スマホを使った確定申告手続きが始まって4回目の申告期を迎えます。国税庁の資料によれば、導入初年度に13万人だったスマホ申告者は、昨年の申告期には102万人と、2年前に比べ約8倍に増加したそうです。
導入からの時間の経過につれて、対象範囲や使い勝手も向上しているようです。暗号資産取引に係る所得税申告については、以前からスマホ対応が可能でしたが、今年初めてスマホ申告に挑戦する方のために、操作方法を解説します。
暗号資産取引のみを要因として所得税の申告を要するのは、200,000円を超える所得を得た方です。但し、医療費控除やふるさと納税などで確定申告を行う人は、暗号資産取引などで得た所得が200,000円以下でも、申告が必要です。
(出所:国税庁HP「令和3年分のスマホ申告に関する手引き等」の「暗号資産取引を申告する場合の入力例」
なお、若干見た目が違っても入力内容は同じなので、入力データについては、「2021年分(令和3年分)暗号資産の確定申告書類の作成方法(ステップバイステップでご紹介)」の記事をご参照ください。
1. スマホ申告の進化
スマホ申告の対象範囲の拡大
給与所得や、暗号資産取引に係る雑所得については、以前からスマホ申告が可能でした。
2021年分からはこれに加えて、株式取引に係る譲渡所得の関係も対象になったようです。これにより、暗号資産取引による申告を行う一般的な給与所得者については、ほぼスマホのみで申告手続きを完結できそうです。
源泉徴収票の撮影・自動入力
給与所得者の源泉徴収票をスマホ撮影することで、申告書面に自動入力できる機能が追加されたようです。数か所の数字の転記なので、それほど、手間のかかる作業ではありませんが、楽になるのは確かでしょう。
さらに、「マイナポータル連携」の事前設定を行うと、保険料控除、寄付金控除等の控除証明書のデータも自動で取り込むことができるようです。
マイナンバーで納税者を名寄せしているからこその便利な機能ですが、試していないので、使い勝手は未知数です。
提出方法でマイナンバーカード方式を選んで、所得税の申告を選ぶと次の画面に移動し、画面下部に「事前設定」がありますので、こちらをクリックしてください。
下のリンクからも事前設定に移動できます。
【確定申告書等作成コーナー】-マイナポータルの概要・事前設定の方法 (nta.go.jp)
2. スマホ申告の手順
スマホ申告は、大まかに2通りに分かれます。
a. スマホをICカードリーダーの代わりに認証に使用して、データ入力はPCで行うやり方と、
b. データ入力から申請書の提出までをスマホのみで行うやり方です。
PCを使うやり方は、「2021年分(令和3年分)暗号資産の確定申告書類の作成方法(ステップバイステップでご紹介)」で紹介しているので、ここではb.のスマホで手続きを完結する方法を紹介します。
1. スマホから国税庁「確定申告特集」を訪問
2. 「確定申告書等の作成は こちら」をクリック
3. 「作成開始」をクリック → 「次へ」をクリック
以下、2021年分の暗号資産取引を申告する給与所得者を想定して流れを説明します。
4. 「確定申告をする年分は令和3年分ですか?」→ 「はい」
5. 「申告する収入の選択」→「給与」と「雑(その他)」→ 「確定」
6. 「住宅に関する控除を受けますか?」→ 「はい」又は「いいえ」
7. 「提出方法を選択してください。」→ 「e-Tax(マイナンバー方式)」(保有者)
8. 「マイナポータルと連携しますか?」→「必要があれば事前設定を行う」
9. マイナンバーカードの読み取り
10. 利用者情報の確認・訂正
11. 給与所得の入力(カメラ撮影で自動入力又は手入力)
12. 雑所得(その他)の入力
・種目: 暗号資産
・収入金額: Cryptactの実現損益
・必要経費: Cryptactに未入力の必要経費があれば
・源泉徴収税額: 通常ないと思います
・所得の生ずる場所、報酬などの支払者の氏名: 取引所名、所在を入力
(出所:国税庁HP「令和3年分に関する手引き等」04.pdf (nta.go.jp))
複数の取引所を使っている場合、取引所を1つだけ入力して取引所名の後ろに「ほか」を付ける(国税庁HP画面の青枠ご参照)。
13. 所得控除の入力
ご自身の該当のある控除項目を入力してください。
詳細については2021年分(令和3年分)暗号資産の確定申告書類の作成方法(ステップバイステップでご紹介)をご参照
14. 計算結果の確認
計算結果を確認し、追加納税になった場合、確定申告期日までに納税してください。
銀行口座を登録しておけば、口座振替により税金の支払いが行われます。
還付についても、登録した銀行口座に還付金が振り込まれます。
15. 書類の提出
以上がスマホ申告の流れです。
説明書を含めて以前に比べ、分かりやすくなった印象を受けます。
暗号資産の確定申告書類の作成方法は、こちらの記事も併せてご参照ください。
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