dydxの特徴から使い方、取引履歴の見方まで解説.jpg

分散型取引所(DEX)のひとつである、dYdXはUniswapやPancakeSwapなどの一般的なDEXとは異なるタイプの取引所として知られています。

ただし、それゆえ「気になるけど、よくわからない」と思っている方が多いのではないでしょうか。

そこで、この記事ではdYdXの特徴について分かりやすく解説するとともに、始め方や使い方を画像付きでご紹介していきます。

またdYdXなどのDEXで稼いだ場合に必要となる確定申告についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

  1. dYdXとは   
    1.1. 「永久先物取引(パーペチュアル取引)」に特化している   
    1.2. 中央集権型の仮想通貨取引所(CEX)と操作感が似ている
  2. dYdXを始めるために必要な準備   
    2.1. ウォレットの準備・接続 
    2.2. セキュリティ面の注意点
  3. dYdXの使い方:取引方法 
    3.1. dYdXへの入金  
    3.2. dYdXでのレバレッジ取引 
    3.3. dYdXからの出金
  4. dYdXの使い方:取引履歴の取得方法
  5. まとめ

dYdXとは

dYdXは、数ある分散型取引所(DEX)の中でも非常にユニークな特徴を持っています。

dYdXの主な特徴 

● 「永久先物取引(パーペチュアル取引)」に特化している    
● 仮想通貨取引所(CEX)と操作感が似ている    

それぞれの特徴について見ていきましょう。

「永久先物取引(パーペチュアル取引)」に特化している

dYdXでは、永久先物取引(パーペチュアル取引)と呼ばれる取引を行うことができます。

永久先物取引は先物取引の一種で、「買い」または「売り」のどちらからでも取引を開始することができ、無期限でポジションを保有し続けることができるという特徴があります。

最大20倍のレバレッジ取引が可能なため、手元資金を最大限に活用したい人には嬉しい分散型取引所(DEX)と言えるでしょう。

一方で、dYdXは永久先物取引に特化していることから、取引は全て差金決済となります。

差金決済とは、実際に仮想通貨の受け渡しは行わず、反対取引の決済によって生じた差額のみを受け渡す取引のことです。

「売り」の注文でポジションを保有し「買い」の決済注文でポジションを解消するというような取引を行い、決済注文が約定した時点で損益が確定することになります。

現物取引には対応していないため、実際に仮想通貨を購入したり、保有している仮想通貨を売却したい場合は、他の取引所を使う必要があるでしょう。

中央集権型の仮想通貨取引所(CEX)と操作感が似ている

dYdXでは、オーダーブック方式と呼ばれる取引方式が採用されています。

これは、オーダーブック(取引板)に投資家の注文情報が並べられ、マッチングすることで取引が成立する方式です。一般的な仮想通貨取引所(CEX)が採用している取引方式であるため、見慣れている方が多いことでしょう。

一方、多くの分散型取引所(DEX)では自動マーケットメイカー(AMM)方式を採用していることが一般的です。

自動マーケットメイカー(AMM)方式では流動性プールを元に即座に取引が成立するのに対して、オーダーブック方式は取引条件がマッチングするまで取引が成立しないというデメリットがあります。

しかし、オーダーブック方式を採用しているdYdXでは、自動マーケットメイカー(AMM)方式にはない「指値注文」や「逆指値注文」といった予約取引を行うことができるため、より戦略的な投資が可能とも言えるでしょう。

dYdXを始めるために必要な準備

dYdXは、対応した仮想通貨ウォレットがインストールされたPC・スマホなどがあれば、誰でも簡単に使い始めることができます。

この記事では、MetaMaskを接続してdYdXを使うケースを例としてご紹介します。

なお、以降に掲載されているMetaMask、dYdXのスクリーンショットは、情報提供のために使用しています。これらの画像の著作権はアプリの開発者に帰属します。

ウォレットの準備・接続

dYdXを使い始めるにあたって、必要な準備は次の通りです。

1. dYdXに対応したウォレットを用意する    
2. ウォレットをインストールしたデバイスでdYdXにアクセスする    
3. ウォレットをdYdXのサイトに接続する

なお、dYdXでは次のようなウォレットに対応しています。

● MetaMask    
● WalletConnect    
● Coinbaseウォレット など

一般的には、広く普及しているMetaMaskを利用するケースが多いでしょう。

なお、MetaMaskのインストール方法については、こちらの解説記事で詳しくご紹介しています。これからインストールする方は、ぜひご参照ください。

MetaMaskのウォレットを用意(MetaMaskへの入金を含む)できたら、さっそくdYdXに接続してみましょう。

なお、2024年2月18日現在、dYdXは従来型の「v3」と最新版の「v4」が並行稼働しています。

v3はイーサリアムのレイヤー2ネットワークである「Stark-net(スタークネット)」上で稼働していますが、v4は独自のブロックチェーン「dYdXチェーン」上に構築され、処理能力やシステムの分散性が高まっているという特徴があります。どちらも取引が可能ですが、この記事では最新版のv4を用いて解説していきます。

なお、以降に掲載されているdYdXのブラウザ版およびアプリ版のスクリーンショットは、情報提供のために使用しています。これらの画像の著作権はアプリの開発者に帰属します。

まずはdYdXのトップページを開き、「今すぐ取引する」ボタンを押してください。

 

 

続いて、dYdX v4の画面が開いたら「ウォレットへ接続」ボタンを押します。

 

 

ウォレットの選択画面の中から、MetaMaskを選択します。

 

MetaMaskが自動的に起動されますので、画面に沿ってdYdXへの接続を承認しましょう。

 

ウォレットが接続されると、続いてウォレットの所有権確認を促す画面が表示されます。

 

「リクエストを送信する」ボタンを押すと、Metamaskで承認を求められます。

承認することで、dYdXとMetaMaskの接続は完了です。

 

dYdXの画面右上のウォレット表示が変化していることで、接続状態を確認できます。

セキュリティ面の注意点

dYdXのような分散型アプリケーション(DApps)にMetaMaskなどの仮想通貨ウォレットを接続することで、分散型金融(DeFi)などのさまざまなサービスを利用できるようになります。

これは非常に便利な仕組みである一方、取り扱いを誤れば大きなリスクを伴うことに注意が必要です。

特に、不正なサイトへMetaMaskなどの仮想通貨ウォレットを接続してしまうと、悪意のあるリクエストに気付かず承認することで、大切な資産を失う結果になりかねません。

仮想通貨ウォレットを接続する際は、そのサイトが信頼できるサイトであるか、自身の責任でしっかりと確認をするようにしましょう。

なお、誤って不正なサイトに接続してしまった場合は、「リボーク(revoke)」と呼ばれる操作を行うことで、接続を取り消すことが可能です。

MetaMaskのリボークについてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、気になる方はぜひご参照ください。

dYdXの使い方:取引方法

それでは、実際にdYdXで取引を行う方法について見ていきましょう。

ここでは次の取引について解説していきます。

● dYdXへの入金    
● dYdXでのレバレッジ取引    
● dYdXからの出金

dYdXへの入金

dYdX(v4)は、独自のブロックチェーンである「dYdXチェーン」上に構築されています。

そのため、取引を行うためには「dYdXチェーン」上のウォレットにウォレットから資金を入金する必要があります。

入金するにはまず、画面右上にある「入金」ボタンを押しましょう。


入金画面が開きますので、接続しているウォレット(MetaMask)内にある仮想通貨の中からdYdXへ入金したい銘柄や数量を入力してください。         
 

なお、初回入金時にはトークンへのアクセス権限を有効にする承認作業(Approve)が必要です。

承認にはガス代が必要ですが、これは初回だけのコストとなります。dYdXとMetaMaskの画面表示に沿って内容を確認し、承認操作を行ってください。

承認後はdYdXの画面で「資金を入金」ボタンを押すことで、指定した仮想通貨が     自動的にUSDCに交換されてdYdXに入金されます。

入金処理には数分程度の時間がかかりますので、処理が完了するまで待ちましょう。

dYdXでのレバレッジ取引

dYdXでは、39種類の銘柄で最大20倍までのレバレッジ取引が可能です。(2024年2月18日現在)

取引したい銘柄を選ぶには、まず画面上部から「マーケット」タブを開きます。

 

取引可能な銘柄の一覧が表示されるため、取引したいものを選択しましょう。

 

取引画面は、一般的な仮想通貨取引所(CEX)と概ね同様です。

 

画面右側には口座情報と、注文パネルが表示されています。

注文方法を指値注文・逆指値注文・成行注文(マーケット)のタブから選択し、「買い」「売り」を指定したうえで、取引したい数量を入力しましょう。

 

上記の画面は、成行注文(マーケット)で$20相当の買い注文を指定している状態です。

問題がなければ「成行注文を注文」ボタンを押しましょう。

取引が成立すると、口座の情報が更新されます。

 

レバレッジの倍率は、証拠金や現在のポジションに応じて自動的に算出されます。

証拠金が不足すると強制的なロスカットが行われるため、過度にリスクの高い取引には注意が必要です。

なお、dYdXで取引を行うと報酬として「dYdXトークン」を獲得することができます。

「dYdXトークン」はdYdXのガバナンストークンとして発行されており、保有することでステーキングやコミュニティの投票などに参加できます。

dYdXからの出金

dYdXから証拠金を出金したい場合は、画面右上にある「出金」ボタンを押しましょう。

 

出金画面が開きますので、出金先のウォレットアドレス、ネットワーク、希望する銘柄と数量を入力して「出金ボタン」を押します。

 

上記の画面は、dYdXの残高から9USDCを出金し、Polygonネットワーク上のMATICとして送金するように指定している状態です。

なお、入金操作とは異なり出金先が接続しているウォレット(MetaMask)に固定されておらず、宛先のウォレットアドレスを入力する必要がある点に注意が必要です。

自身のMetaMask宛に出金したい場合は、MetaMaskのウォレットアドレスを入力するようにしましょう。

dYdXの使い方:取引履歴の取得方法

dYdXは仮想通貨ウォレットを接続するだけで誰でも手軽にレバレッジ取引ができる取引所ですが、取引を通じて利益を得た場合、税金を納める必要がある点は国内取引所と変わりありません。

dYdXの利用に際しては、確定申告に向けて取引履歴の取得方法を認識しておく必要があります。

dYdXの取引履歴の閲覧は、画面上部の「ポートフォリオ」から「履歴」を選択することで可能です。

 

また、トランザクションの詳細な内容の確認、大量の取引情報をCSVファイルでダウンロードしたい場合は「dYdXチェーン」のブロックチェーンエクスプローラーであるMINTSCANを通じて行う必要があります。

MINTSCANを開くには、画面右上のウォレット情報から、アドレス右側にあるリンクボタンをクリックしましょう。

 

 

ファイルをダウンロードする際は、「Account」タブを開くとある「Transactions(トランザクション)」のリストの右上、ダウンロードボタンをクリックしてください。

 

 

ただし、MINTSCANのダウンロード機能は一部の取引種類が出力されない仕様となっている点に留意が必要です。

税金計算などで取引履歴を漏らさずに管理する必要がある場合は、dYdXの履歴画面と照らし合わせながら履歴を記録する必要があるでしょう。

まとめ

この記事では、「永久先物取引(パーペチュアル取引)」に特化したユニークな分散型取引所(DEX)であるdYdXについて、その特徴や使い方を解説してきました。

dYdXではレバレッジ取引によって小額投資でも大きな利益を得られる可能性がある一方、儲けによって多額の納税義務を負う可能性もあります。    

仮想通貨取引により得た利益は雑所得に該当し、一定額以上の所得がある場合は自分で損益を計算したうえで確定申告が必要になります。確定申告を怠ると、追徴課税などの重いペナルティを課せられることになりかねませんので、取引と税金対策は常にセットで考えておく必要があるでしょう。

なお、仮想通貨の税金計算は、全ての取引履歴を日本円に時価換算して損益計算をする必要があるため、取引件数が多くなるほど負担が大きくなります。取引内容が複雑な場合は特にその傾向が顕著と言えるでしょう。

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