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仮想通貨取引をしている人の中には、親や配偶者の扶養に入っている学生や主婦の方もいるのではないでしょうか。 
そのような方は仮想通貨取引によって大きな収入を得た場合に、扶養の範囲から外れることになるのではないかと懸念されているかもしれません。

そこでこの記事では、仮想通貨取引でどれほど稼ぐと扶養から外れることになるのか、そして扶養から外れた場合に扶養者の負担がどれくらい増えるのかなど、気になる税金の話についてわかりやすく解説していきます。
 

目次

  1. そもそも「扶養」とは
  2. 仮想通貨で稼いだ収益がどのくらいあると扶養から外れることがあるのか
  3. 扶養から外れると扶養者(親・配偶者)の負担はどれくらい増すのか
  4. まとめ

そもそも扶養とは

そもそも「扶養」とは、自身の稼ぎで生計を立てられない家族や親族に対して経済的援助を行うことです。子供や配偶者などを扶養している場合は、「扶養控除」や「配偶者控除」と呼ばれる税務上の優遇措置を受けることができます。

誰かを扶養しているということは、自分の稼ぎで複数人の生活費を賄っている状態であるため、1人で生活している人よりも経済的な負担が重くなります。そのため、控除によって所得税が軽減されるのです。

ただし、このように控除の適用が認められるためには、扶養を受けている者(被扶養者)に対し厳格な所得条件が定められています。そのため被扶養者の所得が一定金額を超えてしまうと、扶養を外れる(被扶養者ではなくなる)ことによって扶養者の税金の負担が増えることになります。

仮想通貨で稼いだ収益がどのくらいあると扶養から外れることはあるのか

それでは、被扶養者が仮想通貨でどのくらい収益を得た場合に扶養を外れることがあるのかについて、見ていきましょう。

配偶者控除の場合も扶養控除の場合も、いずれも年間の合計所得が48万円以下であることが扶養に入ることができる対象条件となっています。

つまり、仮に仮想通貨取引以外の収入がないと仮定した場合、仮想通貨取引による収益が48万円を超えた場合は扶養から外れることになるのです。

そして、配偶者控除・配偶者特別控除については、控除を受ける「本人」と控除の対象となる「配偶者」のそれぞれの所得で、控除額が決まります。

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なお、仮想通貨取引以外にもパートやアルバイトなどによる給与所得がある場合は、給与所得控除も加味して合計所得を計算する必要があります。

給与所得控除とは給与所得から差し引くことができる金額のことで、最低でも55万円を控除することができます。

給与所得控除で差し引かれる金額は、給与収入金額によって以下の表のとおり計算基準が設けられています。

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仮に年間で80万円の給料を得ている場合は、給与所得控除の55万円を差し引いた25万円が給与所得となるため、仮想通貨取引による所得が23万円を超えると合計所得48万円超になってしまうという計算です。

扶養から外れると扶養者(親・配偶者)の負担はどれくらい増すのか

前述したように、被扶養者が税務上の扶養に入っている場合は扶養者に「配偶者控除」や「扶養控除」が適用されています。

配偶者控除の場合:扶養者の年収や被扶養者の年齢に応じて13万円~48万円
扶養控除の場合:被扶養者の年齢に応じて38万円から68万円

しかし、扶養から外れる場合はこれらの控除がなくなるのです。

所得税率は納税者の所得金額に応じて変わりますが、例えば所得が800万円の場合には23%の税率となり、前述した扶養控除の最大額である68万円に23%掛けると、15万6千円ほどになります。
配偶者控除や扶養控除がなくなることによって、扶養者の税額が大きく増加することがお分かりいただけることでしょう。

なお、扶養から外れた場合、親・配偶者の税金負担が増えることは前述した通りですが、本人(学生・主婦)の確定申告の要否についても確認する必要があります。通常、所得が48万円を超えた状態であれば確定申告が必要となり、所得税を支払う必要があることが一般的です。

仮想通貨の取引で生じた所得の計算方法や確定申告の方法にについては以下で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

なお、収入が年間130万円を超える場合は「社会保険上の扶養」の対象外となる可能性があり、その場合は健康保険料を自分で支払う必要も出てきます。健康保険料は所得金額や加入する健康保険組合によっても異なりますが、一般的に年収130万円の場合は年間で13万円以上の保険料となるため、決して小さくはない負担額と言えるでしょう。
一時的な収入とみなされれば扶養から外れない場合もありますが、仮想通貨取引による収入が一時的な収入であるかどうかは、健康保険組合などがケースに応じて判断することになります。

心配な場合は、扶養者(親・配偶者)が加入している健康保険組合または全国健康保険協会に相談してみると良いでしょう。

まとめ

扶養による各種優遇は金銭的なメリットが非常に大きい制度であるだけに、扶養から外れる場合には大きな負担が生じることになるほか、確定申告や納税なども自分で行わなければならなくなります。

特に税金については必要な手続きを怠ると、税務署から指摘を受けて追徴課税を受けてしまう事態にもなりかねません。また学生や主婦の方が扶養対象外の状態であるにもかかわらず、その親や配偶者が年末調整や確定申告の際に「配偶者控除」や「扶養控除」の適用を申告してしまうと、親や配偶者も不正行為を働いたと税務署に判断される恐れもあります。

そのようなことがないように、仮想通貨取引による損益をしっかり計算し所得を算出しておくことが重要です。とはいえ、仮想通貨取引を頻繁に行っている場合は、その全ての取引履歴に対して手作業で損益計算を行うのは大変負担が大きい作業となります。仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」であれば、仮想通貨取引所とのデータ連携機能などにより、簡単に仮想通貨取引の損益計算を自動化することが可能です。

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