仮想通貨取引で一定以上の利益を得た際に必要となる確定申告。自分には少しハードルが高いと感じていませんか?
実は、近年の確定申告は電子化が進んでいるため、スマホさえあれば自宅で簡単に申告できることをご存じでしょうか。
この記事では、スマホを使った仮想通貨の確定申告に必要な準備や、便利なツールを活用した効率的な手順を初心者にも分かりやすく解説していきます。
仮想通貨(暗号資産)取引における確定申告もスマホでできる?
以前は、自分で確定申告をする場合は税務署の専用会場へ行って紙の申請書を記入する方法が一般的でした。 しかし、近年は国税庁の「e-Taxシステム」やWeb上の「確定申告書作成コーナー」の普及により、自宅から電子申告を行う人が増えています。
国税庁によると、現在では85%以上の申告者が会場に足を運ばずに申告を済ませているとされています。
特に、スマホにマイナンバーカードを読み込ませるだけで本人認証が完了する仕組みが整備されたことで、以前に比べて確定申告の手続きが大幅に効率化しました。このため、仮想通貨取引の利益もスマホさえあれば自宅から簡単に、土日も含めて24時間いつでも申告することが可能なのです。
ただし、仮想通貨の確定申告をするためには、申告すべき所得額を事前に把握しておく必要があるため、画面の小さいスマホで大量の取引履歴を整理し、損益計算を行うのは負担が大きい場合もあります。
事前準備として専用の損益計算ツールを活用して所得額をあらかじめ計算しておけば、スマホでの申告作業を大幅に簡単にすることができることでしょう。
スマホで仮想通貨取引の確定申告を行うための準備
まずは、確定申告の事前準備について見ていきましょう。
損益計算ツールで仮想通貨取引の所得額を算出する
はじめに仮想通貨取引の所得額を算出しましょう。
仮想通貨の所得額とは仮想通貨取引によって得た損益を合算した金額のことで、確定申告で申告する情報のひとつです。
当然のことながら、この金額を算出するためには1年間に行った全ての取引履歴に対してそれぞれ損益計算を行い、その結果を集計する必要があります。
損益計算は取引時点の時価を日本円に換算しながら行う必要があるため、取引が数回程度ならともかく、数十回、数百回以上ともなると、手作業で計算するのは非現実的になってきます。
そこでおすすめなのが、仮想通貨専用の損益計算ツール「クリプタクト」の活用です。
仮想通貨取引所から取引履歴データをダウンロードし、「クリプタクト」に取り込むことで自動的に損益計算が行われ、表示される「実現損益」はそのまま仮想通貨取引の所得額として使用することができるのです。
なお、「クリプタクト」は仮想通貨のシンプルな売買取引のみでなく、複雑なDeFi(分散型金融)取引やNFT取引の損益計算も一元的に管理することが可能です。
こうした機能は無料のFreeプランで利用することができますので、仮想通貨取引を行っている方はぜひこの機会にお試しください。
確定申告の要否を確認する
仮想通貨取引の所得額を算出できたら、ここで改めて確定申告の要否を確認しておきましょう。
確定申告の必要性は、個人の属性や1年間に得た所得額に応じて決まります。
例えば、会社員や公務員などの給与所得者が副業として仮想通貨取引を行っている場合は、年間の副業所得(仮想通貨取引による所得を含む)が20万円超となった時に確定申告が必要となります。
また、個人事業主や専業主婦・学生などの給与所得が無い人の場合は、年間の総所得額が48万円超で確定申告が必要となります。
ご自身の所得額がこれらの水準を超えているか確認し、確定申告が必要な場合は次項以降のステップを進めていきましょう。
なお、仮想通貨の確定申告要否についてはページ下部の関連記事でも詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
スマートフォン申告に必要なものを用意する
スマホを使って確定申告を行うには、下記のものを事前に用意しておく必要があります。
● 必要なもの
○ マイナンバーカード
○ マイナンバーカードのパスワード2つ
○ マイナポータルアプリに対応しているスマホ
● 場合によってあると便利なもの
○ マイナポータル連携への登録
マイナンバーカードを使用する際には、発行時に設定した2種類のパスワード「利用者証明用電子証明書のパスワード(数字4桁)」と「署名用電子証明書のパスワード(英数字6~16桁)」が必要になります。
事前に申請時のメモを見返すなどして、確認しておきましょう。
また、マイナンバーカードのICチップを読み取るためにはマイナポータルアプリをスマホにインストールし、登録を済ませておく必要があります。
なお、確定申告で保険料控除や住宅ローン控除などを利用する場合、証明書の提出が必要となる場合があります。証明書は別途郵送で提出する方法があるほか、「マイナポータル連携」登録をしておくことで電子的に取得・提出することも可能です。
こちらは必須ではありませんので、ご自身の事情に応じて利用を検討してみると良いでしょう。
マイナポータルについて詳しく知りたい方は、国税庁|マイナポータルの概要・事前設定の方法をご確認ください。
スマートフォンでの仮想通貨(暗号資産)取引の確定申告手順
それでは、スマホを使った確定申告の手順について見ていきましょう。
スマホを使った確定申告には、大きく分けて2通りの方法があります。
● スマホをICカードリーダーの代わりに使用して、データ入力はPCで行うやり方
● データ入力から申請書の提出までをスマホのみで行うやり方
PCを使うやり方は「仮想通貨の確定申告は自分でできる!やり方を画像付きで解説!」でご紹介していますので、この記事ではスマホのみで行うやり方をご紹介します。
1.スマホから国税庁の「確定申告書等作成コーナー」へアクセス
確定申告書等作成コーナーへは、スマホのQRコード読み取りで簡単にアクセスできます。
出典:国税庁(スマホ申告ご利用ガイド)を加工して作成
2.作成する申告書と提出方法を選択する
ここでは2024年分の所得税の確定申告書を作成しますので、はじめに「所得税」を選択し、続いて「令和6年分」にチェックを入れましょう。
提出方法に関する質問に対しては、前項「スマホ申告に必要なものを用意する」で準備した内容に応じて回答しましょう。
最後に、画面下部の「次へ」をタップします。
出典:国税庁(スマホ申告ご利用ガイド)を加工して作成
3.マイナンバーカードの読み取り
e-Taxのログイン画面が表示されますので、「ログイン」をタップします。
マイナンバーカードの数字4桁のパスワードを入力し、マイナンバーカードをスマホにかざした状態で「読み取り開始」をタップします。
出典:国税庁(スマホ申告ご利用ガイド)を加工して作成
なお、初めてマイナンバーカードを利用してe-Taxを利用する場合は、利用開始の手続き画面が表示されますので、画面の案内に沿って手続きを行いましょう。
4.登録情報の確認・訂正
e-Taxにログインすると、登録情報が表示されます。初めて利用する場合や、訂正がある場合は「内容を変更する」をタップして登録しましょう。
5.申告する所得の選択
生年月日を入力のうえ申告する所得を選択します。
申告する所得は、ご自身の所得に応じて選択することになります。
例えば、給与所得のある会社員が副業として仮想通貨取引を行っている場合は、「給与」と「雑(業務・その他)」を選択します。
6.所得の入力
続いて、選択した所得額を入力していきます。
給与所得は手入力のほか、「給与所得の源泉徴収票」をカメラで読み取ることも可能です。
出典:国税庁(スマホ申告ご利用ガイド)を加工して作成
仮想通貨取引による所得額は「雑所得(その他)」へ入力しましょう。
● 種目:暗号資産
● 収入金額:クリプタクトの実現損益
● 必要経費:クリプタクトに未入力の必要経費があれば入力
● 源泉徴収税額:通常はなし
● 所得の生ずる場所、報酬などの支払者の氏名:取引所名、所在を入力
なお、「クリプタクト」の実現損益はサマリー画面の年別タブから確認することができます。
「クリプタクト」デモ環境より
7.所得控除の入力
ご自身の該当のある控除項目を入力してください。
8.計算結果の確認
計算結果の確認画面に遷移し、納税額(もしくは還付額)が表示されます。
還付される場合は還付金の受取方法を選択することで、後日還付金が振り込まれます。
納税する場合は納税方法の選択を行い、確定申告期日(通常は3月15日)までに納税しましょう。
計算結果の内容に応じて表示される画面が異なりますので、各画面の案内に沿って操作しましょう。
(注意:この画面ではまだ確定申告は完了していません)
9~10.申告書のイメージを確認
ここまでの入力で作成された確定申告書イメージが表示されますので、内容に誤りがないことを確認し、「次へ」をタップします。
出典:国税庁(スマホ申告ご利用ガイド)を加工して作成
11.確定申告書を送信する
e-Tax送信画面が表示されますので、「送信する」をタップして確定申告書を送信します。
この際にマイナンバーカードの読み取りを求められた場合は、画面の案内に沿って操作しましょう。
出典:国税庁(スマホ申告ご利用ガイド)を加工して作成
以上がスマホを使った確定申告の手順です。
まとめ
一般的に確定申告は複雑で面倒な手続きという印象が強いかもしれませんが、電子化の進展によって以前よりも分かりやすく、簡単になりつつあります。
確定申告に苦手意識がある方も、これから初めて行う方も、新しい便利なサービスを上手に活用して効率的に確定申告を済ませてみてはいかがでしょうか。
特に仮想通貨取引を日常的に行っている方は、確定申告の前段階として損益計算を自動化することで、税務処理の手間を大幅に軽減することが可能です。
仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」であれば、国内外130カ所以上の取引所からの取引履歴データ取り込みに対応しているほか、ブロックチェーンから直接DeFi(分散型金融)取引データを取り込む機能も搭載しているため、取引履歴の管理や計算に手間がかかりません。
これらの機能は無料のFreeプランで利用できますので、ぜひこの機会にお試しください。