仮想通貨の海外取引所はおすすめできない?メリットや注意点を解説.webp

仮想通貨取引に慣れてくると、徐々に海外取引所が気になってくる方もいることでしょう。しかし、海外取引所を選ぶ際はセキュリティや企業の安全性などの面で国内取引所と勝手が違うため、利用する際には細心の注意が必要です。

そこでこの本記事では海外取引所での取引開始を迷われている方に向けて、海外取引所のメリットやデメリットを解説しつつ、選ぶ際のポイントや取引を行う際に知っておきたい留意点についてご紹介していきますを紹介します。

なお、日本で登録を受けずに金融商品取引業や暗号資産交換業を行っている業者(無登録業者)は、日本の法令に違反した状態で営業されている状況と言えますです。もし皆さんが取引を行う際は、この点に留意したうえで、自身の判断で取引を行うようにしてください。

目次

  1. 海外取引所を利用するメリット
  2. 海外取引所を使う際の注意点(デメリット)
  3. 海外取引所を選ぶ時のポイント
  4. 主な海外取引所の特徴
  5. 海外取引所の利益も忘れずに確定申告をしましょう    
    海外取引所の利益にも税金はかかる    
    きちんと税金計算しておけば節税もできる    
    専用ツールを活用して効率的に税金計算を

海外取引所を利用するメリット

海外取引所を利用する主なメリットとして以下5つがあります。

①取り扱い銘柄が100種類を超える取引所が多い

一般的に国内取引所に比べて海外取引所は上場審査が厳しくない傾向がある、さまざまなアルトコインが取り扱われています。特に、中央集権的な運営母体が存在しないDEX(分散型取引所)の場合は上場審査そのものが存在しない場合もあるため、極めてハイリスク・ハイリターンな銘柄も取引することができます。    
投資銘柄を選ぶ際には注意が必要ですが、国内取引所と比較して幅広い選択肢が存在することは大きなメリットと言えるでしょう。

②高いレバレッジがかけられる

また、海外取引所はレバレッジ(担保として預けた証拠金の何十倍にも相当する資金を動かす)を用いた短期取引に活用しやすい傾向があります。       
国内取引所でかけられるレバレッジは最大2倍までですが、海外取引所だと次に示すように100倍以上も可能になっています。(2024年4月16日時点)

● Bybit:100倍       
● MEXC:200倍       
● KuCoin:100倍

つまり、レバレッジ100倍であれば、元手が1万円しかない場合でも100万分の取引を行えます。

③追証がないケースもある

レバレッジ取引を行う際は「証拠金維持率(担保となる保証金の維持率)」があり、取引所が設定している証拠金維持率を下回ると強制ロスカット(損失の拡大を防ぐ制度)が行われます。さらに大きな損失が発生し証拠金がマイナスを下回ると追証(追加証拠金)が発生する場合があります。

「追証」とは0からマイナスになった分、追加で証拠金を入金する制度です。国内取引所は追証がありますが、海外取引所には追証がない場合が多いです。これは、一般的に「ゼロカットシステム」と呼ばれる仕組みで、そのため、証拠金以上の損失が発生したとしても追加で証拠金を入金する必要がなく、証拠金が0になる以上の損失がないのです。

とはいえ、リスクの高い取引をする場合には、特に全体の取引においてどのくらい利益がでているのかを把握しながら投資をする必要があります。

仮想通貨の損益計算ツールクリプタクト」を使えば、1分単位で通貨の価格を取得しているため、リアルタイムでその時点での損益を把握できます。また、複数の取引所で取引している内容を統合し、通貨ごとでも確認できるため、分散投資にも役立つ情報が得られます。

④流動性が高い取引所が多い

海外取引所は国内取引所より流動性が高い傾向があります。    
流動性が高いとは、仮想通貨の取引量と頻度が高く取引が活発に行われている状態を指します。つまり流動性が高いとマーケットの参加者も多く、取引が活発に行われているので、注文が約定しやすいのです。       
海外取引所は主にデリバティブ取引の流動性が高く、国内取引所と比較すると以下のように100倍以上の取引量がある場合もあります。

海外取引所と国内取引所、取引高比較

出典:CoinMarketCap(2024年4月16日時点)

⑤本人確認が必要ない場合もある

海外取引所では、口座開設の際に本人確認が必要ない取引所も多く存在します。    
日本や主要先進国では仮想通貨取引に対する法整備が進められており、マネーロンダリング防止などの観点から取引所での本人確認が必須になっています。    
しかしながら、そのような規制が無い国で運営されている海外取引所では、本人確認が必要ない場合もあるのです。    
また、DEX(分散型取引所)の場合はその仕組み上、中央集権的な運営者が存在しないため、そもそも本人確認がない(実施する運営者がいない)という理由もあります。メールアドレスやウォレットアドレスだけで取引が開始できるため、手軽に利用できる点が人気を集めています。

海外取引所を使う際の注意点(デメリット)

海外取引所を使う際の注意点として以下5つがあります。

①取引所の運営元が不明瞭な場合がある

主要先進国で運営されている大手の仮想通貨取引所の場合、運営母体に関する情報がしっかりと公開されていることが一般的です。    
しかし海外取引所の中には運営企業や所在地の詳細を公表していない取引所もあります。    
仮想通貨取引所の運営に関する法制度は各国で異なりますが、中には所在国すら不明なケースもあり、現地の法令に則って運営されているのかさえ不透明なものも少なくありません。    
利用しようとしている海外取引所が本当に信用できるかについては、自分自身でしっかり見極める必要があるでしょう。

②入出金に手間がかかる場合がある

海外取引所を利用する場合、国内取引所と比較して入出金に手間がかかる傾向にあります。2023年からは国内取引所でトラベルルールが適用されているため、利用する取引所によっては時間がかかったり入金が反映されなかったりする可能性があります。    
トラベルルールについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

③ハイリスクな取引になりやすい

海外取引所での仮想通貨取引は、国内取引所での取引と比較して相対的にハイリスクな取引になりやすいと言えます。    
これは、上場銘柄に対して厳格な審査基準が定められている国内取引所と比べて海外取引所の上場基準が緩い傾向にあることや、国内取引所よりも圧倒的に高い水準のレバレッジ倍率をかけられることなどが理由として挙げられます。    
ハイリターンを追求したい人にとっては投資の幅が広がるとも言えますが、その分だけハイリスクを負うことに十分注意する必要があります。

④利用者保護の仕組みが不十分

当然のことながら、日本の金融庁への登録を行っていない海外取引所へは、日本政府による管理・監督が行き届きません。それどころか、無登録のまま日本人に対してサービスを提供している海外取引所は、日本においては法令違反の状態といえます。

そのため海外取引所でトラブルに巻き込まれた場合、十分なサポートや支援を受けられない可能性がある点を理解しておく必要があります。

また、国内取引所は顧客資産の分別管理が事業者に義務付けられているほか、高いセキュリティ要件を満たす必要がありますが、海外取引所はそのような水準を満たしていない場合も少なくありません。

⑤税金計算が複雑

海外取引所で得た利益は課税対象となり、外貨建ての場合は円での損益計算が必要な点にも注意しましょう。

例えば、同じ年度内にビットコイン(BTC)の売買をドル建で以下順番で取引したとします。   

円以外の通貨で取引した場合の仮想通貨の平均取得単価計算事例

  「実現損益=(売却価格ー平均取得単価)×売却数量」で求められるため、この場合は、(138,000-110,625)×1= 27,375円が実現損益となります。

このように別の通貨建ての場合はその時のレートで時価を計算する必要があるため、売買時点での円貨を都度メモしておく必要があります。さらに、上記の事例はシンプルなケースですが、実際は何度も取引を繰り返すのが一般的です。

このような煩わしさを回避するには損益計算ツールを使うのがおすすめです。仮想通貨の損益計算ツール「クリプタクト」なら数十の法廷通貨の取引レートを一分単位で取得し正確な時価で損益計算を自動で行ってくれます。

外貨建ての取引もらくらく自動で損益計算!「クリプタクト」に登録する

海外取引所を選ぶ時のポイント

海外取引所を選ぶ際に確認したいポイントは以下の6つです。

  1. 利用したい取引方法の有無(デリバティブ取引など)
  2. 取り扱い銘柄数の多さ
  3. 手数料の安さ
  4. 流動性の高さ
  5. アプリ対応・日本語対応しているか
  6. セキュリティ対策

海外取引所は国内取引所にはない魅力(取引種類、コイン、流動性の高さなど)がある取引所かという点はもちろんのこと、セキュリティ対策が十分かという点には注意するようにしましょう。 

なぜなら、海外取引所は金融庁に認可されていないので、自身で判断する必要があるからです。仮に海外取引所が破綻すると取引所へ入金していた資金が返金されない可能性があり、実際2022年に破綻した海外取引所FTXは資金が返金されていない方が多くいます。

そのため、取引所の破綻リスクやセキュリティの脆弱性、詐欺目的で設立された取引所ではないかなどを入念に確認しておきましょう。

なお、取引所が個人情報や資産に対して十分に対策を実施しているか確認する一つの方法として以下に対応しているかを確認しましょう。

● マルチシグ対応している    
マルチシグは、仮想通貨の売買や送金をする際に、複数の電子署名を利用する方法です。電子署名を分散させているため、1つの署名が流出しても盗難から防止できます。

● 2段階認証に対応している    
2段階認証はユーザーが行えるセキュリティ対策で、パスワードが流出してもアカウントが不正利用されるのを防止できます。

主な海外取引所特徴

現在日本人の口座開設が可能な主な海外取引所の特徴を以下にまとめました。海外取引所はご自身の目的や重視するポイントの優先度に合わせて選びましょう。

 

取引所名

KuCoin

詳しくはこちら↗

bybit

詳しくはこちら↗

MEXC

詳しくはこちら↗

取扱銘柄数700種類以上300種類以上1500種類以上
入金手数料無料無料無料
現物取引(メイカー※) 0.005%~0.1%0.005%~0.1%0.1%
セキュリティ(一例)

マルシング

2段階認証

コールドウォレット

2段階認証

フィッシングコード

2段階認証

※Makerとは板に表示できる指値注文を出すこと 

なお、クリプタクトであれば上記3つの海外取引所に対しAPI連携できるため、取引履歴をダウンロードする手間もなく簡単に損益計算が可能です。

海外取引所の利益も忘れずに確定申告をしましょう

海外取引所は国内取引所にはない魅力(取引種類、コイン、流動性の高さなど)がありますが、利用する際には注意する点も多いことをご紹介してきました。

最後にもう一点、注意すべき点があります。それは税金についてです。

海外取引所の利益にも税金はかかる

大前提として、海外取引所を利用して得た利益に対しても税金がかかることを忘れてはいけません。    
利用している取引所が国外にあるとしても、日本国内居住者が利用する場合は納税義務が生じるのです。

さらに、仮想通貨の税金は自分で計算して申告する必要があるため、確定申告等を怠ると脱税として追徴課税などの重いペナルティを課せられる場合もあります。

きちんと税金計算しておけば節税もできる

その一方で、きちんと年内に実現損益や含み損益を把握しておけば、利益と含み損を相殺させることで大幅に納税額を減らせる可能性もあります。

仮想通貨の税率は、利益が大きいほど高くなる仕組みになっています。    
仮想通貨投資においては最終的な損益金額がどの程度で着地するのか、計画的に税金計算をしておくことが非常に大切なのです。

専用ツールを活用して効率的に税金計算を

一見面倒に思える税金計算ですが、専用のツールを活用することで手間を大幅に減らすことができます。    
仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」であれば、国内外90カ所以上の仮想通貨取引所からの取引履歴取得に対応しており、画面に沿って簡単な操作をするだけで損益計算が完了します。

また、実現損益や含み損益などの集計情報もリアルタイムに表示されるため、節税も含めた投資計画を検討する際にも強力なツールとなることでしょう。