米国のドナルド・トランプ氏とその家族が関係しているとされるDeFiプロジェクト「World Liberty Financial(WLF)」と仮想通貨WLFIが発表され、仮想通貨WLFIとはいったいどのような仮想通貨なのか、World Liberty Financial(WLF)とは何をするためのプラットフォームなのか、そしてトランプ一族とどう関係しているのか、気になっている方も多いことでしょう。
なお、記事制作(2024年12月26日)では仮想通貨WLFIの二次流通が制限されているため、市場性がなく、購入はできても売却することができません。
一方で、同じ名称やロゴが酷似したパロディトークンが多く発行され、DEX(分散型取引所)などで売買されている点に注意が必要です。
この記事ではドナルド・トランプ氏が関与しているWorld Liberty Financial(WLF)と仮想通貨WLFIについて、公式資料である「GOLD PAPER」を紐解きながら、その特徴や将来性について解説していきます。
仮想通貨WLFI(World Liberty Financial)とは?
World Liberty Financial(WLF)は、米国を拠点とする分散型金融(DeFi)プロジェクトです。
米ドルの地位を強化しつつ、DeFiを通じた金融の自由とプライバシーを促進することを目的として設立されました。
そして、World Liberty Financial(WLF)が発行しているガバナンストークンが、仮想通貨がWLFIです。
仮想通貨WLFIの保有者はプラットフォームの運営方針やプロトコルのアップデートに関する投票権を得ることができ、World Liberty Financial(WLF)の意思決定に参加することができるのです。
World Liberty Financial(WLF)では現在、サードパーティによるウォレットや流動性プールなどへのアクセスを可能にする基盤作りが進められています。また、将来的には資金借入や利回りを提供する機能、Aave V3との統合など、より高度なDeFiサービスの展開も計画されています。
仮想通貨WLFIを保有することで、こうした新しいサービスの運営に参画していくことができるというわけです。
とはいえ、2024年12月18日時点ではまだこれらの機能は計画中のものであり、現状は仮想通貨WLFIの販売が開始され、今後のサービス展開の準備が進められている状態です。
World Liberty Financial(WLF)にはドナルド・トランプ氏とその一族が「Chief Crypto Advocate(参考訳:最高暗号資産擁護責任者)」や「Web3 Ambassador(参考訳:Web3アンバサダー)」などとして名を連ねています。ただし、トランプ氏やその家族はWorld Liberty Financial(WLF)の出資者や運営者ではなく、直接的な管理権限を持たない旨が公表されています。
つまり、トランプ氏らの役割は、あくまでもプロモーション的な位置付けである点には注意が必要でしょう。
仮想通貨WLFIの特徴
仮想通貨WLFIとはいったいどのような仮想通貨なのでしょうか。
World Liberty Financial(WLF)のホワイトペーパーに相当する「GOLD PAPER」を紐解きながら、その特徴を深掘りしていきましょう。
開発目的(DeFiを活用して米ドルの地位を強化する)
「GOLD PAPER」によると、開発目的について次のように述べられています。
"Inspired by the vision of Donald J. Trump, World Liberty Financial, Inc. is pioneering a new era of Decentralized Finance (DeFi). WLF’s mission is to democratize access to financial opportunities while fortifying the global status of the US Dollar."
引用:World Liberty Financial|GOLD PAPERより
参考訳(自社作成):
ドナルド・トランプ⽒のビジョンに触発され、World Liberty Financialは、分散型⾦融(DeFi)の新時代を切り開いていきます。WLFの使命は、⾦融へのアクセスを⺠主化し、同時に⽶ドルの世界的な地位を強化することです。
注意事項
この訳文は自社で作成したものであり、公式な翻訳ではありません。正確な内容については、元の文章をご参照ください。
金融の民主化とはすなわち、DeFi(分散型金融)の仕組みを活用することで従来の中央集権的な金融システムに依存することなく、人々がさまざまな金融サービスを受けられるようにすることを指しています。
そして、DeFi(分散型金融)サービスに米ドルと連動したステーブルコインを活用することで、米ドルの世界的な地位を強化することを掲げています。
World Liberty Financial(WLF)プロジェクトでは「自由」「プライバシー」「米国の価値観」を基本理念に掲げ、既存の中央集権型金融システムに依存しない新しいプラットフォームとなることを目指しているのです。
アルゴリズム(ERC-20準拠のガバナンストークン)
World Liberty Financial(WLF)のガバナンストークンである仮想通貨WLFIは、Ethereumブロックチェーン上で動作するERC-20規格に基づいて設計されています。
これによって仮想通貨WLFIは独自のブロックチェーンを必要とせず、Ethereumの高い信頼性やセキュリティをそのまま活用でき、他のDeFiサービスとも容易に連携が可能です。
仮想通貨WLFIの主な役割は、WLFプラットフォーム内でのガバナンスへの参加ですが、その仕組みはスマートコントラクトによって実現されています。
このスマートコントラクトは、投票や意思決定のプロセスを自動化し、透明性と安全性を確保するために設計されています。
現在、公式サイト上では仮想通貨WLFIの販売が行われていますが、「GOLD PAPER」によると、セール用のスマートコントラクトは「Blocksec」「Zokyo」「Fuzzland」「Peckshield」といったセキュリティ企業による監査を受けているとされており、安全性を重視したプロジェクト運営が行われていることが伺えます。
ただし、World Liberty Financial(WLF)が今後開始を予定している借入機能や流動性プールの提供などの具体的な設計や詳細については、現時点では計画段階にあり、今後の発表が待たれます。
組織体制・その他(米国の非営利法人が運営)
World Liberty Financial(WLF)は、米国デラウェア州の非営利法人(Delaware non-stock corporation)として設立され、出資者や株主は存在せず、理事会を中心に運営されています。
そのため、World Liberty Financial(WLF)はDAO(分散型組織)とは言えませんが、WLFIによる投票を通じて部分的な分散型ガバナンスが採用されています。
トランプ氏とその家族は「Chief Crypto Advocate」や「Web3 Ambassador」などとしてプロモーション的な役割で関与していますが、法人の運営者やオーナーではない点には注意が必要でしょう。
なお、仮想通貨WLFIは米国の規制リスクを回避するため、現在アメリカ国内での販売を制限しています。
米国内では「適格投資家(Accredited Investor)」として認定された個人または法人のみが購入可能である一方、日本人を含む海外在住者は自由に購入できる状態です。
仮想通貨WLFIは現時点で二次流通も制限されており、譲渡や売買は認められていません。
これらの制限は、法的条件の達成や規制遵守が確認されることで将来的に解禁される可能性があると「GOLD PAPER」に記載されています。
これは法令遵守の姿勢を強調しているものですが、トランプ氏の強力なブランド力でプロモーションを行っているにも関わらず、現状では多くの米国民が購入できないなど、プロジェクトがまだ発展途上であることは念頭に置いておく必要があるでしょう。
仮想通貨WLFIの将来性
それでは、仮想通貨WLFIの将来性を考える上で重要なポイントを見ていきましょう。
プロダクトの実現が鍵
現時点で、World Liberty Financial(WLF)のプラットフォームでは具体的なサービスが稼働していません。
借入機能や流動性プールの提供などが計画されていますが、これらが実現することで初めて、WLFが提供するエコシステムに実際の利用価値が生まれることになります。
仮想通貨プロジェクトの成功は、ユーザーが実際に利用できるプロダクトの稼働によって大きく左右されます。そのため、プラットフォームの早期稼働とその成功が、仮想通貨WLFIの将来性を支える最初の重要なステップであると言えるでしょう。
経済的リターンと市場価値の創出
現時点では、WLFIトークンを保有することによる直接的な経済的リターン(利回りや利益分配)は提供されていません。
しかし、WLFプラットフォームが稼働し、トークンが実際に利用される場面が増えることで、リワードを得られる仕組みが整う可能性があります。
例えば、借入や流動性提供といったDeFiサービス内で得られた収入の一部をWLFIトークンの保有者に対して還元する仕組みが整備されるなどすれば、WLFIトークンの需要が高まり、市場価値が創出されるでしょう。
規制クリアと市場拡大の可能性
仮想通貨WLFIは現在、一般の米国人向けの販売や、二次流通が制限されています。
つまり現状では仮想通貨WLFIを購入できる人が少なく、購入しても転売することはできません。
今後World Liberty Financial(WLF)が各種の規制をクリアし、販売対象が一般の米国人にも拡大されたり二次流通が解禁されるようになれば、仮想通貨WLFIの投資対象としての価値が向上していく可能性はあるでしょう。
WLFIは現時点ではあくまでも、売却が制限されているガバナンストークンであるということは、しっかりと理解しておく必要があるでしょう。
仮想通貨WLFIの価格動向
2024年12月18日現在、仮想通貨WLFIの二次流通市場は提供されておらず、公式サイトで1WLFI = 0.015USDの固定レートで販売されているのみとなっています。
現在、CoinmarketcapなどでWLFIを検索すると多数のトークンが表示されますが、その多くは公式とは無関係なものです。
実際にDEXなどで取引されているものも散見され、あたかも仮想通貨WLFIの流通が始まっているかのように見えてしまいますが、こうした情報に惑わされることのないように、しっかりと情報の真偽を確かめるようにしましょう。
まとめ
この記事では、ドナルド・トランプ氏が関係しているDeFi(分散型金融)プロジェクトであるWorld Liberty Financial(WLF)と仮想通貨WLFIについて、その特徴や将来性について解説してきました。
話題性が高いプロジェクトですが、この記事を通じて抱いていたイメージとのギャップを感じた方もいるのではないでしょうか。
仮想通貨投資を行う際には、プロジェクトの内容や投資対象の詳細について、しっかりとリサーチすることが大切です。
当サイトでは、今後も各種銘柄についてや仮想通貨全般に関する解説記事を紹介していきますので、最新記事の更新情報を知りたい方はぜひ公式X(旧Twitter)のアカウントをフォローしてみてください。
なお、仮想通貨取引を通じて一定以上の利益を得た場合は、その損益を正確に計算したうえで確定申告や納税を行う必要があります。
仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」であれば、海外取引所やDEX(分散型取引所)、DeFi(分散型金融)取引などあらゆる仮想通貨取引の損益を、無料のFreeプランで自動計算することが可能です。
取引量に応じたプラン設定となっていますので、どなたでも気軽にお使いいただけます。ぜひこの機会にお試しください。