分散型取引所(DEX)として非常に有名なUniswapですが、通常の国内仮想通貨取引所とは仕組みも運用形態も異なるため、使い方や始め方がわからないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、Uniswapの始め方や使い方について図解付きでわかりやすく解説していきます。
仮想通貨取引において必須となる税金計算の負担を軽くする方法もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次 |
Uniswap(ユニスワップ)とは
まず始めに、Uniswapの特徴について確認しておきましょう。
世界には数多くのDeFiサービスがありますが、その中でUniswapは主に次のような3つの特徴をもったサービスです。
①AMM方式で老舗の分散型取引所(DEX)である
Uniswapは2018年に運営が開始された分散型取引所(DEX)です。
DEXの仕組みとして主流となっているAMM方式を普及させた立役者でもあります。
AMM(Automated Market Makers)では取引がスマートコントラクトによって完全自動化されており、取引がトレーダー間ではなくトレーダーと「流動性プール」の間で行われるという特徴があります。
この仕組みにより取引が短時間で完了するうえ、取引の少ないニッチなトークンでもマーケットが機能するようになりました。
②複数のネットワークでトップシェアを誇る
当初はイーサリアムのブロックチェーンを利用して開発されたUniswapですが、イーサリアムがスケーラビリティ問題に直面してからは、手数料の安い新しいネットワークにも対応するようになりました。
Uniswapが稼働しているネットワーク
● イーサリアム
● Arbitrum
● Optimism
● Polygon
● Base
● BNB Chain
● Avalanche
● Celo
中でもイーサリアム・Polygon・Arbitrumの各ネットワークにおいてはトップレベルの取引高になっています。(2024年2月13日現在)
これは非常に多くの投資家がUniswapを利用していることを表しており、流動性提供で稼ぎたい人にとってはより多くの手数料収入を期待できる有望なマーケットであることを意味します。
また、スワップ目的で利用したい人にとっても、大勢の流動性提供者によって潤沢な流動性が提供されているUniswapを利用することで、多種多様なトークンを安定的に取引できるというメリットがあるのです。
③本人確認が必要なく誰でも利用できる
Uniswapはウォレットを接続するだけで誰でも簡単に利用することができます。
分散型取引所(DEX)であるUniswapには特定の管理者や運営会社が存在せず、口座開設手続きや本人確認なども必要ありません。
その反面、通常の仮想通貨取引所(CEX)のように金融当局の監督や消費者保護の法制度が行き届いていないため、利用する際にはリスクを認識して自己責任で判断する必要があるでしょう。
Uniswap(ユニスワップ)を始めるために必要な準備
Uniswapは、PCやスマホなどのデバイスがあれば誰でも簡単に使うことができます。
ここでは一般的な準備・接続方法とその注意点について解説します。
なお、以降に掲載されているMetaMask,UniSwap のスクリーンショットは、情報提供のために使用しています。これらの画像の著作権はアプリの開発者に帰属します。
ウォレットの準備・接続
必要な準備の流れは次の通りです。
- Uniswapに対応したウォレットを作成する
- 取引したいネットワークを選択する
- ウォレットをUniswapのサイトに接続する
Uniswapに対応しているウォレットには次のようなものがあります。
● Uniswap Wallet
● MetaMask
● WalletConnect
● Coinbase Wallet
一般的には汎用性が高く普及しているMetaMaskを利用するケースが多いでしょう。
MetaMaskのインストール方法は、Uniswapと同じDEXであるPancakeSwapの解説記事で詳しくご紹介している手順と同様です。これからインストールする方はぜひこちらをご参照ください。
MetaMaskのウォレットができたら、さっそくUniswapに接続してみましょう。
Uniswapのトップページを開き、画面右上の「Launch App」ボタンをクリック、Uniswapのメイン画面が表示されたら、画面右上の「接続」ボタンをクリックしましょう。
対応しているウォレットの一覧が表示されるため、MetaMaskをクリックします。
MetaMaskがインストール済みであれば自動的にMetaMaskが起動しますので、アカウントを選択のうえ「次へ」をクリックします。
続いて、接続確認の画面が表示されますので、「接続」をクリック、Uniswapの画面に戻り、画面右上に自分のウォレットアドレスが表示されていたら接続完了です。
なお、利用したいネットワークを変更したい場合は、ウォレットアドレス左側にあるプルダウンから指定することで、UniswapとMetaMask両方のネットワーク設定を変更できます。
(MetaMask側で確認が求められます)
セキュリティ面の注意点
UniswapにMetaMaskなどのウォレットを接続することで、ブロックチェーン上のさまざまなDeFi(分散型サービス)を利用することができます。
一方で、これらのサービスは仲介者がいない直接取引であり、ブロックチェーンを通じた匿名の取引でもあります。そのため、セキュリティ面の管理は全て自己責任となる点に注意しましょう。
特に、ウォレットの復旧用の「シークレットリカバリーフレーズ」は絶対に他人に知られないように厳重に保管する必要があります。
「シークレットリカバリ―フレーズ」さえあれば、第三者でもウォレットを復元して仮想通貨・トークンを利用できてしまうためです。
また、ウォレットを接続するサイトについても自身で慎重に判断する必要があります。
フィッシングサイトや詐欺サイトなどにウォレットを接続してしまった場合、保管してある仮想通貨・トークンを奪われるリスクが生じます。
万が一、不正なサイトにMetaMaskなどのウォレットを接続してしまった場合は、「リボーク(revoke)」と呼ばれる操作を行うことで接続を取り消すことが可能です。
MetaMaskのリボークについてはこちらの記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。
Uniswap(ユニスワップ)の基本的な使い方
それでは、実際にUniswapの使い方について見ていきましょう。
Uniswapは多機能な分散型取引所(DEX)ですが、ここでは基本的な2つの取引について解説します。
● トークンを別のトークンと交換(スワップ)
● 流動性提供
トークンの交換(スワップ取引)
スワップ取引とは、市場の価格変動を利用して、低い価格でトークンを購入し、高い価格で売却する(=トークンをスワップする)ことで差益を得る方法です。
Uniswapでトークンを別のトークンに交換したい場合は、画面左上の「スワップ」からスワップ画面を開きます。
利用するネットワークを変更したい場合は、事前に画面右上のプルダウンから変更しておきましょう。(上記の画面はPolygonが選択されている状態です)
上段で支払いたいトークンとその数量を入力し、下段で受け取りたいトークンを選択します。
トークンを選択するとAMMによって自動的に受け取れるトークンの数量が表示されます。
なお、取引量を受け取る数量で指定することも可能です。下段に受け取りたい数量を入力すると、AMMによって自動的に支払うトークンの数量が表示されます。取引内容に問題がなければ「スワップ」ボタンをクリックしましょう。
続いて表示される確認画面で「スワップを確定」をクリックすると、MetaMaskが起動します。
MetaMaskの画面で表示された取引を確認のうえ、問題がなければ「確認」をクリックしましょう。これでトークンの交換が完了しました。
なお、トークンを異なるネットワーク間で送信したい場合は、「ブリッジ」と呼ばれるサービスを使う必要があります。
Uniswapにはブリッジの機能はありませんが、スワップ画面下部の「トークンブリッジ」ボタンから外部サービスへ遷移することができますので、必要に応じて活用すると良いでしょう。
流動性提供
流動性提供とは、自分が保有しているトークンを「流動性プール」に預けることで、DEXの他のユーザーがスワップ取引を行えるようにすることを言います。
具体的には、スワップ取引を行う際には小額の手数料が差し引かれていますが、その一部は流動性プールを作成したユーザーへ報酬として支払われます。つまり、ニーズの多いトークンに対して流動性を提供することで、手数料報酬を稼ぐことができるのです。
この仕組み上、流動性を提供するには、2種類のトークンを保有している必要がありますので注意しましょう。
Uniswapに流動性を提供するには、画面左上のメニューから「プール」を開きます。(取引種類が並んだなかにあります)
続いて表示される流動性一覧のページで「+新しいポジション」ボタンをクリックすると、流動性を追加するための以下のような画面が表示されます。
最初に、画面上段の「ペアを選択」の箇所で提供したいトークンのペアを指定しましょう。
続いてその下にある手数料を設定します。
なお、手数料は流動性提供者が以下の選択肢の中から自由に選択することができます。
● 1%
● 0.3%
● 0.05%
● 0.01%
その次に、プールでカバーしたい価格範囲(その資産が取引される価格の範囲)を設定します。
そして最後に、画面下段で提供したいトークンの数量を指定します。
入力を終えたら「プレビュー」ボタンをクリックし、取引内容を確認、続いて表示される確認画面で「追加」をクリックします。
MetaMaskが起動しますので、承認操作を行うことで流動性の提供が完了します。
手数料、プールのカバー範囲、トークン比率設定において知っておきたい仕組み
①手数料設定
手数料を高く設定した方が一度の取引から多くの報酬を得ることができますが、利用者からは利用されにくくなります。
なお、流動性を提供するトークンのペアによって適正な水準が異なります。通常は推奨される水準が設定されていますので、判断が難しい場合は初期設定のままでも良いでしょう。
PolygonにおけるMATIC/JPYCペアの例
②プールでカバーしたい範囲
カバーする価格範囲を狭く設定することで、そのプールが頻繁に利用されて多くのスワップ手数料を得られるようになりますが、相場が価格範囲から外れてしまうとプールが利用されなくなります。
逆にカバーする範囲を広く設定することでプールが幅広い相場に対応できるようになりますが、利用される頻度が下がり手数料をあまり得られない傾向があります。指定するペアのボラティリティ(価格変動の度合い)や自身のスタンスに応じて、価格範囲を設定すると良いでしょう。
③トークンの比率
2つのトークンの比率は、トークンの取引相場や価格範囲に応じて変動しますので、保有している残高の範囲内で設定しましょう。
流動性提供のリスク
なお、流動性提供にはインパーマネントロスと呼ばれる損失が生じるリスクがあります。
(インパーマネントロス概念図。自社作成)
提供したトークンは、スワップ利用者が流動性プールを利用するたびに2つのトークンの残高が変動します。そのため流動性提供を解除する時には、トークンの数量が開始時点と異なり、時価によっては損失が発生する可能性があるのです。
価格変動が大きいペアであるほどインパーマネントロスは大きくなりやすいため、流動性提供を行う際はリスクとリターンを慎重に見極める必要があるでしょう。
Uniswapの取引履歴の取得方法
Uniswapでスワップや流動性提供などの取引を行った場合、取引履歴に基づいて損益計算を行い、必要に応じて確定申告などを行う必要があります。
ここでは、Uniswapの取引履歴の取得方法について解説します。
取引履歴の取得方法
Uniswapでは、画面右上のウォレットから「履歴」を選択することで簡易的な取引履歴を参照することができます。
しかし、大量の取引履歴をデータでダウンロードしたい場合は、ネットワークの種類に応じた外部のブロックチェーンエクスプローラーを参照する必要があります。
主なネットワークと主なブロックチェーンエクスプローラー
なお、ネットワークに対応したブロックチェーンエクスプローラーへは、Uniswap画面右下に表示されている緑色の数字(ブロック番号)をクリックすることでもアクセスできます。
ブロックチェーンエクスプローラーの操作方法はサイトにより異なりますが、ウォレットアドレスを検索欄に入力することで取引履歴を閲覧できる点は概ね共通しています。
etherscanの取引履歴画面の例
また、右下の「Download: CSV Export」などの表示をクリックすることで取引履歴をCSVファイル形式でダウンロードすることができます。
取引を一元管理するには
多数のDeFiサービスを併用している場合は、ブロックチェーン取引の管理ツールを活用することをおすすめします。
「どのネットワーク上で何のコインを保管しているかわからなくなった」
「複数の分散型取引所(DEX)で流動性提供をしていて把握しきれない」
複数のネットワークやサービスを使用していると取引を網羅的に把握するのが難しくなってしまう場面が少なくありません。
そのような場合は、無料で使えるWeb3の家計簿「defitact」が頼りになります。
「defitact」であれば、ブロックチェーン取引を自動的に分類してくれるため、取引全体を簡単に「見える化」することができるためです。
「defitact」は、Uniswapに接続する際と同様の手順でMetamaskなどのウォレットを接続するだけで、誰でも簡単に利用することができます。
取引を網羅的に把握したい場合は、ぜひ「defitact」をお試しください。
登録不要!無料で使えるWeb3(3.0)の家計簿「defitact」はこちら
より簡単に税金計算を行うには
Uniswapで行った取引について確定申告を行うためには、全ての取引履歴を収集したうえで、一つ一つの取引を日本円に換算して損益を計算する必要があります。
しかし、実際にはブロックチェーンエクスプローラーからダウンロードしたCSVファイルのデータに対して手作業で日本円換算や損益計算を行っていくことは非常に手間のかかる作業になるため、効率的な手段とは言えません。
また、通常の売買取引のみではなく、流動性提供などのDeFi取引を行っている場合は、さらに計算が複雑になります。
DeFi取引の税金計算についてはこちらの記事でも解説していますので、詳しく確認したい場合は併せてご覧ください。
このように複雑で負担の大きい税金計算を簡単かつ効率的に済ませるには、専用の計算ツールを使う方法がおすすめです。
特に仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」であれば、ネットワークとウォレットアドレスを指定するだけで、取引履歴をブロックチェーンから直接取り込んで自動計算が行われるため、確定申告の準備が大幅に軽減されます。DeFi,NFTの自動識別機能、無料プランからDeFi,NFTの取引履歴が反映できるのはクリプタクトのみです。
仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」のデモ画面は、登録不要でどなたでもご覧いただくことができます。
また、「クリプタクト」の基本機能を無料でお試しいただけるプランも用意されていますので、この機会にぜひお試しください。