「イーサリアムの取引にかかるガス代はどうして高いの?」
「イーサリアムのガス代を節約する方法が知りたい!」
と考えている方もいるのではないでしょうか。
イーサリアム・ブロックチェーン上で取引を行う際には「ガス代」という手数料を支払う必要があります。取引が増加するに伴い、ガス代の価格が高騰したり取引の処理スピードが遅くなったりする事態が生じています。この記事では、イーサリアムのガス代はいくらなのかを確認する方法や、ガス代が高騰する理由、節約方法などについて解説していきます。
目次 |
イーサリアムのガス代とは
イーサリアムのガス代とは、イーサリアム・ブロックチェーン上で発生する取引手数料のことをいいます。トランザクション(取引)の実行やプログラムの処理をする際に生じるものです。
ガス代に使用される仮想通貨はブロックチェーンごとに決められており、一般的に、利用するブロックチェーンの基準となる仮想通貨が利用されます。そのため、イーサリアム・ブロックチェーン上ではイーサリアム(ETH)が必要です。
イーサリアムのガス代は以下の3つのファクターを元に計算されるため、一定額ではなく変動制となっています。
● 基本手数料
● 優先手数料
● ガス限度額
ガス代は設定しなければ自動で決定されますが、優先手数料とガス限度額は自分(送金するユーザー)で決めることもできるため、どれだけ処理を急いでいるかなどで入力する金額を使い分けると良いでしょう。
なお、トランザクションが増加するほどネットワークが混雑し、ガス代は高騰する傾向にあります。
イーサリアムのガス代の確認方法
イーサリアムのガス代は変動するため、安くなったタイミングで取引を行うとコスト削減につながります。
イーサリアムのガス代を確認するためには、リアルタイムのチャートを掲載している専用のサイトをチェックすると良いでしょう。
たとえば、2023年9月29日現在、以下のサイトで確認することができます。
サイトによって過去のデータがどのくらいまで表示されるか、また、最新の価格に更新される間隔などがそれぞれ異なるため、ひと通り確認してご自身で利用しやすいものを活用すると良いでしょう。
「etherscan」は、イーサリアムのブロック エクスプローラーおよび分析プラットフォームです。最新のガス代は15秒に1度の間隔で更新されるので、常に最新のデータを確認できます。「Low」「Average」「High」の3つの基準で手数料が掲載されており、金額感が一目でわかるような設計となっています。初心者の方でも使いやすいサービスと言えるでしょう。
「beaconcha.ind」に掲載されているデータは、ETHメモリプール内に保留されたトランザクションに基づいて価格を予測しています。この方法は、「GasNow(現在閉鎖中)」によって先んじて用いられたものです。
「beaconcha.in」では、過去のイーサリアムのガス代が一覧で確認できるので、過去データをもとにして安い時間帯の取引を行いやすくなります。
「GASFee Dashboard」は日本語に対応しているサイトで、シンプルで見やすくひと目で現在のガス代を把握することができます。日本語で情報を見たい方や日本円換算での価格を知りたい方におすすめです。
なお、ご自身の過去の取引でかかったガス代を確認したい方もいることでしょう。
仮想通貨の損益計算ツール「クリプタクト」を利用している方は、クリプタクトの取引履歴からガス代が確認できます。
※DeFiの自動識別機能はアドバンスプラン以上にてご利用いただけます。
イーサリアムのガス代はいくら?
イーサリアムのガス代はいくらなのかを知るために、計算方法や平均値、日本円への換算方法について確認していきましょう。
ガス代の計算方法
イーサリアムのガス代は、「基本手数料(Gas Price)」・「優先手数料(Priority Fee)」・「ガス限度額(Gas Limit)」の3つのファクターを元に以下の計算式で算出します。
ガス代の計算式 ガス代(gwei)=(基本手数料+優先手数料)×ガス限度額 |
なお、イーサリアムの手数料は「Gwei(1Gwei=0.000000001 ETH)」という単位を使用しています。
【基本手数料】
基本手数料は、「1gasあたりどのくらいのgweiがかかるのか」を表したもので、取引内容にかかわらず必要な基本料金のことです。価格はユーザーの需要によって決まり、取引するユーザーが多い(トランザクションが混雑する)と高くなり、少ない(トランザクションが閑散としている)と安くなる傾向があります。
【優先手数料】
優先手数料は、トランザクションの処理を優先して行ってもらうためにバリデーターに支払う追加料金のことです。多いほどより優先されやすくなることから、チップをイメージするとわかりやすいでしょう。
【ガス限度額】
ガス限度額は、送金や取引実行の際などにユーザーが支払えるガス代の上限のことをいいます。取引の大きさによって決まるのが一般的で、ユーザー自身で調整することが可能です。ただし、低すぎると優先度が落ちる可能性があるため慎重に設定する必要があります。
おおよその平均値
イーサリアムのガス代は上記3つのファクターで成り立っており、トランザクションの内容やネットワークの混雑状況などにより常に変動しています。そのため、おおよその平均値を示すことは難しいのが実情です。
そこで参考までに、2023年9月29日(PM3:38)のOpenSeaとUniswapにおけるイーサリアムのガス代をGASFee Dashboardを元に紹介します。
<出所:GASFee Dashboard>2023年9月29日(PM3:38)
おおよその目安として参考にしてください。
イーサリアムのガス代が高騰する背景
イーサリアムのガス代が高騰する主な理由として、以下の二つがあげられます。
ガス代はイーサリアムで支払うため
ガス代はイーサリアム(ETH)で支払うこととされています。イーサリアムを含めた仮想通貨の価格は市況により変動するため、イーサリアムの価格が上昇するとガス代もそれに応じて値上がりしていきます。
ガス代の節約を考える際には、ガス代の相場だけでなくイーサリアム自体の価格変動も考慮する必要があるでしょう。
ネットワークが混み合っているため
イーサリアムのガス代は需要によって変動するため、トランザクションが増加するほど(ユーザーが増えるほど)料金が値上がりする傾向があります。トランザクションの増加により処理が遅れる問題は「スケーラビリティ問題」といわれ、ガス代が高騰する大きな要因のひとつとされています。
イーサリアムのガス代を節約するコツ
イーサリアムのガス代をなくすことはできませんが、できるだけ安く済ませられるよう節約のためのコツを3つ紹介します。
混雑している時間帯を避ける
ネットワークが混雑しているほど、処理に時間がかかりガス代も高額になります。しかし、裏を返せばネットワークが混雑していない時間帯を見計らって取引をすれば、ガス代の安いときに取引できる可能性が高くなるといえます。
先にご紹介した、ガス代の価格がわかるサイトなどを活用して、ガス代が安くなる時間帯などを把握しておくと良いでしょう。
レイヤー2スケーリングソリューションを活用する
ガス代の節約には、レイヤー2(セカンドレイヤー)を利用する方法もおすすめです。レイヤー2とは、スケーラビリティ問題を解決するために有効なシステムで、イーサリアムのメインネットワーク(レイヤー1)のセキュリティを活用しながら、メインネットワークと接続したレイヤー2で別に取引することで、ブロックチェーンの負荷を軽減するものです。
レイヤー2を利用することで、ガス代を節約できるうえトランザクションにかかる時間も短縮できるといったメリットがあります。
ガス代の上限(リミット)を設定する
イーサリアムのガス代を決める3つのファクターのうち、Gas Limit(ガス限度額)はユーザー自身が設定することが可能です。ガス代として支払える上限額をあらかじめ決めておくことで、必要以上な出費を避けることができます。
適切な上限額の目安は、先にご紹介したガス代のリアルタイムな価格がわかるサイトなどを参考にすると良いでしょう。
ただし、ガス代をあまり低く設定してしまうと、承認されるまでに時間がかかったり承認されず差し戻されたりする可能性があるため注意が必要です。
イーサリアムのガス代は経費になる?
イーサリアムを含め仮想通貨取引で一定の所得が発生した場合、確定申告を行う必要があります。確定申告の際には必要経費を差し引くことができ、ガス代も必要経費として計上することが可能です。
必要経費をもれなく計上することで節税効果も期待できるため、忘れずに申告しましょう。
ただし、イーサリアムのガス代を経費として計上するにはトランザクション成立時における時価を把握する必要があります。しかし、随時時価を把握しておくのは手間がかかるものです。
ガス代を払った時点でのETH価格とETHの数量を調べ、日本円に換算するという作業を毎回行う必要があるため、面倒に感じてしまう方もいるでしょう。
そのような場合は、「クリプタクト」の利用がおすすめです。ウォレットアドレスを登録するだけで、ガス代の時価を算出し、損失として自動で損益計算をしてくれます。
まとめ
イーサリアムのガス代は上述のとおりその価格には変動性があり、トランザクションが混雑するほど高騰する傾向があります。それゆえ、上限を設定したり、混雑している時間帯を避けたり、レイヤー2を活用するといった方法がガス代節約には有効です。
また、イーサリアムのガス代は必要な経費として認められる可能性があります。確定申告の際に経費として計上できる可能性があるので、忘れずに申告し支払う税金の額も減らせるようにしましょう。
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