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ブロックチェーンのオラクルとは?

オラクル(oracle)とは、古代の神託神殿、神官、巫女、(神から授かった)神託といった意味を持つ単語です。そして、ブロックチェーンにおけるオラクルとは、スマートコントラクト(※) に外部の情報を送り込むという第三者的な役割を果たすものを指します。

ブロックチェーンやスマートコントラクトは、ブロック上に記録されていないデータにはアクセスすることができません。しかし、外部の情報が必要となるケースが多々あるため、外部との橋渡しをする役割のものが必要になるのです。それが、オラクルというわけです。

(※) スマートコントラクトとは 
契約や取引において、あらかじめ設定された条件が満たされた場合に、決められたプログラムがオートマチックに実行されるシステムのこと。たとえば、「自動販売機でお金を入れて飲みたいドリンクのボタンを押すと手に入れられる」といったシステムなどがある。

オラクルがブロックチェーンの内側と外側のデータを仲介すると、スマートコントラクトの利用範囲が拡大するため、システムにおいて重要な位置づけとなっているといえます。仮にオラクルが無い場合、ブロックチェーン内のデータにしかアクセスできなくなり、スマートコントラクトの活用範囲も狭くなってしまうのです。

オラクルは、情報源の検証を行いデータを伝達します。具体的には、選挙の得票数や天気情報、価格情報などがあります。

オラクルの種類

オラクルにはさまざまな種類がありますが、主なものについてそれぞれの違いを比較しながら解説します。

ソフトウェアとハードウェア

オラクルが仲介する情報が、ソフトウェアから送られたものなのか、ハードウェアから送られたものか、その情報の出所によって「ソフトウェアオラクル」と「ハードウェアオラクル」に分かれます。

ソフトウェアオラクルは、オンライン上に存在する情報源にアクセスすることで、そのデータをブロックチェーンに伝達します。基本的に、オンライン上のすべての情報が対象です。オンラインになっていることで、必要な情報をリアルタイムで伝達することが可能なので、最もよく活用されているシステムです。

一方、ハードウェアオラクルはセンサーやスキャナーといった物体としての機器からの情報を収集した後に、デジタル化したデータをスマートコントラクトに伝達します。

インバウンドとアウトバウンド

情報の方向性がインバウンド(外部から内部へ)なのか、アウトバウンド(内部から外部へ)なのかによっても種類が異なります。

インバウンドオラクルは、ブロックチェーンの外部のデータをスマートコントラクトに伝達する仕組みで、センサーで測定された気温を送信する場面などで活用されています。

一方、アウトバウンドオラクルは、スマートコントラクトからブロックチェーンの外部にデータを伝達する仕組みで、システム上入金完了情報が必要な場面などで活用されています。

集権型と分権型

オラクルは、権限の所在により集権型オラクル(中央集権的)と分権型オラクル(非中央集権的)に分けられることもあります。

中央集権的オラクルは、ひとつの主体がオラクルとなりデータの伝達も単独で行います。シンプルな仕組みで理解しやすい一方、管理者となっている主体の信用に依存しているというリスクがあります。 
ハッキングといった悪意のあるアクセスやデータの伝達ミスなど、単一障害点(※) が存在することは注意すべき点です。 

(※) 単一障害点障害が発生した場合にすべてのシステムが停止してしまうポイント(点)のこと

こういったリスクを回避するために生み出されたものが分散型オラクルです。 
分散型オラクルは複数のユーザーが情報を共有するため、スマートコントラクトに信頼性の高い情報が伝達されるというメリットがあります。分散型オラクルの代表的なものにチェーンリンク(Chainlink)などがあります。

 


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