Phantom Wallet（ファントムウォレット）は、Solana（ソラナ）を中心に複数のブロックチェーンに対応した仮想通貨ウォレットです。
PCのブラウザやスマホにインストールして利用でき、仮想通貨の保管や送金、DApps（分散型アプリケーション）などに接続して利用することができます。
特にSolana（ソラナ）上のWeb3（3.0）サービスの多数がPhantom Walletに対応しているほか、ガス代の安さや処理の高速性などの点で利便性が高く、新しいウォレット候補として気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Phantom Wallet（ファントムウォレット）のウォレット作成から入出金、DAppsとの連携方法まで、詳しい画像を交えてわかりやすく解説していきます。
目次 |
Phantom Wallet(ファントムウォレット)の使い方①：ウォレットを作成する
それではさっそく、Phantom Wallet(ファントムウォレット)の導入方法について見ていきましょう。
インストールの手順
Phantom WalletはPCとスマホのどちらでも利用することができ、現状は下記の環境に対応しています。
● デスクトップ版
○ Chrome / Edge / Firefox / Brave に対応
● スマホアプリ版
○ iOS / Android に対応
Phantom Walletのダウンロードは、公式サイトから行うことができます。
公式サイトのトップページ右上の「Download」ボタン、もしくは画面中央に表示されている「Download for 〇〇」のボタンをクリックして、自身の環境にあったアプリ（またはブラウザ拡張機能）をダウンロードしましょう。
ここではPC版Chromeを使った場合の画面を例としてご紹介します。
ダウンロード画面の案内に沿って、アプリ（またはブラウザ拡張機能）をダウンロードします。
Chromeの場合は次のような画面が表示されますので、「Chromeに追加」ボタンをクリックしてください。
確認ダイアログが表示されるため、「機能拡張を追加」ボタンをクリックします。
以上でPhantom Walletのインストールは完了です。
ウォレットの作成手順
続いてPhantom Walletのウォレット作成手順について見ていきましょう。
ここでは、デスクトップ版（Chrome）をインストールした場合の画面を例にご紹介していきますが、基本的な流れは他のブラウザやスマホアプリでも同様です。
インストールが完了するとPhantom Walletの初期画面が表示されます。
初めて使う場合は、「新規ウォレットの作成」をクリックしましょう。
Phantom Walletでは、従来から一般的なIDとパスワードによるウォレット作成だけでなく、メールアドレス（Apple IDまたはGoogleアカウント）によるウォレット作成もできます。
それぞれの作成方法の特徴は次のとおりです。
これらはウォレットを紛失した際の復旧や、他のウォレットへ移行する際の方法に関するものですので、どちらを選んでもウォレットの基本的な機能に違いはありません。
好みに応じて選択すると良いでしょう。
ここでは、メールアドレスでウォレットを作成するケースをご紹介します。
「メールアドレスで続行」ボタンをクリックしましょう。
「Apple」または「Google」を選択します。
選択に応じて、それぞれのサービスのログイン画面と承認画面が表示されますので、画面の案内に沿って操作を行いましょう。
メールアドレスとの紐付けが完了すると、PINの入力画面が表示されます。
任意の数字4桁を入力後に「続行」をクリックし、確認画面で同じ数字を再度入力のうえ「PINを作成」をクリックしてください。
なお、このPINは万が一のウォレット紛失時の復旧や移行の際に必要となりますので、忘れないようにメモをとっておきましょう
続いてパスワードの設定を行います。
任意のパスワードを入力し、利用規約を確認・同意したうえで「続行」をクリックしましょう。
なお、このパスワードはウォレットを使用する際に日常的に入力するものとなります。第三者に知られると不正利用をされてしまう恐れがありますので、安全性の高いパスワードを設定するようにしましょう。
安全性の高いパスワードとは
● パスワードの文字列は、12文字以上など、長めにする
● 大小英字、数字、記号などの文字種をできる限り組み合わせる
● 生年月日、数字、キーボードの配列順、単純な文字列は避ける
● 他サービスで利用しているパスワードは使用しない
参考：一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター｜STOP! パスワード使いまわし!
以上でPhantom Walletのウォレット作成は完了です。
Phantom Walletは、ブラウザの機能拡張一覧からいつでも起動することができます。頻繁に使う場合は、ピン留めの設定をしておくと良いでしょう。
シードフレーズ（リカバリーフレーズ）の確認手順
シードフレーズとは、ウォレットの情報が英単語の羅列という形で暗号化されたものです。シークレットリカバリーフレーズと呼ばれることもあります。
シードフレーズを入力することで、紛失してしまったウォレットを復旧したり、他のウォレットへ残高やアドレスを移行することができます。
メールアドレスでPhantom Walletのウォレットを作成した場合は、メールアドレスとPINの組み合わせで復旧が可能ですので、通常はシードフレーズを使用する必要はありません。
しかし、この方法は他社製のウォレットに移行したい場合には利用できません。
そのため、Phantom Walletにはシードフレーズ（リカバリフレーズ）をいつでも表示できる機能が用意されています。
シードフレーズを確認するには、Phantom Walletを起動した状態で設定画面を表示させます。
画面左上のアカウントアイコンをクリックし、続いて表示されるメニューから「設定」ボタンをクリックしましょう。
設定画面の中から「アカウントの管理」を開き、「シークレットフレーズの表示」を選択します。
パスワードを入力し、「Phantomを含めて誰ともシークレットフレーズを共有しません」にチェックして「次へ」をクリックします。
画面上にシードフレーズ（12個の英単語）が表示されます。
シードフレーズは、言うなればウォレットそのものです。
この情報が第三者に流出すると、誰でもウォレットを復旧して仮想通貨を盗むことができてしまいます。
PCやスマホのメモ機能を使用したり、スクリーンショットで保存するとハッキングの被害にあう恐れもあります。
シードフレーズを保管する際は、紙のメモを使用するなど、細心の注意を払う必要がある点に注意しましょう。
Phantom Wallet(ファントムウォレット)の使い方②：仮想通貨を入金する
仮想通貨をPhantom Walletに入金するためには、外部の仮想通貨取引所などのアカウントから、Phantom Walletのウォレットアドレス宛に仮想通貨を送金する必要があります。
Phantom Walletのウォレットアドレスは、画面上部のアカウント名を選択することで表示できます。
ウォレットアドレスは利用するネットワークによって異なりますので、間違えないように注意しましょう。
また、画面上にはアドレスの一部のみが表示されているため、この文字列を手作業で書き写しても使用できません。アドレス部分をクリックすることでアドレス全体をコピーできますので、必ずコピーして使うようにしましょう。
なお上記の他にも、最初の画面で仮想通貨の銘柄を選択し、「受信」ボタンを押すことで対応したウォレットアドレスを表示することもできます。この場合はQRコード表示も可能ですので、利用シーンに応じて使い分けると良いでしょう。
Phantom Walletのウォレットアドレスをコピーしたら、外部の仮想通貨取引所などから送金しましょう。
この際、ネットワークとアドレスの組み合わせを誤ると仮想通貨を紛失することになりますので、注意が必要です。
例えば、SOLをSolanaのアドレスへ送金する場合は、必ずSolanaのネットワークを使用する必要があります。
取引所によっては送金時にネットワークを指定できる場合もあれば、所定のネットワークに固定されている場合もあります。送金の際は、取引所の仕様についてもよく確認しておくと良いでしょう。
Phantom Wallet(ファントムウォレット)の使い方③：仮想通貨を送金する
仮想通貨をPhantom Walletから送金したい場合は、画面の残高一覧から送金したい銘柄（事例ではSolanaを選択）を選択し、続いて表示される画面で「送信」をクリックしましょう。
送信先のアドレスと送信額を入力し、「次へ」をクリックします。
送信内容の確認画面が表示されるため、内容を確認のうえ「送信」をクリックしましょう。
なお、入金する際と同様に、ネットワークに誤りがないように注意が必要です。
Phantom Wallet(ファントムウォレット)の使い方④：DAppsと連携する
Phantom Walletは仮想通貨の保管や送金の手段としても便利ですが、DeFi（分散型金融）やブロックチェーンゲーム、NFT販売プラットフォームなどさまざまなDApps（分散型アプリケーション）と連携することで利用シーンを大幅に広げることができます。
近年ではPhantom Walletに対応しているDAppsが増えており、Solanaネットワークに対応しているDApps（分散型アプリケーション）においては特に充実している傾向にあります。
ここではPhantom Walletに対応しているDApps（分散型アプリケーション）の例として、NFTプラットフォームのMagic Edenに接続する手順を見ていきましょう。
まずはMagic Edenの公式サイトを開き、画面右上の「Connect Wallet」ボタンをクリックします。
接続方法の選択肢が表示されるため、「Phantom」を選択しましょう。
Phantom Walletが起動して接続画面が表示されますので、「接続」をクリックします。
続いて確認画面が表示された場合は、内容を確認のうえ「確認」をクリックすることで、DApps（分散型アプリケーション）への連携が完了します。
Phantom Walletを連携することで、プラットフォームが提供するさまざまなサービスの決済やNFTの保管などが可能になります。
Phantom Wallet(ファントムウォレット)の使い方⑤：トランザクションを確認する
Phantom Walletのトランザクション履歴を確認したい場合は、画面下部の時計マークをクリックすることで直近の履歴を表示することができます。
ただし、あくまでも簡易的な機能であるため、年末の税金計算などのように大量の明細を確認するには向いていません。
大量の明細を確認したい場合は、EtherscanやSolscanなどのブロックチェーンエクスプローラーの利用がおすすめです。
例えば、Phantom WalletにおけるETHのトランザクション履歴を確認したい場合は、最初の画面でETHの残高を選択し、続いて表示される画面で「さらに...」をクリックします。
メニューに表示される「Etherscanで表示」をクリックすることで、Etherscanのサイトに遷移して自分のウォレットアドレスの詳細ページが表示されます。
詳細ページでは、自分のウォレットアドレスに紐づくトランザクションを閲覧したり、CSV形式でデータをダウンロードすることも可能です。
Etherscanの使い方については、ページ下部の関連記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
なお、Phantom Walletでは同様の手順でSOLやPOLなどを選択した場合も、それぞれに対応したブロックチェーンエクスプローラー（Solscan、Polygonscan）を表示できます。
まとめ
Phantom Wallet（ファントムウォレット）のウォレット作成から入出金、DAppsとの連携方法などについて、ご紹介しました。
Phantom Walletなどの仮想通貨ウォレットを活用することで、仮想通貨の利用シーンを大きく広げることができますが、仮想通貨やNFTの取引によって利益が生じた場合は所得税などの課税対象となる点に注意が必要です。
納税にあたっては1年間に行った全ての取引履歴を収集し、それぞれの取引に対して損益計算を行わなければならず、これらは全て納税者自身の責任で行う必要があるのです。
知識不足で不正確な申告を行ってしまったり、期限を過ぎても確定申告を怠ったりした場合は、追徴課税などの重いペナルティを課せられることになります。
そのため、仮想通貨取引を行う際には、税金面での対応についても併せて準備しておくことが大切と言えるでしょう。
仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」を活用すれば、面倒な損益計算作業を簡単に効率化できます。
国内外130カ所以上の仮想通貨取引所からの取引履歴取り込みに対応しているほか、イーサリアムやポリゴンなどのブロックチェーンから直接取引履歴を取得する機能も用意されているため、取引履歴の収集作業が大幅に軽減されます。
SOL（ソラナ）やイーサ（ETH）を含む23,000銘柄以上の仮想通貨の時価情報も保有しているため、取引内容に応じて正確な時価換算に基づく損益計算を自動的に行うことが可能となっています。
これらの機能は全て無料のFreeプランでご利用いただけますので、仮想通貨やNFT取引を行っている方はぜひこの機会にお試しください。
