近年、OpenAIのChatGPTを始めとする生成AIの急速な発展に伴って、仮想通貨市場でも多くのAI銘柄が活発に取引されるようになりました。その中でも2023年7月にローンチされたワールドコイン(WLD)は、AIの時代を見越したプロジェクトとして各メディアでも取り上げられ、気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ワールドコイン(WLD)が一体どのような仮想通貨であるか、その特徴についてご紹介したうえで、実際に購入する方法についても解説していきます。
なお、海外取引所やDEX(分散型取引所)などを通じてワールドコイン(WLD)を取引する際に生じる面倒な税金計算について、簡単に手間を減らす効率的な方法についてもご紹介します。
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ワールドコイン(仮想通貨WLD)とは?
ワールドコイン(WLD)は、OpenAIのCEO(最高経営責任者)であるサム・アルトマン氏が共同創業者の一人として参加する仮想通貨プロジェクトです。
ワールドコインプロジェクトの大きな特徴として、世界中の人々に仮想通貨を配布する「ユニバーサル・ベーシック・インカム」という目標を掲げている点が挙げられます。
Orbと呼ばれる専用の装置によって目の虹彩をスキャンし、本人が実在する人間であることを証明すると「World ID」と呼ばれるアカウントを取得することができ、このアカウントの保有者には定期的にワールドコイン(WLD)が配布されるという独特な仕組みが採用されています。
※ワールドコイン(WLD)の公式サイトによると記事執筆時点で全世界で590万人が「World ID」を取得したとされています。
一方で、ワールドコインプロジェクトが虹彩情報など多くの個人情報を収集していることにより、プライバシー保護の観点から懸念を示す声も聞かれます。
ドイツ・フランス・イギリス・韓国などでは当局がプライバシー保護をめぐる調査に着手したことが報じられているほか、2024年5月には香港の個人データ条例に違反したとして香港当局から業務停止命令を受けたことも知られています。
とはいえ、OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏がワールドコイン(WLD)を主導していることが意識されてか、ChatGPTのバージョンアップや動画生成AI「Sora」の発表に反応してワールドコイン(WLD)が急騰するなど、OpenAIの動向によってワールドコイン(WLD)の思惑買いが起こる事例も発生しています。ワールドコイン(WLD)は引き続き、AIに関するテーマとも関連しながら、動向が注目される銘柄と言えるでしょう。
ワールドコイン(仮想通貨WLD)の買い方/購入方法
ワールドコイン(WLD)は他の多くの仮想通貨と同様に仮想通貨取引所で売買することができますが、記事執筆時点ではワールドコイン(WLD)を取り扱っている日本国内の仮想通貨取引所はありません。
そのためワールドコイン(WLD)を購入する場合は、国内取引所で元手となる仮想通貨を購入し、海外の取引所へ送金したうえでワールドコイン(WLD)に交換する必要があります。
具体的な手順を見ていきましょう。
方法①取引所で購入する
STEP1. 国内取引所で元手となる仮想通貨を購入する
まず、国内の仮想通貨取引所で元手となる仮想通貨を購入しましょう。
国内取引所では日本円で直接仮想通貨を購入できるため、初心者の方でも利用しやすい基本的な取引手段と言えるでしょう。
国内取引所の例
● bitFlyer
● Coincheck
● GMOコイン
● bitbank など
この際に注意したいのが、元手としてどの仮想通貨を購入するのかという点です。
ワールドコイン(WLD)は多くの海外取引所に上場されていますが、取引ペアはテザー(USDT)やUSDコイン(USDC)などとの組み合わせが中心となっています。
そのため、国内取引所でこれらのコインを購入できれば元手として最適なのですが、残念ながら、国内取引所ではこれらの米ドル建てステーブルコインを購入できないのが現状です。
一部の海外取引所ではビットコイン(BTC)とワールドコイン(WLD)のペアも存在しますが、ビットコインは送金手数料が非常に高い傾向にあるため、中間資金として送金する用途にはあまり向いていません。
また、送金の用途としてはリップル(XRP)などの仮想通貨は手数料が安いため人気ですが、送金先の海外取引所でワールドコイン(WLD)に交換するまでに複数の取引が必要になる場合があります。
こうしたプロセスにかかる手数料についても考慮したうえで、自分にとって最適な仮想通貨を選択するようにしましょう。
STEP2. ワールドコインの取扱いがある海外取引所に送金する
続いて、購入した仮想通貨をワールドコイン(WLD)の取り扱いがある海外取引所へ送金します。
ワールドコイン(WLD)を取り扱う海外取引所の例
● Bybit
● KuCoin
● MEXC
送金する際は、送金先の海外取引所にて入金用のウォレットアドレスを取得し、国内取引所の送金画面でそのウォレットアドレスを指定する必要があります。
ウォレットアドレスは1文字でも間違えると誤送金となってしまいますので、コピー機能を利用するなどして、必ず間違えないように注意しましょう。
なお、上記の海外取引所の口座開設方法や使い方を知りたい方は、ページ下部の関連記事にリンクがありますので併せてご覧ください。
STEP3. ワールドコインを購入する
最後に、送金した仮想通貨を用いて海外取引所でワールドコイン(WLD)を購入しましょう。
ワールドコイン(WLD)と交換できる仮想通貨のペアは取引所によって異なりますので、送金した仮想通貨がペアに該当しない場合は、複数の交換取引が必要になる点に注意が必要です。
例えば、次のような段階を踏むケースが一般的です。
例:
①bitFlyerで日本円を支払いリップル(XRP)を購入する。
②bitFlyerからBybitへリップル(XRP)を送金する。
③Bybitでリップル(XRP)をテザー(USDT)に交換する。
④Bybitでテザー(USDT)をワールドコイン(WLD)に交換する。
なお、上記はあくまでも取引の一例ですので、この組み合わせが最適であることを保証するものではありません。
取引の組み合わせは無数に存在しますし、各仮想通貨の価格も常に変動しています。
状況を見極めながら、ご自身の判断で取引を行うようにしましょう。
方法②DEXで購入する
前項では海外取引所でワールドコイン(WLD)を購入するケースについてご紹介しましたが、海外取引所の利用には口座開設が必要であるため、面倒にに感じる方もいることでしょう。
一方、分散型取引所(DEX)であれば、多くの場合、対応した仮想通貨ウォレットさえインストールしておけば、口座開設などの手続きなしで仮想通貨を売買することが可能です。
ここでは、分散型取引所(DEX)を通じたワールドコイン(WLD)の買い方・購入方法について見ていきましょう。
STEP1. 国内取引所で元手となる仮想通貨を購入する
まず、国内の仮想通貨取引所で元手となる仮想通貨を購入する点は、海外取引所を利用する場合と同様です。
元手としてどの仮想通貨を購入するべきかについては、UniswapやSushiswapなどのイーサリアム系分散型取引所(DEX)を利用する場合、イーサ(ETH)を購入する方法がシンプルでわかりやすいでしょう。
また、国内取引所としてのBinance Japanに口座を保有している場合は、バイナンスコイン(BNB)なども選択肢の一つとなるかもしれません。
バイナンスコイン(BNB)はBNB Chainと呼ばれる独自のネットワークを通じて安い手数料で送金ができることが特徴で、イーサリアムと同様に多くの分散型取引所(DEX)で利用可能です。
ご自身が口座を保有している国内取引所の取り扱い銘柄と、利用したい分散型取引所(DEX)の取り扱い銘柄に応じて、購入する仮想通貨を選択すると良いでしょう。
STEP2. ウォレットに送金する
続いて、購入した仮想通貨を自身のウォレットへ送金しましょう。
分散型取引所(DEX)で利用できるウォレットは多くの種類が提供されていますが、中でもMetamaskは対応しているプロダクトが多く、世界中で絶大な人気を誇っています。
Metamaskの導入方法や使い方についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、これからウォレットを作りたい方はぜひ参考にしてみてください。
ウォレットへ仮想通貨を送金する際は、ウォレットの画面上でウォレットアドレスを確認し、国内取引所の送金画面でそのウォレットアドレスを指定する必要があります。
ウォレットアドレスは1文字でも間違えると誤送金となってしまいますので、コピー機能を利用するなどして、必ず間違えないように注意しましょう。
なお、ネットワークの混雑状況に応じて、送金がウォレット残高に反映されるまでには時間がかかる場合もありますので留意しておきましょう。
STEP3. DEXで購入する
最後に、分散型取引所(DEX)でワールドコイン(WLD)を取得する取引を行います。
ワールドコインの取り扱いがある分散型取引所(DEX)の例
● Uniswap
● Suhiswap
● PancakeSwap
取引方法は非常にシンプルです。
Metamaskなどのウォレットをインストールしたデバイス(スマホやPCブラウザなど)で分散型取引所(DEX)のWebサイトを開き、画面上にあるウォレットを接続(Connect)ボタンを押し、ウォレットとWebサイトを接続します。
続いて、Swap(スワップ)画面を開いて、元手となる仮想通貨とワールドコイン(WLD)を指定することで、交換取引を行うことができます。
(PancakeSwapでETHをWLDに交換する例)
なお、それぞれの分散型取引所(DEX)の使い方については、こちらの記事でもご紹介しています。詳しく確認したい方は、ぜひ併せてご覧ください。
- Uniswap(ユニスワップ)の使い方を徹底解説|特徴から取引履歴の見方まで紹介
- SushiSwap(スシスワップ)の使い方を徹底解説|特徴から取引履歴の見方まで紹介
- PancakeSwap(パンケーキスワップ)の使い方|特徴から取引履歴の見方まで紹介
まとめ
この記事では、ワールドコイン(WLD)は AI関連銘柄の一つとして知られているものの、残念ながら国内仮想通貨取引所から直接購入できないことをご紹介してきました。
このように国内で取り扱いが無い仮想通貨を購入する場合、海外の仮想通貨取引所(CEX)や、分散型取引所(DEX)を経由して複数の取引を行う必要があります。
取引自体にも多少の手間がかかりますが、更に重要なポイントとして、後から行う税金計算が非常に複雑で面倒なものになってしまう点を忘れてはなりません。
特に仮想通貨同士の交換取引は、税務上の損益計算をそれぞれの時価に基づいて日本円に換算しながら行う必要があるため、手作業で行うにはどうしても限界が生じます。
また、取引が複数の取引所やウォレットに跨ることで、取引履歴を漏らさずに収集すること自体も大変な作業になりやすいのです。
そこで頼りになるのが、仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」です。
「クリプタクト」であれば、国内外90カ所以上の仮想通貨取引所やウォレットからの取引履歴の取得に対応しているため、画面上の案内に沿って簡単な操作を行うだけで、取引履歴を効率的に収集・管理することが可能です。
また、ワールドコイン(WLD)を含む22,000銘柄以上の仮想通貨や法定通貨の時価情報も保有しているため、取引履歴に基づいた正確な損益計算が自動的に行われ、確定申告に必要な仮想通貨取引の損益額(所得額)を把握することができるのです。
「クリプタクト」では基本機能を無料で試せるプランも用意されていますので、ワールドコイン(WLD)などの注目銘柄を幅広く取引する方は、ぜひこの機会にお試しください。