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仮想通貨取引を行っている方の中には、仮想通貨が盗まれる被害に遭うことに不安を感じている方もいるでしょう。 実際に仮想通貨取引所がハッカーの被害に遭い、資金が流出する事件も起きています。こうした事件をきっかけに仮想通貨取引所のセキュリティ強化がより一層行われていますが、自分でもできるだけの対策をとりたいものです。

この記事では、仮想通貨が盗まれる主な原因や具体的な手口、被害に遭わないために自分でできる対策法を解説します。

目次

  1. 仮想通貨が盗まれてしまう原因や手口とは?
  2. 個人でできる、仮想通貨の盗難被害対策
  3. もし盗まれてしまった場合にできること
  4. まとめ

仮想通貨は盗まれてしまう原因や手口 とは?

仮想通貨が盗まれる事件が起こる原因は、悪意あるハッカーがシステムやネットワークの脆弱性をねらいハッキングを行うことがあるからです。
主なハッキングの手口として、以下のようなものがあります。

仮想通貨の取引所へのハッキング

仮想通貨のハッキングとしてまず挙げられるのが、取引所へのハッキングです。

仮想通貨の取引所には多くのユーザーの仮想通貨が保管されているため、ハッカーの標的になりやすいのです。仮想通貨の取引所がハッキングされてしまうと、その取引所に保管されている多額の資金が流出し、ユーザーの資産が失われてしまうことになります。過去にも、コインチェック事件やマウントゴックス事件などが起きています。
それらの事件の後、仮想通貨の取引所はセキュリティや規制の強化に努めることになり法整備の必要性も問われることになりました。

ウォレットの盗難

各ユーザーが保有しているウォレット(仮想通貨を保管する場所)から仮想通貨が盗まれることもあります。 


これまでにユーザーが盗難被害を受けた例として、仮想通貨関係の詐欺サイトなどへのアクセスや悪意のあるマルウェアを開いたりしてしまうことで、ウォレットやパソコンがウィルスに感染してしまい、仮想通貨が盗まれたなどがあります。仮想通貨の取引所に資金を保管しているからといって安心せずに、自分の資金は自分で守る知識が必要です。

こうした第三者からの攻撃のほかに、知識やスキルを持たずに取引を行うユーザーが多いことも仮想通貨が盗まれる原因のひとつとなっています。

個人でできる、仮想通貨の盗難被害対策

 では、こうした仮想通貨が盗まれる事件の被害に遭わないために、自分でできる対策にはどんな方法があるのでしょうか。
今からできる盗難被害対策を5つ紹介しますので、盗難リスク回避に役立ててください。

1.仮想通貨を分散管理する

仮想通貨を盗難の被害から守るために、まずは分散管理することを検討しましょう。

ハッキングは、多くの資金が集まる仮想通貨の取引所が狙われやすいです。そのため、ひとつの取引所だけを利用するのではなく、複数の取引所で仮想通貨を分散管理することで、仮にひとつの取引所が被害を受けてもほかの取引所で管理している仮想通貨を守ることができます。

また、仮想通貨のハッキングは個人のウォレットも狙われやすいです。ウォレットは複数個持つことができるので、ひとつのウォレットで仮想通貨を保有するのではなく複数個に分けて管理しましょう。

ひとつのウォレットが被害を受けてもほかのウォレット内の仮想通貨は被害を受けずにすむため、盗難対策に役立ちます。

2.セキュリティソフトを導入する

仮想通貨取引を行うパソコンなどのデバイスにセキュリティソフトを導入すると、ウィルス対策に効果的です。仮想通貨取引を行わなくてもパソコンなどにはウィルスソフトを導入することが推奨されているため、すでに導入しているかもしれませんが、有効期限が切れていないかなどの確認も忘れずにしましょう。

3.ハードウェアウォレットを利用する

「ハードウェアウォレット」とは、仮想通貨を通信環境から切り離して管理できるデバイス型のウォレットで、セキュリティが高いためハッキングなどの被害から自分の仮想通貨を守ることができるものです。

資産分離のために複数のウォレットを保有する場合など、その中にハードウェアウォレットも組み込むことで、セキュリティを強化することが可能です。

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画像クレジット:Quinten Jacobs/Shutterstock.com

4.パスワードを複雑にする

基本的なことですが、仮想通貨用口座のパスワードを複雑にすることもセキュリティを強化することに役立ちます。ほかのサービスで使用しているものとは別のパスワードに設定するほか、複数の仮想通貨の取引所を利用する場合もそれぞれ別のパスワードを利用すると良いでしょう。

5.二段階認証を設定する

セキュリティ強化のために「二段階認証 」を徹底して行いましょう。二段階認証とは、ログイン時などパスワードを入力する際に、アプリや電子メール、SMS(ショートメッセージ)などから取得した確認コードも入力することで本人確認を行う方法のことをいいます。

特に、ログイン時や売買用資金の口座振替時、日本円の出勤時、仮想通貨の出庫時などはハッカーに狙われやすいため、それぞれのタイミングで二段階認証を徹底すると不正操作の被害に遭うリスクを減らせます。

もし盗まれてしまった場合にできること

万が一、取引所がハッキングされ仮想通貨が盗まれたら、基本的に仮想通貨は戻ってこないと考えましょう。信頼を大事にする大手取引所が、顧客に損失をすべて被せるとは考えにくいものの、対応は取引所次第になります。

日本で起きたハッキング事件として、2018年1月26日のコインチェックのNEM流出事件があります。仮想通貨の管理方法に問題があったためハッキングの対象になったとされており、不正アクセスにより約580億円もの金額が流出しました。

事件後は、ネットワークの再構築やサーバの再設計・再構築、端末のセキュリティ強化などの対策が行われ、NEMを保有していた顧客には日本円で顧客用のウォレットに返金されました。

この事件では顧客への補償が行われましたが、補償を受けられないケースもあることには留意しましょう。

まとめ

仮想通貨は、システムやネットワークの隙間をねらわれて、ハッキングの被害に遭う可能性があります。仮想通貨取引所のセキュリティ強化や法整備に期待する一方、 仮想通貨は盗まれたら基本的には戻ってこないと考えて、仮想通貨の分散管理やセキュリティソフトの導入など、自分でもできる対策をとりましょう。

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