨の評価額 |
各種手数料
支払った手数料金額が、手数料の名目ごとに記載されています。
証拠金取引
暗号資産FXなどの証拠金取引を行っている場合は、その売買損益とレバレッジ手数料などが記載されています。
確定申告で使用する項目(GMOコイン)
GMOコインの年間取引報告書に基づいて確定申告を行う場合は、主に次の項目を使用します。
● 通貨名
● 購入/取得数量
● 購入/取得金額
● 売却数量
● 売却金額
国税庁の「暗号資産の計算書(総平均法用)」に転記する場合は、各欄に(赤字)で記載した項目を転記することで簡易的な計算を行うことができます。
シートは仮想通貨の銘柄ごとに分けて作成する必要がありますので、注意してください。
GMOコインの年間取引報告書を国税庁の計算書に転記する場合の例
※上記の情報に基づき転記箇所を記載していますが、その正確性について保証するものではありません。最終的な確認はご自身で行ってください。
年間取引報告書に関する事項の記入欄へ、GMOコインの年間取引報告書から「購入/取得数量」「購入/取得金額」「売却数量」「売却金額」を転記します。
なお、GMOコインの年間取引報告書にはキャンペーンやステーキングにより取得した仮想通貨の評価額も記載されていますが、そのまま「2 年間取引報告書に関する事項」に転記すると計算が不正確になるものと考えられます。
こうした取引がある場合は「暗号資産の計算書」の説明文等を参考にしつつ、「3 上記2以外の取引に関する事項」の欄に記入すると良いでしょう。
仮想通貨の信用・証拠金取引を行っている場合は、その損益額を該当欄へ転記してください。GMOコインの年間取引報告書では差益と差損を合算した「損益合計」として掲載されていますが、プラスの場合は差益欄へ、マイナスの場合は差損欄に転記します。
最後に、手数料等欄へ経費として計上したい「支払手数料」を転記します。
なお、上記はGMOコインのみで取引を行っている場合の転記例です。他にも年間取引報告書の発行を受けている取引所がある場合はGMOコインに続いて2行目以降に転記するほか、信用・証拠金損益や手数料額は合算して記入するようにしましょう。
GMOコインのダウンロード方法
GMOコインの年間取引報告書は、メニューの「明細」>「帳票」の順に開いた「帳票一覧」画面からダウンロードすることができます。
「件名」リストから「年間取引報告書」を選択し、「受信日」欄に取得したい年度を含むように期間を指定して「検索」することで、ダウンロードボタンが表示されます。
bitbankの項目内容とダウンロード方法
bitbankは年間取引報告書を発行しているものの、他社のようなPDF形式の書面ではなくCSVデータ形式で提供されています。
また、JPY(日本円)建てペアの取引とBTC(ビットコイン)建てペアの取引が別々に集計されている点が特徴的です。
(bitbankの年間取引報告書CSVのイメージ)
項目内容の詳細と確定申告での使い方、そしてダウンロード方法について順に見ていきましょう。
bitbankの項目内容
bitbankの年間取引報告書には、以下の項目が仮想通貨の銘柄毎に掲載されています。
項目 | 内容 |
通貨名 | 対象通貨の名称 |
年始数量 | 年始における残高 |
JPY建て年中購入数量 | 年内にJPY建てペアで購入した数量 |
JPY建て年中購入金額 | 年内にJPY建てペアで購入した金額(日本円換算) |
BTC建て年中購入数量 | 年内にBTC建てペアで購入した数量 |
BTC建て年中購入金額 | 年内にBTC建てペアで購入した金額(BTC終値に基づく日本円換算) |
JPY建て年中売却金額 | 年内にJPY建てペアで売却した数量 |
JPY建て年中売却数量 | 年内にJPY建てペアで売却した金額(日本円換算) |
BTC建て年中売却数量 | 年内にBTC建てペアで購入した数量 |
BTC建て年中売却金額 | 年内にBTC建てペアで売却した金額(BTC終値に基づく日本円換算) |
移入数量 | 年内に入金した数量 |
移出数量 | 年内に出金した数量 |
支払手数料 | 出金や売買で支払った手数料 |
貸出数量 | 年内に受理された「貸して増やす」の数量 |
返却数量 | 年内に途中解約か満期を迎えて返却された「貸して増やす」の数量 |
貸出損益 | 年内に途中解約か満期を迎えた「貸して増やす」の損益 |
年末数量 | 年末における残高 |
確定申告で使用する項目(bitbank)
bitbankの年間取引報告書に基づいて確定申告を行う場合は、主に次の項目を使用します。
● 通貨名
● JPY建て年中購入数量
● JPY建て年中購入金額
● BTC建て年中購入数量
● BTC建て年中購入金額
● JPY建て年中売却金額
● JPY建て年中売却数量
● BTC建て年中売却数量
● BTC建て年中売却金額
● 支払手数料
bitbankの年間取引報告書には、取引数量や金額がJPY(日本円)建て取引とBTC(ビットコイン)建て取引に分けて記載されています。
もしJPY(日本円)取引のみを行っているのであれば、年間取引報告書の「JPY建て」各項目を、国税庁の「暗号資産の計算書(総平均法用)」の各欄に(赤字)の通りに転記することで簡易的な計算を行うことができます。
シートは仮想通貨の銘柄ごとに分けて作成する必要がありますので、注意してください。
※上記の情報に基づき転記箇所を記載していますが、その正確性について保証するものではありません。最終的な確認はご自身で行ってください。
一方でbitbankでBTC(ビットコイン)建て取引も行っている場合は、計算方法に注意が必要です。
BTC(ビットコイン)建て取引は仮想通貨同士の交換取引となりますので、その損益計算を行うには、取引時の時価で日本円換算をしなければならないためです。
bitbankの年間取引報告書には「BTC建て購入金額」 「BTC建て売却金額」欄に日本円換算の取引額が記載されていますが、これは取引を行った日のビットコイン終値に基づいて換算された金額であるため、取引時点の正確な時価に基づいているものではないのです。
確定申告を行う際には、日本円換算をどのような基準で行うのかについて、他の取引所や仮想通貨銘柄の取り扱いも含めて矛盾がないように整理する必要があります。悩ましい場合は税務署や税理士などに相談すると良いでしょう。
なお、専用の損益計算ツールを使用することで、このような複雑なケースの計算も簡単かつ自動的に対応することが可能です。詳しくは後段で解説いたします。
bitbankのダウンロード方法
bitbankの年間取引報告書は、ログイン後の資産画面からダウンロードが可能です。
資産画面下部に「年間取引報告書」の項目がありますので、取得したい年度を選択のうえ「CSVダウンロード」ボタンをクリックしましょう。
年間取引報告書を使用する際の留意点
年間取引報告書は確定申告などの準備に活用できる書類ですが、以下の点には注意しておきましょう。
①海外取引所やDEX(分散型取引所)などはもちろん、日本国内の仮想通貨取引所であっても発行していないところがあるが、これらの情報もまとめて計算する必要がある。 ②発行している取引所であっても書類の形式や記載項目などは取引所ごとにバラバラであるため、複数の場所で取引している場合は単に転記では済まない。また、実際に活用する際にはどの数字が使用できるのか個人では判断が悩ましいケースが多い。 ③仮想通貨同士の交換取引を行った場合や、支払い手数料が仮想通貨建てであった場合などは、取引価格を時価に基づいて日本円換算する必要があり、単純に年間取引報告書に記載されている数値を「暗号資産の計算書」に転記するだけでは成り立たない場合がある。 |
こうした理由から、実際には取引所が集計した「年間取引報告書」を使用せず、取引単位のデータである「取引履歴」から、年間の損益計算を行って確定申告を行っている投資家の方が多いのです。
仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」であれば、こうした「取引履歴」に基づく複雑な損益計算を簡単な操作だけで自動的に済ませることができます。「クリプタクト」は19,000銘柄以上の仮想通貨や法定通貨の時価情報を1分単位で保有しているため、仮想通貨同士の交換取引や仮想通貨建ての手数料支払いも、自動的かつ正確に日本円換算されます。
また、「クリプタクト」は今回ご紹介した各取引所を含む、国内外90カ所以上の仮想通貨取引所における取引履歴データの取り込みに対応しています。そのため取引所ごとのフォーマットの違いに悩む必要がないだけでなく、対応取引所であれば API連携をすることで取引履歴をダウンロード・アップロードする手間すら必要ありません。
「クリプタクト」では、基本機能を無料で利用できるプランも用意されています。仮想通貨取引の税務を効率的かつ正確に対応したい方は、ぜひこの機会にお試しください。