リップル(XRP)の税金について計算事例を含めて解説.webp

リップル(XRP)は、高速な送金処理や安価なトランザクション手数料が特徴の仮想通貨です。そのため、仮想通貨を送金する際に一時的にリップル(XRP)へ交換するといった使い方で頻繁に使用している方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、仮想通貨の交換を含む仮想通貨取引を通じて利益が生じた場合は税金がかかってしまうことを忘れてはいけません。

この記事では、仮想通貨リップル(XRP)の取引にかかる税金やその計算方法について、分かりやすく解説していきます。

なお、仮想通貨としてのリップルはXRP(エックスアールピー)といいますが、この記事ではXRPを「リップル」と認識している人も多いことから「リップル(XRP)」との表現で解説しています。

弊社の仮想通貨損益計算ツール「クリプタクト」ではXRP(エックスアールピー)という正式名称で表記しています。

目次

  1. リップル(XRP)などの仮想通貨の取引で発生する税金とは?
  2. リップル(XRP)の取引で得た利益の確定申告はいくらから必要?
  3. リップル(XRP)の利益の計算方法
  4. リップル(XRP)における税金の発生例
  5. まとめ

リップル(XRP)などの仮想通貨の取引で発生する税金とは?

リップル(XRP)などの仮想通貨取引を通じて利益を得た場合、その所得は「所得税」や「住民税」の課税対象となります。

所得とは収入から必要経費などを差し引いて残った利益のことです。

利益の計算方法については後段で詳しく解説しますが、1年間に行った全ての取引の所得を合算し、さらに給与所得やその他の所得(不動産所得や配当所得などがある場合)を合計してから控除等を差し引くことで、年間の課税所得金額が算出できます。

「所得税」や「住民税」は、この課税所得金額に対して所定の税率を掛けるなどして算出されるのです。

所得税の税率は年間所得額に応じて5%〜45%、住民税の税率は概ね10%程度(厳密には自治体によって異なる)と言われています。

なお、自分の年間所得とそれに基づく税金額を申告する手続きを「確定申告」と言います。

リップル(XRP)などの仮想通貨取引で一定以上の利益を得た場合は、「確定申告」を行う必要がありますので注意しましょう。

リップル(XRP)の取引で得た利益の確定申告はいくらから必要?

それでは、リップル(XRP)などの仮想通貨取引でどの程度の利益を得たら確定申告が必要になるのでしょうか。また、必要な確定申告を行わなかった場合は、どうなるのでしょうか。

それぞれについて見ていきましょう。

20万円・48万円がだいたいの目安

確定申告が必要になる条件は人によって異なりますが、おおよその目安としては次のように整理できます。

 確定申告が必要になる水準(目安)
会社員・公務員などの給与所得者が副業として仮想通貨取引を行った場合 副業所得が20万円を超えたとき
個人事業主が仮想通貨取引を行った場合年間所得が48万円を超えたとき (仮想通貨以外の収入を含む)
他に収入のない主婦・学生などが 仮想通貨取引を行った場合

 上記の内容はあくまでも目安であるため、複雑なケースなどで判断に迷う場合は、最寄りの税務署や税理士などに相談して慎重に判断するようにしましょう。

確定申告が必要な水準について、より詳しく確認したい方はこちらの記事も併せてご覧ください。

確定申告を忘れるとどうなるのか

もしも、確定申告が必要であるにも関わらず期限内に行うのを忘れてしまったり、やり方がわからずに放置してしまった場合はどうなるのでしょうか。

確定申告は税務署に支払うべき税金の金額を申告して納税するための手続きですので、それを怠った場合は当然の事ながら脱税となる可能性があります。

全く申告をしなかった場合は無申告加算税、実際よりも少ない金額で申告をした場合は過少申告加算税など、それぞれの要件に応じた追徴課税を課せられることになるのです。

なお、確定申告の期限を大幅に過ぎた場合は延滞税も課せられるなど、本来支払うべき税額よりも大幅に納税額が増えてしまいます。

税務署は納税者の不正や所得隠しを常に調査していますので、仮想通貨の所得であっても指摘をされる前に正直に申告することが大切です。

仮想通貨で一定以上の利益を得た場合は、必ず期限内に確定申告を行うようにしましょう。

リップル(XRP)の利益の計算方法

確定申告や税金計算を行うためには、まずはリップルXRPなどの仮想通貨取引によって生じた損益を計算する必要があります。

仮想通貨取引における損益計算の基本は次の通りです。

売却価額 - 取得価額 = 損益

つまり、100円で購入(取得)したリップルXRPを150円で売却した場合は、差し引き50円の利益を得たことになります。逆に100円で購入(取得)したリップルXRPを80円で売却した場合は、20円の損失です。

リップルXRPの売り買いを1単位づつ繰り返すだけであれば上記のように簡単な計算式となりますが、実際には複数単位のリップルを購入したり、そのうちの一部分のみを売却したりするケースが多いことでしょう。

そこで、計算方法をさらに深掘りすると次の通りとなります。

売却価額(数量 × 売却単価) - 取得価額(数量 × 取得単価) = 損益

単価100円で購入していた3XRP(リップル)のうち、2XRP(リップル)を単価150円で売却したような場合、売却価額は300円(2×150円)、取得価額は200円(2×100円)で差し引き100円の利益であることが算出できます。

このように、仮想通貨の損益計算を行う際には売却する仮想通貨の「取得単価」が重要となりますが、購入取引を複数回行った場合は「取得単価」の計算も複雑になります。

また、取得単価を求める計算方法としては、「総平均法」または「移動平均法」のいずれかを選択する必要があります。なお、税務署に届け出を出していない場合は、自動的に「総平均法」が適用されます。「総平均法」と「移動平均法」の違いや具体的な計算方法については、ページ下部の関連記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。

最後に、ここではシンプルな売買取引の事例をご紹介しましたが、仮想通貨取引において損益認識すべき取引は他にも多く存在します。

例えば、仮想通貨を別の仮想通貨と交換する取引や、仮想通貨を商品・サービスの対価として支払う取引なども、損益認識が発生する代表的なタイミングの一つです。

いずれの場合も、仮想通貨を日本円で売却してからその日本円を使って別のモノ(別の仮想通貨や商品・サービスなど)を購入した取引であると見なされるためです。

そのため前述した損益計算の基本と同じように、取得した仮想通貨をいくらで手放したかという差額から損益を求める点に変わりはありません。

損益認識のタイミングと具体的な計算方法については、ページ下部の関連記事でも詳しく解説していますので、必要に応じてご参照ください。

リップル(XRP)における税金の発生例

リップル(XRP)を利用する場合、どのようなケースで税金が発生するのでしょうか。

ここではよくあるケースとして「リップル(XRP)の売買」と「リップル(XRP)を使った送金」を例にご紹介します。

それぞれについて見ていきましょう。

リップル(XRP)の売買

リップル(XRP)の基本的な取引として、国内取引所等での売買取引が挙げられます。

例えば、1XRP = 80円で購入した10,000XRPを、1XRP = 100円の時に全て売却するような取引です。

この場合、リップル(XRP)を売却する取引の際に仮想通貨の譲渡損益が発生するため、税務上の利益として認識する必要があります。

この際の所得額(雑所得)は次の計算の通りです。

XRPの売却価格(10,000XRP × 100円) - XRPの取得価格(10,000XRP × 80円)  
= 200,000円

この20万円の所得(雑所得)が所得税や住民税の課税対象となります。

リップル(XRP)を使った送金

もう少し複雑なケースも見てみましょう。

リップル(XRP)は送金に特化して開発された仮想通貨であり、安い送金手数料が魅力の一つです。そのため、資金移動などの際に仮想通貨を一時的にリップル(XRP)に交換して送金する場合があります。

仮に以下のような取引を行ったとしてみましょう。

・国内取引所で1BTCを800万円で購入した。  
・後日、国内取引所で1BTCを90,000XRPに交換した。(1XRP = 100円のとき)  
・リップル(XRP)を海外取引所へ送金した。  
・海外取引所で90,000XRPを1BTCに交換した。(1BTC = 950万円のとき)

この一連の取引で税務上の利益を認識すべきタイミングは以下の二つです。

● 1BTCを90,000XRPに交換する取引  
● 90,000XRPを1BTCに交換する取引

どちらも一見すると同じ価値の仮想通貨同士を交換しているだけに見えますが、先述したように仮想通貨同士の交換は日本円換算での損益認識が必要です。

これらの取引による所得(雑所得)を計算するためには、BTCの取得価格と、XRPへの交換時のXPRの時価、そしてBTCへの交換時のBTCの時価が、それぞれ日本円換算額で必要となります。

この一連の取引による所得(雑所得)は次の計算の通りです。

1BTCを90,000XRPに交換する取引  
XRPの購入価格(90,000XRP × 100円) - BTCの取得価格(1BTC × 800万円)  
= 100万円

90,000XRPを1BTCに交換する取引  
BTCの購入価格(1BTC × 950万円) - XRPの取得価格(90,000XRP × 100円)  
= 50万円

合計150万円の所得(雑所得)が所得税や住民税の課税対象となります。 

なお、この事例ではわかりやすさのために価格変動を大きめに設定していますが、実際には一連の取引を短期間で行った場合、これほど大きな損益が発生することは稀でしょう。

とはいえ、リップル(XRP)を使った取引を行う際は税金が発生するタイミングについてしっかりと意識し、損益計算を正確に行っておくことが大切です。 

まとめ

この記事では、仮想通貨リップル(XRP)の取引に伴う税金やその計算方法について、具体的なサンプルケースを交えながら解説しました。

仮想通貨の税金計算は1年間に行った全ての取引に対して、損益計算を行うことから始まることを具体的にイメージしていただけたと思います。損益計算の考え方自体は、一度理解すればそれほど難しいものではありません。

しかし、仮想通貨取引を日常的に行っている場合、1年間で計算すべき取引の件数が膨大になってしまうため、全ての取引の取得単価を算出し、正確なレート情報に基づいて日本円換算しながら損益を求める工程は、手作業で行うには非常に負担が大きい作業と言わざるを得ません。

そこで便利なのが、仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」です。

「クリプタクト」であれば、国内外120カ所以上の仮想通貨取引所などからの取引履歴取得に対応しているほか、リップル(XRP)を含む22,000銘柄以上の仮想通貨や法定通貨の時価情報を保有しているため、画面の案内に沿って簡単な操作をするだけで正確な損益計算を自動で行うことが可能です。

「クリプタクト」には基本的な機能を無料で使えるプランも用意されていますので、仮想通貨の損益計算を効率的に行いたい方は、ぜひこの機会にお試しください。