Hyperliquid(ハイパーリキッド)は、オンチェーンオーダーブックを採用した高速な取引処理が特徴のDEX(分散型取引所)です。2024年11月には独自トークンであるHYPEの大規模なエアドロップを実施したことでも話題を呼んでいます。
ただし、現時点でHyperliquidは日本語に対応していないため、使い方に不安を感じる方もいることでしょう。
この記事では、Hyperliquidへの登録や入金、取引手順について、初心者にもわかりやすく解説していきます。また、永久先物取引や税金計算に関する基本的なポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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Hyperliquid(ハイパーリキッド)の使い方①事前準備
HyperliquidはDEX(分散型取引所)であるため、一般的な仮想通貨取引所(中央集権型取引所:CEX)のような口座開設は必要ありません。
その代わりに、DEXに対応したウォレットと、元手となる仮想通貨を自分で用意しておく必要があります。
ウォレットと仮想通貨の用意について、それぞれ見ていきましょう。
ウォレットを用意する
現状、Hyperliquidに対応している仮想通貨ウォレットは以下の通りです。
● MetaMask
● Ronin Wallet
● WalletConnect
● OKX Wallet
● Coinbase Wallet
どのウォレットでもHyperliquidを利用することができますが、この記事では日本語にも対応しているMetaMask(メタマスク)を使用するケースを例にご紹介していきます。
なお、MetaMaskにはPC用(ブラウザ拡張機能)とスマホ用(アプリ)がありますが、HyperliquidをPCとスマホのどちらで利用したいかに合わせて選択すると良いでしょう。
MetaMaskのウォレット作成は5分程度で簡単に行うことができます。
詳しい手順についてはページ下部の関連記事にて画面付きで解説していますので、これからMetaMaskを導入する場合はぜひ参考にしてみてください。
なお、MetaMask以外のウォレットを利用する場合も、Hyperliquidの使い方そのものは基本的に同じです。
仮想通貨を用意する
ウォレットの導入ができたら、取引の元手となる仮想通貨を用意しておきましょう。
通常の国内仮想通貨取引所であれば、日本円を入金しておくことで仮想通貨取引を始めることができますが、Hyperliquidでは日本円などの法定通貨が使えません。
代わりにHyperliquidでは、Arbitrum(アービトラム)ネットワーク上のUSDCを入金しておくことができます。
USDCは米ドルに価格が連動したステーブルコインであり、同様の仮想通貨としてUSDT(テザー)やUSDC.eによる入金にも対応しています。(いずれも入金後はUSDCとして残高に反映されます)
ただし現状、国内仮想通貨取引所ではUSDCやUSDTなどの取り扱いがありません。そのため、これらの仮想通貨を保有していない場合は、海外取引所やDEXを使うなどして用意する必要があるでしょう。
海外取引所やDEXの利用自体に違法性はありませんが、日本の金融当局の認可を受けて運用されている国内取引所とは異なり、トラブルが生じた際に十分な投資家保護を受けられない恐れがあります。
利用する際は出来る限り信用できる取引所を選ぶなど、自己責任で判断を行うようにしましょう。
【仮想通貨用意の一例】
1. 国内仮想通貨取引所でイーサ(ETH)などの仮想通貨を購入する
2. MetaMaskなどのウォレットに仮想通貨を送金する
3. DEX(MetaMaskのブリッジ機能など)でArbitrumのUSDCに交換する
なお、イーサリアムのネットワークを使った送金や異なるネットワークを跨いだ交換(ブリッジ)はガス代が高くなる傾向にあります。
国内仮想通貨取引所がArbitrumに対応している場合は、仮想通貨をArbitrum(アービトラム)ネットワークで出金することで送金コストを節約できるでしょう。
また、ArbitrumのUSDCやUSDTをHyperliquidに入金する際には、少額のガス代が必要となります。ガス代にはArbitrum上のETHが必要となりますので、併せて用意しておくようにしましょう。
当サイトでは、主要な国内仮想通貨取引所の口座開設方法や使い方について、画像付きでわかりやすく解説しています。Arbitrumへの送金に対応しているbitbank、Binance Japanなどの使い方についてもご紹介していますので、確認したい場合はページ下部の関連記事からご覧ください。
Hyperliquid(ハイパーリキッド)の使い方②アカウント作成
Hyperliquidのアカウント作成は非常にシンプルです。
公式サイトにアクセスし、画面右上の「Connect」をクリックします。
ログイン方法の選択肢が表示されます。
ここではMetaMaskを例に、ウォレットで接続するケースを見ていきましょう。
一覧の中からMetaMaskを選択すると、ブラウザ上でMetaMaskが起動し、Hyperliquidへの接続許可を求める画面が表示されます。「接続」をクリックして先へ進みましょう。
続いて、Hyperliquidの規約等が表示されます。内容を確認のうえチェックを入れ、「Accept」をクリックします。
MetaMaskが起動して署名の確認が求められますので、「確認」をクリックしましょう。
HyperliquidにMetamaskが接続されます。
画面の右上に自分のウォレットアドレスが表示されていることを確認しましょう。
以上でHyperliquidのアカウント作成は完了です。
次回以降もMetaMaskを接続しておくことでHyperliquidに自動でログイン可能です。
なお、Hyperliquidではメールアドレスを使ってアカウント作成を行うこともできます。その場合は、次回以降も都度メールアドレスによるログインが必要です。
Hyperliquid(ハイパーリキッド)の使い方③仮想通貨を入金する
Hyperliquidでは、米ドルと連動したステーブルコインであるUSDCを入金しておくことで、現物取引や証拠金取引を行うことができます。
USDCを入金するには、画面右下にあるボタンの中から「Deposit」をクリックしてください。
ウォレットでログインしている場合は、ウォレットへの接続を確認するダイアログが表示されます。
「Establish Connection」をクリックし、続いて表示されるMetaMaskの署名確認の画面で「確認」をクリックしましょう。
入金に使うネットワーク・仮想通貨とその数量を指定する入力欄が表示されます。
2025年1月6日現在、ネットワークはArbitrumのみ、仮想通貨はUSDT・USDC・USDC.eのみが利用できます。
MetaMaskの残高の範囲内で入金したい内容を指定して「Deposit」を選択し、続いて表示されるMetaMaskの送金画面で「確認」をクリックしましょう。
なお、入金の際には少額のETHがガス代として必要です。MetaMaskの同じアカウント上にArbitrumのETH残高が必要になりますので注意しましょう。
Hyperliquid(ハイパーリキッド)の使い方④各種取引のやり方
Hyperliquidでは仮想通貨の現物取引(Spot)や最大50倍のレバレッジをかけた永久先物取引(Perps)のほか、仮想通貨を運用して利回りを得る機能などが提供されています。
それぞれの使い方について見ていきましょう。
現物取引(Spot)・永久先物取引(Perps)
Hyperliquidの現物取引では、ビットコイン(BTC)やイーサ(ETH)などの仮想通貨をUSDC建てで取引することができます。
画面上部のメニューから「Trade」を選択し、取引ペア(下図におけるHYPE/USDCの部分)をクリックすると、銘柄一覧が表示されます。銘柄一覧のうち、ペア名称後部に「SPOT」と表示されているものが現物取引のペアです。現物取引のペアだけで絞り込みたい場合は、検索欄下部の「Spot」をクリックすると良いでしょう。
一方、ペア名称後部に「〇〇x」とレバレッジ倍率が表示されているものが永久先物取引のペアです。こちらは、検索欄下部の「Perps」をクリックすることで絞り込みが可能です。
なお、HyperliquidのUSDC残高には現物取引用のSpot残高と永久先物取引用のPerps残高があり、それぞれ別物として管理されています。取引の際は必要に応じて、画面右下の「Perps Spot Transfer」ボタンから;残高を移動させておきましょう。
仮想通貨の運用
Hyperliquidでは現物取引や永久先物取引以外にも、便利な機能がいくつか用意されています。
中でも、Vaults機能とステーキング機能では、保有している仮想通貨を運用することで利回りを得ることが可能です。Vaults機能は、Hyperliquid上で仮想通貨を預けることで流動性を提供し、利益を得ることができる仕組みです。
一方で「ステーキング」とは、仮想通貨を保有することで報酬を得ることができる仕組みのことです。Hyperliquidでは、プラットフォーム上におけるネイティブトークンである仮想通貨HYPEを使ったステーキング機能が提供されています。
いずれの機能も保有している仮想通貨を活用して利益を狙えるサービスですが、市場の価格変動等によって損失を被るリスクもあります。利用する際には事前に仕組みをよく理解し、慎重に検討するようにしましょう。
Hyperliquid(ハイパーリキッド)に関わる損益計算方法【取得価額5%ルールは適用可能?】
仮想通貨取引で生じた利益は課税対象です。
その利益が一定以上の金額となると所得税がかかるほか、金額にかかわらず住民税や復興特別所得税がかかります。 これは国内で行われた取引のみでなく、Hyperliquidのような海外取引所で取引を行った場合も同様です。
通常の損益計算は以下でご紹介する方法で行います。ただし、Hyperliquidの独自トークンである仮想通貨HYPEについては、国税庁が認める「取得価額5%ルール」を活用し、損益計算をすることで税金を安く抑えられる可能性があります。
通常の損益計算方法
通常、以下の計算式で仮想通貨ごとの損益を計算します。
損益計算の基本式
売却価額(数量 × 売却単価) - 取得価額(数量 × 取得単価) = 損益
この際、取得価額の算出に必要となる取得単価は「総平均法」または「移動平均法」のいずれかの計算方法で求める必要があります。
● 総平均法:1年間の取引全てを集めて平均取得価額を計算する方法
● 移動平均法:取得が発生する都度、平均取得価額を計算し直す方法
いずれの場合も、1年間に行った全ての取引に対してそれぞれの損益計算を行い、その結果を合算することで、ようやく年間損益(課税所得)を把握することができます。
仮想通貨の売買や先物取引のみでなく、ステーキングやVaultsなどで自動的に発生する報酬も含めて、最終的には自分で税金計算を行う手間が発生する点に留意しましょう。
取得価額5%ルールとは
取得価額5%ルールとは、仮想通貨の取得価額が不明な場合や著しく低い(0円など)場合に、取得価額を売却価額の5%相当額として計算しても良いというものです。
例えば保有している仮想通貨を200万円で売却した際、その仮想通貨の取得価格がわからない(または0円)の場合は、取得価額を10万円として残り190万を利益(課税所得)とすることで税金を圧縮することができます。
HYPEトークンに適用できるケース
HYPEトークンは、取引所に上場される前の2024年11月29日に大規模なエアドロップが実施されています。
取引所に上場される前のトークンには市場価値がありませんので、この時点でHYPEトークンを取得した人の取得価額は0円になると考えられます。そのため、エアドロップで得たHYPEトークンを売却する場合は、取得価額5%ルールを適用することで節税効果を得ることができるのです。
一方でエアドロップ以外にHYPEを購入した場合、取得価額は購入価格に基づいて計算されます。また、ステーキング報酬としてHYPEを取得した場合の取得価額は、取得した時点のHYPE価格(時価)が適用されます。
その結果、エアドロップ分も含めたHYPEの取得価額が0円ではなくなり、5%ルールが適さなくなる場合があります。
特に会計方法として「総平均法」を採用している場合は、取引の前後関係に関わらず取得価額が平均化されるため、注意が必要です。
まとめ
この記事ではHyperliquidへの登録や入金、取引手順について、初心者にもわかりやすく解説してきました。
Hyperliquidは海外の取引所ですが、取引を通じて利益を得た場合に課税対象となる点は国内取引所と変わりありません。しかし、大量の取引履歴に対する損益計算を、全て手作業で行うのは非常に手間がかかってしまいます。
そこで便利なのが、仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」です。
クリプタクトであれば、Hyperliquidを含む国内外130カ所以上の取引所からの取引履歴取り込みに対応しているため、案内に沿って簡単な操作を行うだけで面倒な損益計算を自動化することが可能です。
また、「取得価額に5%ルールを適用する」機能をオンにすると、選択された年度以降は「各コインの平均取得単価」と「売却価格の5%」を比較して、高い方が取得価額として損益計算に適用されるため、5%ルールをしっかり活用できます。
もちろん、設定によって「総平均法」と「移動平均法」のどちらも選択可能です。
こうした機能は全て無料のFreeプランで利用することができますので、ぜひこの機会にお試しください。