仮想通貨取引で一定以上の利益を得ると、確定申告や納税が必要になります。
例えば、サラリーマンが副業として仮想通貨取引を行って年間20万円を超える利益(雑所得)を得た場合は確定申告の対象となりますし、給与所得のない人が仮想通貨取引を含めて年間48万円を超える総所得を得た場合も対象です。
しかし、初めて確定申告を行う場合はもちろんのこと、そうでなくとも税金の仕組みは複雑なため悩んでしまう場面も多いことでしょう。
この記事では、仮想通貨の税金対応に困った時の相談先としての税務署の活用方法や、そのメリット・デメリットについて解説していきます。
目次 |
・税理士も活用する仮想通貨の損益計算ツール「クリプタクト」に無料で登録
仮想通貨の税金に関する相談は税務署で対応している?
税務署では、納税者が円滑かつ正確に確定申告を行えるようにさまざまな税務上の相談を受け付けています。そのため、仮想通貨の税金に関することも相談することが可能です。
例えば、確定申告の要否や書類の提出方法、税金計算のやり方、税制改正や法律の解釈などについての疑問を相談することができます。また、さまざまな控除の適用について相談することも可能でしょう。
一方で、具体的な税金計算をお願いしたり、すでに紛争となっている案件などの相談は税理士などの専門家でなければ対応ができません。
あくまでも、税務手続きを情報面でサポートしてくれるサービスと捉えておくのが良いでしょう。
税務署への仮想通貨の税金に関する相談方法
さて、税務署へ税金に関する相談ができると聞くと、実際に窓口を訪れて対面で相談する光景を思い浮かべる方が多いことでしょう。
もちろん、税務署では対面による相談窓口も設けられていますが、忙しい方や、簡単な質問をしたいだけの人にとっては、もっと手軽な方法も用意されています。
現在、税務署が提供している相談方法は次の通りです 。
● チャットボットに相談する方法
● 電話で相談する方法
● 税務署に直接行って相談する方法
それぞれの相談方法にメリット・デメリットがありますので、相談したい内容や時間的な都合などに応じて上手に使い分けると良いでしょう。
忙しい方や初歩的な質問をしたい方はチャットボットがおすすめ
個人の国税に関する初歩的な質問であれば、国税庁が提供しているチャットボット(ふたば)の利用がおすすめです。
チャットボット(ふたば)は、質問したい内容をメニューから選択するか、文章で入力することでAIが自動で回答してくれるというものです。チャットボットのメリットとしては、事前に予約などが必要なく土日・夜間でも思い立った時に利用できる手軽さが挙げられるでしょう。また、AIとの簡単なやりとりで確定申告の要否を判定してくれる機能などもあるため、確定申告初心者の方にとって便利なツールとなっています。
一方でデメリットとして、AIが回答できるのはあくまでも一般的な事項についての説明に限られている点には注意が必要です。
例えば、仮想通貨の損益計算方法について一般的な回答は得られますが、より具体的な計算ノウハウや、細かい質問に対しては不向きな方法と言えるでしょう。
なお、基本的な確定申告の要否判断や、確定申告のやり方などについては、当サイトでもわかりやすく解説しています。お悩みの方はこちらの記事も併せてご覧ください。
制度や法令等の解釈・適用や手続きの案内等は電話相談がおすすめ
最新の制度や法令に関する質問、手続きに関する照会など、具体的かつ詳細な質問を行いたい場合は、税務署の職員と直接会話しながら質問できる「国税相談専用ダイヤル」への電話相談がおすすめ です。
電話相談のメリットとしては、チャットボットより広範な内容をより詳細に確認することができる点が挙げられます。ただし、あくまでも法令や制度、手続きなど既定の事項に関する質問が主であり、帳簿や資料などを見せながら税務処理の相談をする用途には向いていません。
また、相談自体は無料で利用することができますが、電話の通話料金は別途がかかるため長時間の相談をしたい場合は注意が必要です。
利用時間も平日の17時までに限定されていますので、平日の日中に仕事がある人は、相談する時間を確保しておくことも必要でしょう。
なお、仮想通貨の利益認識のタイミングや、経費計上等の一般的な事項については、当サイトでも下記の記事でご紹介していますので、ぜひご覧ください。
自分自身の状況に応じて税務処理の相談をしたい方は対面の相談窓口がおすすめ
最後に、自分自身の状況に沿って最も具体的かつ詳細な相談ができる方法が、税務署に赴いて対面で質問できる相談窓口の利用です。
帳簿等の資料等を持参してケースに応じた詳細な相談ができるため、手間はかかるものの最も確実な相談方法とも言えるでしょう。
とはいえ、税務署の相談窓口といえども万能ではありません。
次の項では、税務署の相談窓口を利用するメリット・デメリットについてご紹介します。 。
税務署で仮想通貨の税金の相談をするメリット
税務署の相談窓口で仮想通貨の税金相談をするメリットとしては、以下の点が挙げられます。
● 正確な情報が得られる
● 無料で相談できる
それぞれについて、順に見ていきましょう。
正確な情報が得られる
税務署は国民の税金を取りまとめる機関ですので、その職員はいわば税金のプロ集団です。
税務署の相談窓口に相談することで、税務処理に関して正確かつ詳細な情報を得ることができるでしょう。
無料で相談できる
税務署の相談窓口は、無料で利用することができます。
税金計算や確定申告の相談は税理士・会計士にもお願いすることができますが、その場合は相応の費用が発生することが一般的です。
できるだけコストをかけずに税務処理を行いたい場合は、費用がかからない税務署の相談窓口が魅力的な選択肢となるでしょう。
税務署で仮想通貨の税金の相談をするデメリット
一方で、税務署に仮想通貨を相談する場合にはデメリットも存在します。
● 対応時間に限りがある
● 仮想通貨に詳しいとは限らない
● 計算等を丸投げできるわけではない
それぞれについて見ていきましょう。
対応時間に限りがある
税務署の相談窓口には対応時間の限りがあります。
基本的には平日の17時までしか利用できないほか、確定申告の時期が近づくと混雑するため、なかなかすぐに利用できない場合があるのです。
相談したい場合は早めに事前予約をとり、貴重な時間を有効活用できるように必要な資料も十分に準備しておくと良いでしょう。
仮想通貨に詳しいとは限らない
税務署の職員は税金のプロ集団ですが、誰もが仮想通貨取引に詳しいとは限りません。
仮想通貨の基本的な売買程度ならともかく、DEX(分散型取引所)の利用やNFT取引、複雑なDeFi(分散型金融)を含めたケースなどは、深い専門知識のある職員でなければ十分に対応できない可能性もあるでしょう。
相談の予約をする際に可能であれば、仮想通貨の取引があることを伝えておくことでスムーズに進みやすくなるかもしれません。
計算等を丸投げできるわけではない
税務署の相談窓口は、税金計算や確定申告のやり方などについて相談に応じてくれますが、税理士や会計士とは異なり、税金計算や確定申告を代わりに実施してくれるわけではありません。
そのため、仮想通貨取引による損益計算を行い所得を算出する作業は、基本的に自分で行う必要があるのです。
しかし仮想通貨取引の損益計算は複雑なため、年間の取引件数が多い場合は非常に負担の大きい作業となるほか、計算ミスによる誤申告のリスクも高まります。
仮想通貨の税金計算を検討する際には、専用のツールの導入を検討するなど、計算作業についても念頭に置いて備えておくと良いでしょう。
まとめ
仮想通貨に関する税金や確定申告でわからない点があれば、税務署の無料相談を活用することができます。
しかし、税務署の無料相談は利用時間に限りがあるほか、職員が仮想通貨に精通しているとは限らないうえ、最終的に計算作業は自分自身で行わなければならないことをご紹介しました。
もちろん、いくら複雑で手間がかかるからといっても、税金の申告を怠ったり不正確で過小な申告を行った場合は、追徴課税などの重いペナルティを課せられることになります。
税務署には強大な検査権が与えられていますので、本人確認等が徹底されている国内取引所での取引はもちろん、海外取引所での取引であっても租税条約に基づく情報交換等によって、申告漏れ・所得隠しは見抜かれる可能性が高いのです。
仮想通貨取引で一定の利益を得ている場合は、必ず正確な損益計算を行って、真摯に確定申告を行うようにしましょう。
なお、複雑な仮想通貨の損益計算を正確かつ効率的に行うには、仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」がおすすめです。
「クリプタクト」であれば、取引履歴を入力しておくだけで最新の税法に基づいた損益計算が自動的に行われ、確定申告書に記載できる実現損益(所得)を把握することができます。
また、国内外90カ所以上の仮想通貨取引所等の取引履歴データのアップロードに対応しているため、画面の案内に沿って簡単な操作を行うだけで、取引履歴を手間なく登録することが可能です。
「クリプタクト」は仮想通貨に特化したサービスであるため、DeFi(分散型金融)取引やNFT取引などを含めて仮想通貨に関連するさまざまなケースを想定した詳細なヘルプガイドも用意されています。
「クリプタクト」では基本機能を無料で利用できるプランも用意されていますので、仮想通貨の損益計算や所得把握にお悩みの方は、ぜひこの機会にお試しください。
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