仮想通貨の税務調査で指摘されるケースや対応方法について徹底解説.webp

仮想通貨取引で一定額以上の利益を得た場合(会社員や公務員などの給与所得者の場合、仮想通貨取引を含む雑所得が年間20万円を超える)、確定申告を行って税金を納めなければなりません。

確定申告の対象であるにもかかわらず申告を怠ったり、あるいは不正に所得を少なく申告した場合は、税務調査が行われて追徴課税などの重いペナルティを課せられる可能性があります。

この記事では、仮想通貨の税務調査で申告漏れが指摘されるケースやその対応方法について、わかりやすく解説していきます。

指摘を防ぐための正確かつ効率的な管理方法もご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

  1. 仮想通貨の税務調査とは? 
    1.1. 税務調査の概要 
    1.2. 仮想通貨取引に関する税務調査の特徴(調査ポイント)
  2. 仮想通貨の税務調査の対応方法
  3. 仮想通貨の税務調査ではどんな場合に申告漏れが指摘される? 
    3.1. 税務署から申告漏れが指摘される主なケース 
    3.2. 申告漏れで追徴課税となった実例
  4. まとめ:正確な損益計算で税務調査に備えるなら「クリプタクト」がおすすめ

仮想通貨の税務調査とは?

仮想通貨の税務調査とはどのようなものなのでしょうか。          
税務調査の概要と仮想通貨における税務調査の特徴について見ていきましょう。

税務調査の概要

税務調査とは、納税者による申告が正しく行われているかを確認するために税務署が行う調査のことで、「強制調査」と「任意調査」があります。

「強制調査」とは脱税の疑いがある納税者に対して税務署が裁判所の令状を持って強制的に行う調査であり、突然の訪問をされても納税者は拒否することができません。

一方、「任意調査」とは脱税の疑いの有無に関わらず広く行われている調査です。

任意調査であれば税務署から訪問日時などの連絡が入るため、突然訪問されることはありません。ただし「任意調査」と言っても調査に対しては協力する必要があり、正当な理由なく帳簿書類の提出を拒むと罰則がありますので注意しましょう。          
なお、強制調査であれば、事前に税務署からの連絡がない状態で調査されることとなります。これは「査察」とも言われており、あらかじめ税務署内で脱税の疑いが高く、悪質であると判断される事業者に対して行われるものです。

なお、申告内容に虚偽や誤りがあったり、申告義務がありながら無申告であるなどの状態が発覚した場合は、正しい内容で修正申告を行う必要があることに加え、内容に応じて追徴課税などの重いペナルティを課せられる場合があります。

確定申告の対象となった場合は正確な内容を必ず期限内に申告するようにしましょう。

仮想通貨取引に関する税務調査の特徴(調査ポイント)

それでは、仮想通貨取引における税務調査ではどのような点に着目されるのでしょうか。

損益計算が正確か

まず、大前提として仮想通貨取引の損益計算が正確であることが重要です。

仮想通貨の損益計算は複雑なため、手作業やエクセル計算などで行うには非常に手間がかかります。

特に仮想通貨同士の交換取引などは、複数の銘柄の時価情報を正確に反映して日本円換算の損益を算出する必要があり、ミスが生じやすい部分と言えるでしょう。

全ての取引を網羅しているか

次に、課税対象となる全ての取引を網羅できているかも重要です。

基本的な売買取引はもちろんのこと、マイニング・ステーキングなどの報酬や、エアドロップによる無償取得の際など、利益認識すべき取引を適切なタイミングで漏れなく計上している必要があります。

税務署は国内仮想通貨取引所から税務情報の提供を受けているほか、多くの仮想通貨がブロックチェーンの履歴を公開しているため、申告をしていない取引もすぐに発覚すると考えておいた方が良いでしょう。さらに、海外取引所であったとしても、租税条約等を通じて税務署は取引履歴等のデータ提出を要請することができます。

たとえ不注意や知識不足が原因であったとしても、申告漏れはペナルティの対象となり得ます。正しい知識に基づいて、自身の取引を網羅的に管理しておくことが大切です。

仮想通貨の取引で利益認識すべきタイミングについては、こちらの記事でも詳しく紹介していますので、気になる方はぜひ併せてご覧ください。

ニッチなケースにおける税務処理の妥当性

ニッチなケースにおける税務処理についても重要なポイントとなります。

仮想通貨の分野は日々発展を続けており、さまざまな取引が存在します。

国税庁では仮想通貨やNFTなどの基本的な税務上の取り扱いについて指針を公開していますが、まだこうした指針が整備されていない取引も多数存在するのが実状です。

そのような取引に対しては、租税原則や関連法規等の趣旨を踏まえながら、税務署に妥当と判断してもらえる方法で処理しなければなりません。

自分にとって都合のよい方向へ安易に解釈してしまうと、不当に税額を低くしようとしていると見なされる可能性もあるのです。

仮想通貨の税務調査の対応方法

一般的に、税務調査(任意調査)は次のような流れで実施されます。

1. 税務署から調査通知がくる          
2. 税務調査の日程調整を行う          
3. 準備期間          
4. 税務署の職員が来訪する          
5. 後日に税務署からの追加質問があれば回答する          
6. 税務調査の結果が通知される

税務調査(任意調査)の場合は必ず、税務署から調査の日程を知らせる通知が来ます。          
どうしても都合が悪い場合は、日程調整ができることもありますので相談すると良いでしょう。

税務調査が行われるまでの期間は準備期間として、帳簿書類等の必要書類を整理したり、顧問税理士がいる場合は打ち合わせをしておくなど、税務調査に備える期間として活用します。

特に仮想通貨取引においては、取引履歴データを集めて閲覧できるようにしておくほか、求められた際にウォレットや取引所、または個々の取引に関する情報をすぐに提示できるように用意しておくと良いでしょう。

この際、日頃から仮想通貨の損益計算ツール「クリプタクト」のような専用の管理ツールで取引内容を一元管理しておけば、慌てて集め直す必要がないため便利です。

また、パソコンなど余計なものを税務署の職員に見られたくないという場合は、必要な資料を印刷して用意しておくことがおすすめです。

税務調査当日は税務署の職員が来訪して取引の内容や数字の根拠等について質問をされますので、正確な内容を誠実に回答するようにしましょう。

なお、仮想通貨の損益計算ツール「クリプタクト」であれば、年間の取引履歴のダウンロードも可能なため、ワンクリックで内容を示すための資料が準備できます。

当日の調査を踏まえて後日に追加質問が来る場合もありますので、その場合も誠実に対応することが大切です。

調査が完了すると、税務調査の結果が通知されます。

申告内容の誤りを指摘された場合は、内容に応じて修正申告を行いましょう。

なお、稀に税金を納めすぎていることが判明する場合もありますが、その場合は更正の請求を行って税金の還付を受けることが可能です。

仮想通貨の税務調査ではどんな場合に申告漏れが指摘される?

仮想通貨の税務調査ではどのような場合に申告漏れが指摘されるのでしょうか。

ここまで注目されるポイントや対応方法についてご紹介してきましたが、ここでは申告漏れが発覚する主なケースや、実際に指摘された事例についてご紹介していきます。

税務署から申告漏れが指摘される主なケース

税務調査によって申告漏れが判明する主なケースには次のようなものがあります。

 銀行口座の入出金情報

税務署は強力な調査権限を有しており、個人の銀行口座の内容(残高や移動明細)を調べることができます。

仮想通貨取引による所得の申告がないにも関わらず仮想通貨取引所との頻繁な入出金が見られる場合は、申告漏れの可能性があるとして認識される可能性が考えられます。

仮想通貨取引所からの情報提供等

国内の仮想通貨取引所には、顧客に関する「支払調書」を税務署に提出する義務が課せられています。

「支払調書」とは、業者から個人に対して支払いが行われた場合にその内容を税務署に報告する書類のことです。

つまり、国内仮想通貨取引所で利益を確定(利確)した場合、その情報は漏れなく税務所が把握していることを意味します。

税務署が既に把握している所得の申告を漏らしてしまえば、指摘を受けるのは当然の結果と言えるでしょう。

なお、海外取引所に関しては「支払調書」の提出義務はありませんが、日本の税務署は各国との租税条約に基づいて情報提供の依頼を行うことができます。

そのため、海外取引所で得た所得だからバレないと考えるのは大きな誤りと言えるでしょう。

相対取引先の税務調査から波及

仮想通貨の個人間取引が税務調査に繋がる可能性も考えられます。

相対取引先に税務調査が入った場合、その反面調査として取引相手である本人にも税務調査が入る可能性が高まるのです。

特に直接取引はマネーロンダリングの温床にもなりやすく、税務署から疑われやすい取引でもあります。

残高の不整合や二段階認証アプリからの発覚

税務調査が入った場合、申告した所得額の計算根拠を示すように求められることになりますが、計算上の期末残高と実際の取引所の期末残高に不整合があることから、申告漏れが発覚する可能性があります。

また、国内外の仮想通貨取引所を多く利用している場合、Google Authenticatorのような二段階認証アプリを利用しているケースが多いことでしょう。

調査官にこうした二段階認証アプリの提示を求められ、申告していない取引所の存在が発覚する事も考えられます。

当然のことながら、税務調査官は税金調査のプロフェッショナルであり、仮想通貨取引に関する調査を行う職員は仮想通貨取引にも精通した人物です。

あらゆる角度から申告内容の妥当性を確認されることになりますので、安易に考えずに、正確かつ真摯な姿勢で確定申告を行うようにしましょう。

申告漏れで追徴課税となった実例

仮想通貨による所得の申告漏れが指摘され、追徴課税に至るケースは決して少なくありません。

2022年には福岡県内在住の男性勤務医(40代)が複数の仮想通貨取引で得た所得を申告しなかったとして約1億円の申告漏れを指摘され、隠匿・偽装などの悪質性を鑑みて6,000万円もの追徴課税が行われたことが、報道機関によって報じられています。

また、長崎県在住の自営業男性(70代)も、仮想通貨取引で得た1億2000万円の所得の申告漏れを指摘され、6,000万円の追徴課税が行われました。

参照:読売新聞オンライン

このように金額の大きい事案は報道されることもありますが、金額が少ないものも含めると、非常に多くの調査や指摘が行われています。

2023年11月に国税庁が公表した資料によると、同庁は令和4年度に暗号資産等取引を行っている個人に対して615件の調査を行っており、そのうち548件で申告漏れ等の指摘が行われているのです。

参照:「令和4事務年度 所得税および消費税調査等の状況」(国税庁)

単純計算だと、申告漏れ等の指摘割合は89%となっており、税務調査が入れば約9割で申告漏れの指摘がされていることとなります。つまり、税務署は仮想通貨取引所、銀行口座などの情報を入手し、分析を行っています。

税務調査はいつ自分のところへ来てもおかしくないと考え、日頃から適切な管理と正確な申告を行うことが大切です。

まとめ:正確な損益計算で税務調査に備えるなら「クリプタクト」がおすすめ

仮想通貨の税務調査は脱税の疑いがある場合はもちろん、そうでなくとも対象となる可能性があり、自宅に税務署の調査官が来訪して調査が行われます。

そして税務調査のプロフェッショナルである調査官によってあらゆる角度からの調査が行われ、万が一申告漏れが発覚した場合は延滞税や追徴課税などの重いペナルティを課せられる可能性があるのです。

調査対象になる可能性をできる限り減らし、また税務調査が行われる際には円滑に対応するためにも、日頃から仮想通貨取引を一元管理し、正確な確定申告を行うことが重要です。

仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」であれば、日頃の手間をほとんど増やすことなく仮想通貨取引の情報を一元管理し、正確な所得額を算出することが可能です。

国内外90カ所以上の仮想通貨取引所等からの取引履歴データ取得に対応しているため、画面の案内に沿って簡単な操作を行うだけで、取引履歴を取り込むことができます。

また「クリプタクト」は19,000銘柄以上の仮想通貨や法定通貨の時価情報も1分単位で保有しているため、正確な時価情報に基づいた損益計算が可能なだけでなく、税務調査の際にも計算の妥当性を主張しやすくなることでしょう。

利用している全ての取引所と取引履歴を「クリプタクト」に取り込み、申告漏れの心配なく確定申告を行える体制を整えてみてはいかがでしょうか。

「クリプタクト」では基本的な機能を無料で使えるプランも用意されています。ぜひこの機会にお試しください。