近年、少額かつ簡単に始められる資産運用として仮想通貨取引への注目が高まっています。
しかし、いざ仮想通貨取引を始めようと思った際に、副業に該当しないか、会社に知られることで不利益がないかと心配になるサラリーマンの方も多いことでしょう。
そこでこの記事では仮想通貨取引が副業に該当するのか、確定申告はどんあ場合に必要なのか、そして職場に知られずに税金の手続きを終える方法などについて解説していきます。
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副業禁止の会社員・公務員でも仮想通貨投資はできる?
働き方改革の一環として政府が副業を促進している昨今ですが、副業禁止を定めている企業も少なくありません。
ただし、一般的には、仮想通貨取引を行うこと自体が副業として問題になることはないと考えられています。なぜならば、仮想通貨投資はあくまでも資産運用の形態の一種にすぎないためです。
基本的に個人が保有する資産をどのように運用するのかは本人の自由ですから、仮想通貨を購入することは 、外貨やその他の資産を購入するのと同様に自由であると考えるとわかりやすいかもしれません。
さらに言えば、株や不動産、そして仮想通貨であっても贈与や相続によって取得することがあり得ます。企業が資産運用を一律で禁止してしまうと、こうした資産を受け取る権利を奪うことになり、憲法で保護されている財産権との整合性に問題が生じかねません。
そのため、「資産運用」は厳密には副業には当たらず、たとえ副業が禁止されている勤務先に務めていても、仮想通貨投資は問題なく行えると考えて良いでしょう。
このように厳密には「副業」にあたらない仮想通貨投資ですが、この記事ではわかりやすさの観点から「仮想通貨取引で副業で行う」という表現をしている点にご留意ください。
会社員・公務員が仮想通貨取引で副業を行うときに確定申告は必要?税金はどうなる?
個人が所得を得た場合は、1年間の所得金額に応じて「所得税」と「住民税」を納める必要があります。所得とは収入から経費を差し引いた利益のことで、仮想通貨取引による利益も通常「雑所得」と呼ばれる所得区分に分類され、年間所得額に含まれることとなります。
会社員や公務員であれば、勤務先で年末調整を行うことで税金の申告・納付が完結するケースが多いため、こうした税金の申告に馴染みのない方も多いことでしょう。しかし、年末調整は基本的に「給与所得」を対象とした仕組みであるため、仮想通貨取引などで給与以外の所得がある場合は、改めて確定申告を行う必要があるのです。
確定申告の要否を判断する際によく言われる目安として、年間20万円という基準があります。年末調整を実施しているサラリーマンであれば、仮想通貨取引などで年間20万円を超える利益(雑所得)を得た場合に確定申告が必要になるというものです。
また、年間20万円以下であれば確定申告が不要かといえば、そうとも限りません。住宅ローン控除などの各種控除を受けたい場合や、高額所得者の場合は、雑所得の金額に関わらず確定申告が必要となります。こうしたケースや確定申告の要否についてはページ下部の関連記事でも詳細に解説していますので、興味のある方はぜひ併せてご確認ください。
仮想通貨の所得が20万円以下でも確定申告・税金の納付の必要がある?
なお 、仮に申告自体は不要であったとしても 、「仮想通貨投資を行っている」という事実は税務署側は把握しています。そのため、万が一の税務調査に備えて、赤字であっても、正確な赤字金額を把握しておくのは大事になります。加えて海外の取引所での取引も対象となることは注意しておきましょう。
確定申告の必要有無がわからない場合、自動で損益が計算できる損益計算ツールを使って見るのがおすすめです。仮想通貨の損益計算ツール「クリプタクト」であれば、取引履歴をアップロードするだけでその場で確認ができます。
副業で仮想通貨投資をしていることをバレたくない/知られたくない場合は?
一般的に仮想通貨投資が副業として問題にならないことは前述した通りですが、それでも心理的に投資をしていることを会社に知られたくないという方もいることでしょう。
そもそも会社に副業や投資をしていることがバレてしまう大きな原因として、副収入による住民税の増加が挙げられます。通常、住民税は「特別徴収」と呼ばれる仕組みによって会社が給与から天引きする形で支払うため、会社は従業員の住民税額を把握することができます。
そのため、年末調整で把握している所得に対して住民税が高い場合は、会社が支給している給与以外の所得があることを意味し、その差額が極端に大きければ「副業をしているかもしれない」と疑われる可能性が高いのです。
それでは、できるだけ会社に気付かれないようにするには、どのような方法があるのでしょうか。ここでは一般的に紹介されている2つの方法について解説します。
仮想通貨取引による期中の所得を20万円以内に収める
仮想通貨投資を会社にバレにくくする対策として、仮想通貨による年間所得を20万円以内に抑える手法が紹介されているのをよく目にします。
所得とは利益から損失や必要経費を引いたものですので、これらを上手く組み合わせることで雑所得が20万円以下になれば、所得税の確定申告が不要になるというものです。
しかし所得税の確定申告が不要になっても、副収入がある場合は別途、住民税の申告をしなければなりません。結果として住民税の税額は上がることになりますので、確定申告さえしなければ会社に副業がバレないという情報を鵜呑みにするのは危険です。
とはいえ、雑所得の金額が小さいほど住民税の差額も小さくなりますので、目立ちにくくなるという点では多少の効果はあるかもしれません。
確定申告で「普通徴収」を選択する
より直接的な対策として、住民税の徴収方法で「普通徴収」を選ぶことも効果があるとされています。
「普通徴収」とは、納付書を自分宛に発行してもらい直接税金を支払う方法で、住民税の通知が会社に届かないため、住民税額が会社に知られる心配がありません。
確定申告の際に、給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法として「自分で納付」(これが普通徴収です)を希望する欄にチェックを入れることで選択することができるため、複雑な手続きも必要ありません。ただし、近年では税金の滞納を防ぐために市区町村によっては普通徴収を認めてくれない場合もあります。不安な場合は、事前に役所に確認しておくことをおすすめします。
仮想通貨の副業を始めるときに押さえておきたいポイント
さて、いざ仮想通貨取引で副収入を得ようとした際、どのようなポイントに注意すべきでしょうか。
ここでは、しっかり押さえておきたいポイントについて解説します。
安心して使える取引所を選ぶ
仮想通貨取引を行うにあたって、仮想通貨取引所選びは重要な要素となります。
利益に直結する手数料水準はもちろんのこと、取扱い銘柄数、サイトやアプリの使いやすさ、そしてセキュリティ対策がしっかりしていることも重要です。
また、セキュリティ対策については、日本の厳しい規制水準をクリアして金融庁から認可を受けている国内仮想通貨取引所を選ぶことで一定の質を確保することができるでしょう。
国内仮想通貨取引所には、次のようなものがあります。
国内取引所例
● bitFlyer
● CoinCheck
● GMOコイン
● bitbank など
損益を正確に計算する
仮想通貨取引で副収入を得る場合、税金の計算方法を理解し、正確に算出する必要があります。
その重要な一歩となるのが、仮想通貨における損益認識について理解することです。
仮想通貨取引で利益が発生したとみなされるタイミングは、仮想通貨を売却して日本円に換えた時だけではありません。
例えば仮想通貨同士を交換したり、あるいは仮想通貨で商品やサービスを購入した場合にも、その譲渡価額と取得原価の差額から損益を計算する必要があるのです。
そして確定申告で年間の所得を正確に申告するためには、全ての仮想通貨取引について漏らさず記録し、仮想通貨の平均単価や個々の取引における損益がわかるように管理しておかなければなりません。
もし確定申告において所得を少なく申告してしまったり、確定申告そのものを怠ってしまうと、税務調査によって追徴課税などの重いペナルティを受ける事態にもなりかねません。
また税務署とのやり取りの過程で、投資をしていることを誰かに知られてしまう場合も考えられます。
そのようなリスクを回避するためにも、仮想通貨の課税の仕組みについてしっかりと把握し、正確な損益計算を心掛けることが必須と言えるでしょう。
仮想通貨の課税タイミングについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。詳細に興味のある方は併せてご覧ください。
仮想通貨取引の税金計算にはクリプタクトを使おう
このように、仮想通貨の税金対策には日頃から取引履歴の保管を意識することと、正確な計算作業が欠かせません。とはいえ本業がある中での副業ですから、仮想通貨投資関連の作業へ無尽蔵に時間を費やせるわけではありません。そのため、
こうした煩雑な作業を可能な限り簡略化するため、多くの投資家が損益計算ツールを活用しています。
仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」なら、仮想通貨取引所やウォレットなどの取引履歴データをアップロードするだけで、または対応しているサービスとAPI連携をするだけで、現時点の実現損益をリアルタイムで管理することが可能です。
確定申告に向けた準備が楽になるだけでなく、ポートフォリオ機能を活用して戦略的な投資を検討する際にも便利となっていますので、興味のある方はぜひ「クリプタクト」をお試しください。