仮想通貨取引を行う上で価格の動向や市場の流動性を把握する際に役立つのが分析ツールです。なかでも「DEXTools」は、分散型取引所(DEX)を利用するトレーダーによく活用されているツールのひとつです。
とはいえ「DEXtools」は日本語に対応しておらず、慣れていない人にとっては敷居が高く感じられる場合もあるかもしれません。
この記事では、DEXToolsとは何か、その特徴、そして具体的な使い方について初心者の方にもわかりやすく解説していきます。これからDEXToolsを利用してトークンを取引したい方や、分析ツール選びに迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
DEXToolsとは
DEXToolsは、DEXにおけるトークン取引や市場分析を簡単に行うためのツールです。
DEX(分散型取引所)では、同じトークンでも複数の取引ペアやプールが存在することが多く、取引データがさまざまな場所に分散しています。
そのため、必要な情報を一つひとつ確認するのは手間がかかります。
そこで役立つのが「DEXTools」です。
このツールを使うと、以下のような機能を活用できます:
●複数のDEXにまたがるデータを統合して表示できるので、特定のトークンの価格や取引状況をリアルタイムでチェックできる。
●DEX市場での新規トークンや注目される取引ペアのリストを確認できるので、新しく取引可能になったトークンを素早く発見することが可能。
●クジラ(大口トレーダー)の動きや流動性の急変を把握できるので、市場の動向を分析が可能。
これらの情報が統合的にわかりやすく表示されるため、DEX市場の動向や特定のトークンの取引状況を効率的に把握することができます。
DEXToolsの特徴(メリット)
仮想通貨の情報サービスとしては、CoinmarketCapやCoinGeckoなどが知られています。
DEXToolsはこうしたサービスと比較してどのような特徴があるのでしょうか。
まずはメリットについて具体的に見ていきましょう。
分散型取引所(DEX)に特化したデータ分析
CoinMarketCapやCoinGeckoは、中央集権型取引所(CEX)を含む仮想通貨全体の情報を幅広くカバーしています。
一方で、DEXToolsは分散型取引所(DEX)での取引に特化したツールとなっています。
そもそも、CEXとDEXはどちらも仮想通貨を取引するためのプラットフォームであるという点では共通していますが、実際には使い勝手や利用シーンが異なる面も少なくありません。
例えば、CEXは新たに使い始める際に口座開設やKYCが必要であるのに対し、DEXはウォレットを接続するだけで利用できるケースが多く、容易に乗り換えることが可能です。
また、DEXで取引したトークンはそのままウォレットに保管されるため他の分散型金融(DeFi)などWeb3(3.0)プロダクトで利用する際に便利ですが、法定通貨との取引を行いたい場合はCEXの方が有利です。
このようにCEXとDEXでは利用するシーンやニーズが異なるため、DEXに特化した市場分析をしたい場合は、DEXの分析に特化したツールが適しているといえます。
DEXToolsではDEXで頻繁に発生するリアルタイム取引の価格や流動性情報をブロックチェーンから直接収集しています。
その結果、UniswapやPancakeSwapなど、複数のDEXで取引されているトークンを1つのプラットフォームで比較・分析でき、効率的に市場分析ができるのです。
ブロックチェーンベースの情報に強い
CoinMarketCapやCoinGeckoは、基本的に取引所やプロジェクトから提供されるデータを基に情報を表示しています。より詳細な情報を収集できるというメリットがある一方、情報はプロジェクトの信用に依存しています。
一方、DEXToolsはブロックチェーン上の取引データを直接取得するためこうしたプロジェクトの信用に依存しないのが特徴です。大口取引や流動性プールの詳細を確認するなどの際、DEXToolsなら正確なデータに基づいて判断することができます。
DEXToolsの特徴(デメリット編)
続いて、DEXToolsのデメリットについても見ていきましょう。
ブロックチェーンベース以外の情報は少ない
DEXToolsはブロックチェーンベースの情報に強いという点をメリットとして挙げましたが、仮想通貨に関する情報はブロックチェーン上にあるものが全てではありません。
プロジェクト自体のニュースや、取引所が独自に提供するトークンの詳細情報など、ブロックチェーンから取得できない情報についてはCoinMarketCapやCoinGeckoのほうが得意な分野であり、DEXToolsの弱みであるとも言えます。特徴を理解して、上手に使い分けるのが良いでしょう。
日本語に対応していない
DEXToolsは英語を始めとする複数の言語に対応していますが、残念ながら現時点で日本語表示には対応していません。
そのため、英語に不慣れな方にとっては操作や情報の理解が難しい場合があるかもしれません。
基本的な使い方については、次のセクションにおいて画像つきで分かりやすくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
資産の一元管理と分析には向いていない
DEXToolsはさまざまなDEXや市場分析に優れたツールですが、自分自身の資産の一元管理や分析という観点では、あまり機能が充実しているとは言えません。
ウォレットを接続することで保有している資産を閲覧できる機能もあるものの、補助的な機能であるうえ、無料プランでは利用することができません。
もし、ブロックチェーン上の資産を一元管理・分析したい場合は、『defitact』のような無料の資産管理プラットフォームを活用する方が良いでしょう。
『defitact』であれば、ウォレットを接続するだけでDeFiやNFTなどブロックチェーン上の取引を集約して可視化できるほか、ポートフォリオの作成にも対応しています。
DEXToolsの使い方
それでは、DEXToolsの使い方について見ていきましょう。
はじめにDEXToolsとウォレットの接続方法を解説した後、代表的な機能についてそれぞれご紹介していきます。
DEXToolsとウォレットを接続
DEXToolsに掲載されている多くの情報がウェブサイトにアクセスするだけで誰でも閲覧することができます。
例えば、チャートやランキングなどは誰でも自由に閲覧することが可能です。
一方で、トークンのスワップをはじめとする一部の高度な機能を利用するためには、ウォレットの接続が必要です。
ここではPCを使ってDEXToolsに接続する方法について見ていきましょう。
まず、MetaMaskなどのウォレットを導入したブラウザでDEXToolsの公式サイトを開きます。
なお、メタマスクの使い方についてはページ下部関連記事で詳しく解説していますので、必要に応じてご参照ください。
DEXToolsの公式サイトを開くと画面右上に「Connect」ボタンがありますので、クリックしましょう。
ウォレットの接続ガイドが表示されますので、STEP1の「Connect」ボタンをクリックします。
接続したいウォレットを選択するダイアログが表示されます。
ここでは、MetaMaskを選択した事例を見ていきましょう。
ダイアログからMetaMaskを選択すると、ブラウザにインストールされているMetaMaskが起動し、接続の確認が表示されます。
表示されている内容を確認のうえ「接続」をクリックしましょう。
MetaMaskのネットワーク設定によっては、DEXToolsに対応したネットワークへの切り替えを促す画面が表示される場合があります。いずれかのネットワークを選択しましょう。
DEXToolsにウォレットが接続されると、STEP2としてウォレットの承認が促されます。
「Verify wallet」ボタンをクリックすると、再びMetaMaskが起動して署名要求画面が表示されます。
内容を確認のうえ「確認」をクリックしましょう。
表示されている画面に自身のウォレットアドレスが表示されていることを確認しましょう。これでDEXToolsへのウォレットの接続は完了です。
画面左側のメニューから機能を選んで、DEXToolsの利用をはじめましょう。
「DexTboard」で各種ランキングを表示
画面左側メニューで一番上に表示されているのが「DexTboard」です。
DEXで取引されているさまざまなトークンがランキング形式で表示されています。
今、価格が伸びている銘柄や、作成されたばかりの新しいトークンなどが一目でわかるように表示されていますので、DEX市場のトレンドを把握したい際に役立つ画面と言えるでしょう。
主な情報
● Daily gainers:日次のトークン価格上昇率のランキング
● Daily losers:日次のトークン価格下落率のランキング
● Recently updated socials:直近でSNS等に更新があったプロジェクト
● Hot pairs:日次でアクセスの多かったトークンペアのランキング
「Pair Explorer」でトークンチャートを表示
「Pair Explorer」では特定の取引ペアのチャートを表示することができます。
検索欄でトークン名やコントラクトアドレスを入力することで、表示するペアを切り替えられます。
画面下部では、トークンが取引された履歴も表示されています。
「Live New Pairs」で新着トークンを表示
「Live New Pairs」では、公開されたばかりのトークンペアの情報を閲覧することができます。
取引が始まったばかりの新しい市場へいち早く参加したい場合などに、非常に便利な機能と言えるでしょう。
「Big Swap Explorer」で大口取引を表示
「Big Swap Explorer」では、大口の取引を確認することができます。
多くの仮想通貨、中でも特に流通量の少ない新しいトークンなどでは、大口の取引によって市場価格が激しく変動するケースが少なくありません。
また、大口投資家が資金を動かしている背景には、何か最新のニュースなど影響があることも考えられます。
このように大口取引の動向をチェックすることで、市場の動向を分析することができるでしょう。
「Multi Chart」で複数の仮想通貨を比較
「Multi Chart」では、複数の任意のチャートを並べて表示することができます。
チャートは最大10個まで登録でき、一度登録すれば次にアクセスした際にも同じように表示されます。お気に入りのチャートを登録しておくことで、定期的なチャートチェックも効率的に行えることでしょう。
新しくチャートを追加したい場合は「Add new chart」をクリックして、登録したいチャートを検索しましょう。
「MultiSwap」でトークンをスワップ
「MultiSwap」では、さまざまなDEXからお気に入りのスワップペアを選び、ショートカットとして登録しておくことができます。
よく使う取引ペアがある場合などに都度DEXへアクセスする手間が省けるうえ、一つの画面で複数のトークンをスワップすることもできるため、スワップ取引を大幅に効率化することができます。
DEXToolsに関してよくある質問
ここでは、DEXToolsに関するよくある質問とその回答を見てみましょう。
DEXToolsのスマホアプリはありますか
DEXToolsにはiOS用とAndroid用のスマホアプリがそれぞれ提供されています。
スマホアプリはApp StoreまたはGoogle Playで「DEXTools」と検索するか、DEXTools公式サイトのメニュー「Products」からダウンロードすることができます。
「Multiswap」などの一部メニューを除くとおおむねウェブサイトと同じ機能を利用することができます。ただし、ウェブサイトと同様にスマホアプリも現時点では日本語に対応していませんので注意しましょう。
DEXToolsを日本語で表示する方法はありますか
DEXToolsは公式で日本語表示に対応していませんが、Google Chromeなどの日本語変換に対応したブラウザを利用することで、日本語に翻訳しながら表示することができます。
自動翻訳であるため翻訳の内容が常に正しいとは限りませんが、英語が苦手な場合にサイトの内容を理解する助けとなることでしょう。
なお、スマホアプリ版はこうした自動翻訳が使えないため、日本語で表示したい場合はウェブサイトを利用することをおすすめします。
まとめ
仮想通貨取引を賢く効率的に行うためには、このような専用ツールを活用することが効果的です。
DEXToolsはDEXで取引を行う際の情報収集として非常に有用ですが、実際に仮想通貨の取引を行った後には必ず税金対策のための損益計算が必要になります。
仮想通貨取引を通じて利益を得た場合、その所得は「所得税」や「住民税」などの課税対象となり、場合によっては「確定申告」を行う必要があります。この点は海外取引所やDEXで取引をした場合であっても、国内取引所で売買した場合と変わりありません。
むしろ、国内取引所で主流の日本円を使った売買ではなく、海外取引所やDEXで仮想通貨同士の交換(スワップ)を行う場合は、一つひとつの取引を時価で日本円換算する作業が非常に煩雑となります。
仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」であれば、画面上の案内に沿って簡単な操作をするだけで確定申告に必要な損益計算を自動で済ませることができます。
Uniswapなど多くのDEXを含む国内130カ所以上の取引所からの取引履歴データ取り込みに対応しているほか、23,000銘柄以上の仮想通貨や法定通貨の時価情報も保有しているため、ツールへ大量の情報を入力する必要もありません。
「クリプタクト」であれば仮想通貨の売買のみでなく、複雑なDeFi(分散型金融)やNFT取引も含めて、無料のFreeプランから利用することができます。ぜひこの機会にお試しください。