大手のDEX(分散型取引所)として有名なPancakeSwapをはじめ、最新のDeFi(分散型金融)やDApps(分散型アプリケーション)を利用するために、BNB Chainを使えるようにしたいという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、BNB Chainの特徴や使い方を解説するとともに、BNB Chainにおける取引履歴の確認方法としてBscScanの利用方法についてご紹介していきます。
併せてBNB Chainから効率的に取引履歴を収集して税金計算を行うツールもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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BNB Chain の基本情報
BNB Chainは仮想通貨取引所Binance(バイナンス)がリリースしたブロックチェーンです。ネイティブトークンとして、BNB(ビルドアンドビルド、旧バイナンスコイン)が採用されています。
2019年にリリースされた独自ブロックチェーン「Binance Chain(バイナンスチェーン)」に続いて2020年にはBinance Chainを発展させ、Ethereumとの互換性を高めたBinance Smart Chain(バイナンススマートチェーン:BSC)がリリースされました。
BSCは高速かつ安価にトランザクションを処理できることに加え、Ethereum向けの分散型アプリケーションを容易に移植できることから注目を集め、現在ではEthereum、Tronに次ぐ規模のブロックチェーンに成長しています。そして、2022年にBinance ChainとBSCが統合されてBNB Chainと呼ばれるようになりました。
現在、BNB Chainと仮想通貨BNBは数多くのプロジェクトで採用されており、代表的なものとしてはDEX(分散型取引所)のPancakeSwapや、ブロックチェーンゲームのSTEPN、仮想通貨の貸し借りが行えるDeFi(分散型金融)のVenusなどが挙げられます。
BNB Chain の使い方
実際にBNB Chainを使って、送金やDEXなどと連携しスワップやブリッジを行うにはどのようにしたら良いのでしょうか。
ここでは、元手となる仮想通貨をすでに保有している想定で主に次の2通りの方法をご紹介します。目的に応じて使い分けていただくことをお勧めします。
なお、以降に掲載されているMetamask,PancakeSwapのブラウザ版およびアプリ版のスクリーンショットは、情報提供のために使用しています。これらの画像の著作権はアプリの開発者に帰属します。
仮想通貨取引所Binanceで使用する
BNBチェーンはBinanceがリリースしたブロックチェーンですので、Binanceでの利便性が非常に高いことが特徴です。
そのため、Binanceに口座開設をすることで、仮想通貨BNBの購入やBNB Chainでの送金などを円滑に行うことができます。
BinanceJapanの出金画面。ネットワークの一覧からBNBやBSCなどを選択できる
Binanceは海外で創業された仮想通貨取引所ですが、2022年に日本の暗号資産交換業者である株式会社サクラエクスチェンジビットコインの買収を通じて日本でのライセンスを取得しており、2023年8月からBinanceJapanとして正式に国内での営業が開始されています。
仮想通貨BNBを日本円で購入したい場合や、いざという時に日本語サポートが受けられる取引所でBNB Chainを使いたい場合は、Binanceでの口座開設が有力な選択肢となるでしょう。
MetaMaskにチェーンを追加し、DEXやDeFiと連携して使う
Binanceの口座を開設する以外にも、MetaMaskなどの対応ウォレットを導入することでBNB Chainを使う方法もあります。
ここでは、MetaMaskを使った手順を詳しく説明していきます。
まず、MetaMaskの初期状態ではウォレットがイーサリアムのブロックチェーンに接続されているため、BNB Chainを使う場合はネットワークの追加設定を行う必要があります。
ネットワークの追加設定を行うには、MetaMaskを起動した状態で左上のネットワーク選択ボタンをクリックします。(画像ではイーサリアムのマークが表示されている箇所)
続いて「ネットワークを選択」の画面が表示されたら、下部の「ネットワークを追加」ボタンをクリック、表示されたリストからBNB Chainを探し、「追加」をクリックします。
選択したネットワークの詳細が表示されるため、「承認」をクリックします。
最後に表示される「BNB Chainに切り替える」ボタンをクリックすることで、MetaMaskはBNB Chainに接続されます。(左上がBNB Chainのマークに切り替わります)
MetaMaskはウォレットとして仮想通貨の送金・受取ができるほか、DEX(分散型取引所)やDeFi(分散型金融)と連携した機能が備わっているため、仮想通貨同士を交換(スワップ)したり、異なるネットワークに仮想通貨を移動(ブリッジ)することが簡単に行えます。
MetaMaskは世界中で人気を集めている便利で多機能なウォレットですが、BinanceJapanのように日本の金融当局に認可を受けているわけではありません。
また、中央管理者が存在しないということは、自身でウォレットを管理する必要があるため、パスワードやリカバリーフレーズ等を紛失した場合は仮想通貨を永久に紛失する可能性もあります。
利用する際は、MetaMaskの性質をよく理解したうえで慎重に管理するようにしましょう。
なお、MetaMask経由で取引をした場合など、税金が発生するケースもあります。確定申告の注意点についてはこちらの記事でもご紹介していますので、興味のある方はぜひ併せてご覧ください。
BscScanの使い方・取引履歴の取得方法
BNB Chainで取引などを行った場合、後日税金計算などのために取引履歴を確認する必要が出てきます。
MetaMaskでもある程度の取引履歴を参照することはできますが閲覧できる情報が限定されているため、アドレスを指定することでBNB Chain上のあらゆるオンチェーンデータにアクセスできる「BscScan」を活用する方法が便利です。
自分のウォレットアドレスが必要になりますので事前に調べておきましょう。MetaMaskの場合はアプリのの画面上部に青色で表示されていますので、長押しコピーして使用しましょう。
BscScanのサイトを開くと、トップページに検索フィールドが設置されています。
このフィールドに自身のBNB Chainにおけるウォレットアドレスを入力して検索します。
BscScanで検索を行うと、上記のような画面が表示されます。
このままWebブラウザ上で閲覧することもできますし、データとしてダウンロードすることもできます。ダウンロードする場合は、「Transactions」を選択したうえで右下の「Download: CSV Export」をクリックしましょう。
最後に、ダウンロードする期間を指定して「Download」をクリックすることで、CSV形式の取引履歴データを取得することができます。
なお、この機能では5,000件までの取引しか取得することができません。もし期間中の取引が5,000件を超える場合は、期間を絞って複数のファイルに分割してダウンロードするようにしましょう。
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仮想通貨取引を行った場合、1年間に行った全ての取引に対して損益計算を行い、発生した所得に応じて税金を支払う必要があります。
確定申告の準備は、取引する件数や扱う銘柄、ネットワークの種類が多いほど煩雑で負担の大きい作業となるため、多くの仮想通貨投資家にとって悩みの種となっていることでしょう。
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「クリプタクト」であれば、Binanceを含む国内外90カ所以上の取引所からの取引履歴の取得に対応しているほか、BNBを含む19,000銘柄以上の仮想通貨や法定通貨の時価を1分単位で取得しているため、取引履歴の取込の操作を行うだけで自動的に損益計算を行うことが可能です。
また、ウォレットアドレスとネットワークを指定することで、ブロックチェーンから直接取引履歴を取得できるため、MetaMaskを使ったDEXやDeFiの取引なども幅広くカバーすることができます。
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