仮想通貨は、少額かつ簡単にはじめられることから、ここ数年で注目を集めている投資方法の一つです。
しかし、いざ仮想通貨取引を始めようと思っても「仮想通貨で稼ぐってどんな方法があるの?どんな方法が向いているの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、仮想通貨で稼ぐための方法を8つ、初心者の方にもわかりやすくご紹介していきます。それぞれのメリットと注意点も押さえながら、自分に合った方法を見つけていきましょう。
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本記事は投資を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
仮想通貨の取引種類と稼ぎ方
それでは、さっそく仮想通貨での稼ぎ方について見ていきましょう。
1.現物取引
現物取引とは、仮想通貨を売買してその差額で利益を狙う取引のことです。
例えば、ビットコインを800万円で購入し、900万円に値上がりしてから売却をするといった取引で利益を目指します。
仮想通貨で稼ぐ際に、最もシンプルかつ基本的な方法と言って良いでしょう。
メリット:手軽に始められる
現物取引のメリットは、何と言っても手軽に始められることに尽きるでしょう。
仮想通貨取引所に口座を開設すれば、誰でもすぐに仮想通貨の売買を始めることができます。
また、安く買ったものが高く売れれば利益を得られるというシンプルな構造であるため、初心者でもわかりやすいという点も挙げられます。
なお、国内外には多数の仮想通貨取引所が存在しますが、初めて仮想通貨を始める場合は国内の仮想通貨取引所に口座を開設することをおすすめします。
日本円を入金するだけで手軽に取引を始められるほか、日本の法規制に基づいて金融庁から認可を受けた国内取引所であれば、セキュリティや顧客保護の観点で一定のレベルが担保されていると考えられ、安心して取引できることでしょう。
注意点:価格変動による損失のリスク
仮想通貨の価格は需要と供給のバランス変化によって、常に変動しています。
そのため、購入した仮想通貨の価格がいつまでたっても上昇せず、逆に下落することで損失を被ってしまうリスクも存在するのです。
仮想通貨の価格動向を予測するのはプロであっても困難なことです。
投資を行う際は余剰資金(万が一失っても生活に支障をきたさない資金)の範囲内で行うなど、慎重に取引を行うようにしましょう。
2. レバレッジ取引
レバレッジ取引とは、資金を証拠金として預け入れることで元手よりも大きな金額で取引ができる方法です。
例えばレバレッジを2倍までかけられる場合、証拠金を100万円預け入れている状態であれば、その2倍にあたる約200万円までの取引が可能になります。
投資における資金効率を高めることができるため、ハイリターンを狙いたい投資家に好まれる投資方法です。
なおレバレッジ取引は現物取引とは異なり、実際に自分自身が仮想通貨を保有するわけではありません。新規注文を行うとポジション(建玉)という状態が発生し、反対売買である決済注文を行うことでポジションが解消します。
ポジションは「買い」と「売り」のどちらからでも始めることができるため、上昇相場だけでなく下落相場でも利益を狙えるという特徴があります。
メリット:少額でも大きな利益を狙える
レバレッジ取引のメリットは、元手が少額であっても大きな利益を狙えることです。
100万円の元手を現物取引に投資し、相場が10%上がれば10万円が儲かりますが、レバレッジ2倍の取引であれば同じ相場環境で200万円分の取引を行い、20万円儲かる可能性があります。
国内の仮想通貨取引所ではレバレッジの倍率が最大2倍までに規制されていますが、海外の取引所では数十倍以上の倍率をかけられるところも存在します。
注意点:損失が膨らみやすい
レバレッジ取引において注意すべきは、大きな利益を狙える反面、損失も大きくなりやすいという点です。
基本的にレバレッジ取引における損益は決済注文を行った時点で発生しますが、ポジションを保有している間も市場価格は変動しています。
ポジションに含み損が発生している場合、それが証拠金に対して一定水準以内であれば問題はありませんが、一定の水準を超えると取引所が強制決済(ロスカット)を行います。
ロスカットが発生すると損失が確定するため証拠金の大部分が失われる可能性があるほか、あまりにも急激な相場変動でロスカットが間に合わなかった場合は、預け入れた証拠金以上の損失が発生する可能性もあるという点に注意が必要です。
3. ステーキング
ステーキングとは、特定の仮想通貨を保有してブロックチェーンの維持運営に貢献することで、報酬を得られる仕組みのことです。
一般的に、PoS(Proof of Stake)と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムを採用したブロックチェーンで行うことができ、代表的な例としてはイーサリアムやソラナなどが挙げられます。
近年では仮想通貨取引所がステーキングのサービスを提供する例が増え、ただ残高を預けているだけで報酬を受け取れるケースが少なくないため、初心者にとっても取り組みやすい資産運用方法となっています。
メリット:保有している仮想通貨を運用できる
ステーキングのメリットは、保有している仮想通貨を運用して新たな仮想通貨を得られるという点です。
仮想通貨はステーキングのために新たに購入することもできますが、現物取引で売買差益を狙う途中で保有している仮想通貨をステーキングに利用することもできます。
また、ガチホ(仮想通貨を長期間保有する投資方針)をするつもりであれば、その間に仮想通貨をステーキングに活用することも可能です。
このように、ステーキングは他の投資戦略と並行して行うことができるのです。
注意点:価格下落による損失の可能性
ステーキングを行うことでその仮想通貨が減ることは、基本的にはありません。
したがってステーキングを行うことで直接的に損失が発生することはあまり考えられませんが、仮想通貨の価格が日々変動している点には注意が必要です。
もし仮想通貨の価格が下落し続けている場合、その仮想通貨を保有しながらステーキング報酬を得るよりも、早めに売却してしまった方がプラスであるという局面も考えられます。
仮想通貨を保有していることに伴うリスクは常に発生している点に留意しておきましょう。
4. レンディング
レンディングとは、自分の保有している仮想通貨を他のユーザーに貸し出し、その利息として報酬を得る方法です。
これは、銀行にお金を預けて利息を得る感覚に似ており、仮想通貨を預けて一定の利回りを期待することができます。仮想通貨取引所や専用のレンディングプラットフォームを通じて手軽に仮想通貨を貸し出すことができ、比較的安定した収益を狙うことが可能です。
メリット:安定した利回りを得られる
レンディングの最大のメリットは、比較的安定した利回りを得られる点です。仮想通貨をただ保有しているだけでなく、貸し出すことで利息のように収入が得られるため、他の取引方法と並行して運用できる点も魅力と言えるでしょう。
また、取引や相場の変動にかかわらず、決まった期間で利息が受け取れるため、リスクを抑えた運用を好む投資家にも向いています。
注意点:信用リスクとプラットフォームの信頼性
レンディングには、借り手が返済できなくなる「信用リスク」が存在します。仮想通貨を貸し出した相手が返済不能になった場合、貸し出した仮想通貨が返ってこない可能性があるのです。
また、レンディングを提供するプラットフォーム自体の信頼性も重要です。プラットフォームがハッキングされたり、運営に問題が生じた場合も、貸し出した資産を失うリスクがあります。
なお、国内仮想通貨取引所が運営しているレンディングサービスの場合は、借り手とプラットフォームが一体となっている場合もあります。信頼のできる事業者を見極めて利用することが大切です。
5. イールドファーミング
イールドファーミングとは、仮想通貨をDEX(分散型取引所)などのDeFi(分散型金融)プラットフォームへ預けることで流動性を提供し、その対価として報酬を得る方法です。
プラットフォームの流動性プールに2種類の仮想通貨を預け入れることで、他のユーザーがスワップ(仮想通貨の交換)取引などを行うための流動性を提供し、スワップ利用者が支払う手数料の一部を報酬として得ることができるのです。
流動性を提供する対価として報酬を得られることから、「流動性マイニング」と呼ばれることもあります。
メリット:高いリターンを期待できる
イールドファーミングの最大のメリットは、他の運用方法に比べて高いリターンを期待できる点です。
イールドファーミングの期待利回りは市況や仮想通貨の組み合わせ、預け入れるプラットフォームによって異なりますが、低いものでも年率数%程度、高いものでは数100%という場合も少なくありません。
また一度イールドファーミングを設定すると、該当する通貨間でスワップ取引が行われる限り、継続的に報酬を得ることができます。
このように、長期的に安定した収益を狙える点も魅力の一つと言えるでしょう。
注意点:インパーマネントロスとプロジェクトのリスク
イールドファーミングの主なリスクは、「インパーマネントロス」です。
これは、流動性プールに仮想通貨を預けた際、預けた通貨の価格が大きく変動すると、単に仮想通貨を保有している場合と比べて価値が減少してしまう現象のことです。
「インパーマネントロス」はイールドファーミングの構造上、多かれ少なかれ発生するものですが、特に価格変動が激しい通貨を預ける場合は損失が大きくなる傾向があるため注意が必要です。
また、プロジェクト自体のリスクも存在します。DeFiプロジェクトの中には、ハッキングのリスクやバグ、運営の透明性に問題がある場合もあります。
目先の利回りだけに惑わされず、リスクもしっかりと把握したうえで慎重に判断することが大切です。
6. マイニング
「マイニング」とは、特定の機器やソフトウェアを使って仮想通貨のブロックチェーンの維持・運営に協力し、その対価として仮想通貨を得る方法です。
ビットコインやライトコインなど、コンセンサスアルゴリズムにProof of Work(PoW)を採用している通貨で行うことができます。
単独で行う「ソロマイニング」や、複数の人と協力して計算能力を高める「プールマイニング」などの方法があり、個人が行う場合は後者が一般的です。
メリット:安定した収益を期待できる
マイニングの大きなメリットとして、報酬がある程度安定している点が挙げられます。
特に、ビットコインのような確立された仮想通貨の場合、報酬として得られる仮想通貨の価値もある程度の安定が期待できるため、他の方法と比較して安定性の高い収益が期待できるのです。
また、ステーキングやレンディング、イールドファーミングなどとは異なり、多額の仮想通貨を保有しておく必要が無い点もメリットです。マイニングに使う機器や電力は法定通貨(日本円)で購入するのが一般的であり、報酬として得た仮想通貨もすぐに売却することで、仮想通貨の価格変動の影響をあまり受けない状態にすることが可能です。
注意点:初期費用と運用コスト、競争の激化
一般的に、マイニングにはマイニング専用のハードウェア(ASICやGPUなど)が必要なため、設備を整えるための初期コストがかかります。また、マイニングには膨大な電力が必要なため、電気代が非常に高くなることがあります。
特に近年は世界中のマイナーが参加しているため競争が激化しており、マイニングの成功確率に関わる計算難易度も高くなっている傾向にあります。そのため、一般的に電気代が高い日本においてマイニングで利益を得るのは容易ではないと言われています。
とはいえ、機器や電力を安く調達できる場合は、その限りではないかもしれません。
7. エアドロップ
エアドロップとは、仮想通貨が無料で配布されるイベントのことです。
特定の仮想通貨プロジェクトが宣伝や認知拡大のためにプロモーションの一環として行い、特定の条件を満たしたユーザーや、そのプロジェクトに関心を持つ人々に対して仮想通貨が配布されることが一般的です。
メリット:無料で仮想通貨を獲得できる
エアドロップの最大のメリットは、ユーザーが仮想通貨を無料で手に入れられる点です。
特に、プロジェクトの初期段階でトークンを獲得できた場合は、その後に価格が上昇すれば大きな利益を得られる可能性があります。
またエアドロップは通常、プロジェクトの特定のアクション(SNSでのシェアやアカウント登録など)を完了するだけで参加できるため、ほぼコストをかけずに利益を狙うことができます。
注意点:価値が下がる可能性や詐欺リスク
エアドロップで受け取った仮想通貨は、必ずしも価値が上がるとは限りません。
特に、新規プロジェクトのエアドロップの場合、そのトークンが広く取引されるようになるまで時間がかかるか、最悪の場合、価値がほとんどつかないこともあります。
また、エアドロップには詐欺のリスクがある点にも留意が必要です。
例えば、詐欺的なプロジェクトが個人情報を詐取する目的でエアドロップを実施するケースもありますし、知らずにSNSでシェアすることで詐欺の拡散に手を貸してしまう可能性もあります。エアドロップに参加する際は、こうしたリスクも踏まえた上で判断することが大切です。
8. IDO・IEO
IDO(Initial DEX Offering)およびIEO(Initial Exchange Offering)は、仮想通貨プロジェクトが資金を調達するために行う仮想通貨販売の方法です。
IDOは分散型取引所(DEX)で行われ、IEOは中央集権型の仮想通貨取引所で行われます。
いずれの方法も、一般の取引所に上場される前の早い段階で仮想通貨を購入できるという特徴があります。
メリット:早期投資による高いリターンを狙える
IDO・IEOの大きなメリットは、プロジェクトの初期段階で仮想通貨を購入できるため、その仮想通貨が取引所に上場して価格が上昇すれば、大きなリターンを得られる可能性があることです。
また、IEOの場合は仮想通貨取引所がプロジェクトを審査するため、詐欺的なプロジェクトが取り扱われるリスクが比較的低いとされています。特に信用の高い取引所であるほど、プロジェクトの信頼性も高まるため、投資家にとって安心感が生まれます。
注意点:プロジェクトの失敗リスクやトークンの流動性
IDO・IEOにはリスクもあります。
実績の無い新しいプロジェクトへ投資する場合、プロジェクト自体が失敗する可能性もあります。その場合はトークンの価格が期待通りに上がらないばかりか、購入したトークンの価値が大幅に下落するリスクも否定できません。早期投資だからといって必ず利益が得られるわけではないのです。
また、IDOはDEX(分散型取引所)で行われるため、明確な運営者が存在しないことが多く、一般的に法規制の対象外である場合がほとんどです。プロジェクトの審査が不十分であるケースも多いため、投資家自身がリスクを慎重に判断することが重要です。
仮想通貨投資で稼ぐ際の注意点
仮想通貨で利益を得た場合、必ず意識しておかなければならないのが「税金」です。
仮想通貨はデジタル上の資産ですが、その利益は実際のお金と同様に課税対象となります。ここでは、税金に関する2つの重要なポイントを解説します。
セキュリティに注意が必要
仮想通貨投資を行うにあたって、セキュリティに対する注意が重要です。
デジタル資産である仮想通貨は、常にハッキングの危険と隣り合わせであるためです。
大切な資産を守るための対策としては、次のような点が有効です。
● 信頼できる取引所を利用する
● 一つのウォレットに集中しすぎない
● ブラウザウォレットなどを、不審なサイトに接続しない
信頼できる取引所の考え方は人によって異なるかもしれませんが、大前提として日本の金融庁から認可を受けている取引所を利用することが挙げられます。
いざという時の補償が見込めるだけの資本力がある大手や、セキュリティ重視の姿勢を打ち出しているなどもポイントと言えるでしょう。
また、多額の仮想通貨を保管する際は、一つのウォレットに集中しすぎないこともリスク分散となります。
近年ではDApps(分散型アプリケーション)の利用のためにブラウザウォレットを利用するケースが増えていますが、不審なサイトにウォレットを接続することで仮想通貨を奪われる危険性もありますので注意しましょう。
仮想通貨の利益には税金がかかる
仮想通貨を通じて得た利益は「所得税」や「住民税」の課税対象となります。
そのため、一定以上の利益を得た場合は確定申告を行って税金を支払う必要があるのです。例えば、会社員や公務員などの給与所得者の場合、仮想通貨投資による所得(雑所得)が年間20万円を超える場合、職場で行う年末調整とは別に改めて確定申告を行わなければなりません。
仮想通貨による所得(雑所得)は総合課税の対象であり、給与所得などその他の所得と合算した総所得額が多くなるほど税率が高くなる仕組みになっています。その税率は5%〜最大45%と幅広く、住民税も合わせると最大55%にも達します。
仮想通貨で稼ぐことを考える場合は、税金のこともしっかりと理解しておくことが重要です。
特に仮想通貨取引で注意すべき点として、日本円に換金していなくても課税対象となる場合があることが挙げられます。
例えば、仮想通貨同士の交換やステーキング等で報酬を得た時点の日本円換算額が所得とされるため、換金せずに保有し続けて後に暴落しても、当初の価値に基づく税額が課されるリスクがあるのです。
このような事態を避けるためには、税務上の計算方法に則って常に日本円での損益状況を把握しておくことが大切です。そうすることで、年内に損切り取引を行うなどによって損失を計上し、余計な税金を防ぐことが可能になります。(損益通算は同じ総合課税の雑所得にあたるものの同士でのみ可能)
まとめ
この記事では、仮想通貨で稼ぐための8つの方法について、それぞれのメリット・注意点を交えながらご紹介してきました。
特に、全ての方法に共通する注意点として「税金」は非常に大切なポイントです。
せっかく利益を得ても、税金対策を怠ると利益が大幅に目減りしてしまう可能性があるばかりか、利益を上回る税金が発生する可能性すらあるためです。
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