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楽天ポイントを使ってビットコインの取引体験ができる「ポイントビットコイン by楽天PointClub」。(以降「ポイントビットコイン」 と記載)

運用する楽天ポイントを設定しておくだけで、ビットコインの市場価格に連動してポイントが増減するシンプルなサービスであるため、利用している方も多いことでしょう。

しかし、ポイント増加によって得られた利益には税金がかかることをご存じでしょうか。

この記事では、楽天のポイントビットコインにかかる税金と注意点、そして具体的な税金の計算方法についてご紹介します。

目次

  1. 楽天ポイントのビットコイン運用で得たポイントは使用時に税金がかかる     
    1.1 楽天ポイントを獲得した場合は、基本的に税金がかからない    
    1.2運用により得た分のポイント利用は「一時所得」または「雑所得」   
    1.3楽天Walletにポイントを移行し、仮想通貨に交換したら「雑所得」
  2. 【事例付き】楽天ポイントのビットコイン運用の税金計算方法
  3. まとめ

楽天ポイントのビットコイン運用で得たポイントは使用時に税金がかかる

楽天PointClubの「ポイントビットコイン」はビットコイン価格に連動して楽天ポイントが増減するサービスです。

ビットコイン投資を疑似体験しているだけですので、実際にユーザーがビットコインを購入しているわけではありません。

ビットコイン価格の上昇にあわせて楽天ポイントが増加したとしても、それはあくまでも楽天サービス内におけるポイント残高が増えただけであるため、直接的な経済的利益とは見なされません。

しかし、増加したポイントを使用して実際の商品やサービスを購入した場合は、その時点で経済的利益を得たものと見なされ、課税対象になると考えられます。

楽天ポイントを獲得した場合は、基本的に税金がかからない

私たちの日常生活の中では、さまざまなお店やサービスでのポイント利用が進んでいます。

いまや、楽天ポイントなどの企業ポイントと無縁の生活をしている人はほとんどいないと言ってもよいでしょう。

それほどポイントが身近になっているにも関わらず、企業ポイントの税金についてほとんど意識しないで済んでいるのはなぜでしょうか。

国税庁が公表しているタックスアンサーでは、企業ポイントの税務上の取扱いについて次のように整理されています。

通常の買い物で付与されたポイント非課税
臨時・偶発的に付与されたポイント一時所得として使用時に課税

参考:国税庁|No.1907 個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い

企業ポイントの中でも、通常の買い物で支払った金額に応じて付与されるようなポイントは、実質的に商品の値引き販売と同じと考えられるため、そもそも非課税とされています。

一方で、臨時・偶発的に付与されたポイントは「一時所得」に区分されて、こちらは使用時に課税対象となります。なお、この「臨時・偶発的」は、一般の商取引での値引きの範疇を超えるようなものとなっています。そのため、例えば一定の確率でポイントが100%付与されるといった大規模なキャンペーンが該当すると見られています。

ただし、一時所得に該当したとしても、一時所得には50万円の特別控除があります。その結果、多くの場合は課税されるまでに至らないことが多いのです。

しかし、「一時所得」には競馬や競輪の払戻金や各種報奨金、生命保険の解約返戻金や満期金なども含まれます。

キャンペーンによるポイントの獲得分も含めてこれらの「一時所得」を合算し、50万円を超えた場合は税金が発生することになりますので、注意が必要でしょう。

また雑所得として処理した場合もその他の仮想通貨取引で得た所得と合計し、会社員の方であれば20万円を超えた場合は税金が発生します。税務上同じ分類の所得と合算した金額が重要である点は注意しておきましょう。

運用により得た分のポイント利用は「一時所得」または「雑所得」

ポイントビットコインを通じて増加したポイントは保有しているだけでは所得として認識されませんが、使用したタイミングでは課税対象の利益として扱われる可能性が高いです。

このポイント運用益については、ポイントに係るものとして一時所得として認識するのか、ビットコインの投資に係るものとして雑所得として認識するのかが明確に決まっておりません。

実際には、所轄の税務署や 税理士等に相談の上、慎重に進めていくのことをお勧めします。

なお、「一時所得」の場合、年間最大50万円までの特別控除があるため、「一時所得」の金額が年間で50万円以下であれば税金はかかりません。

従って、ポイントビットコインのポイント増加分を年間50万円を超える分使用した場合に、税金が発生するということになります。

楽天Walletにポイントを移行し、仮想通貨に交換したら「雑所得」

増加した楽天ポイントは楽天ウォレットを通じて実際のビットコインに交換したり、売却したりすることができます。

ビットコイン運用のケースとは異なり、ポイントを市場価値のある仮想通貨に交換したら、そのタイミングで所得を得たと認識されます。

ポイント自体は市場価値のあるトークンではないため、その取得した暗号資産の取得時点の価額(時価)がそのまま利益となります。

【事例付き】楽天ポイントのビットコイン運用の税金計算方法

前項では、運用により増加した分のポイントを使用した際に税金がかかる可能性があることについてご紹介しました。

それでは、実際にどのようなケースでどれほどの金額が課税対象となるのか、具体的なサンプルケースに沿って見ていきましょう。

ケース①

楽天ポイントビットコインに楽天ポイントを5,000ポイント預け入れた。     
預け入れ時点のビットコイン価格は300万円/BTCであったが、その後600万円/BTC     
まで高騰し、運用中ポイントが10,000ポイントに増えた。

このポイント増加分を使って、4,000円分の商品を購入した。

このケースの場合、ビットコイン相場の上昇に伴って運用中ポイントが5,000ポイント増加しています。

増加したポイントを使用した場合は経済的利益を得たものと見なされますので、商品購入代金の4,000円が「一時所得」(または雑所得)に算入されます。なお、商品の購入だけではなく、ご自身の楽天Walletにポイントを移行した時点では所得は発生せず、仮想通貨を購入した場合は雑所得として算入されます。

ケース②

楽天ポイントビットコインに楽天ポイントを5,000ポイント預け入れた。     
預け入れ時点のビットコイン価格は500万円/BTCであったが、その後400万円/BTC     
に下落し、運用中ポイントが4,000ポイントに減ってしまった。

運用中ポイントを全て使い、4,000円分の商品を購入した。

このケースの場合、ビットコイン相場の下落に伴って運用中ポイントが1,000ポイント減少してしまいました。

ポイントビットコインの利用によってポイントは増加していませんので、この場合は課税対象となる「一時所得」または雑所得は生じません。

所得税の計算

ポイントビットコインを通じて得た経済的利益に対しては「所得税」と「住民税」が課税されます。

これらは「一時所得」のほかに「給与所得」や仮想通貨取引の「雑所得」など、総合課税の対象となる各種所得を合算した課税所得額に対して税率が適用されます。

所得税率     
所得税率.png引用:国税庁|No.2260 所得税の税率

所得税は課税所得額が多くなるほど税率が高くなる累進課税の仕組みが導入されていますので、課税所得が195万円以上の場合は控除額も併せて定められています。また所得税とは別に、約10%の住民税も課税されます。

所得税の計算方法は以下の通りです。

所得税の計算方法

所得税額 = 課税所得額 × 税率 - 控除額


実際の所得税額の計算は段階ごとに計算する必要がありますが、手間がかかるため、国税庁が発表している上記の「所得税の速算表」を使用するのがおすすめです。速算表と照らし合わせることで、課税所得金額(1,000円未満の端数金額は切り捨て)に対する所得税額を簡単に求めることができます。

まとめ

この記事では、楽天ポイントビットコインの税金に関する注意点や税金の計算方法についてご紹介しました。

ポイントビットコインによる小額の運用だけであれば税金がかからない範囲におさまることが多いと考えられますが、増加した楽天ポイントは楽天ウォレットを通じて実際のビットコインに交換したり、本格的に仮想通貨投資をはじめ利益を得た場合には確定申告が必要になります。

仮想通貨取引を反復的に行う場合、一つ一つの取引に対して税金計算を行うのは非常に面倒な作業となります。

取引履歴を全て収集のうえ、取引原価や日本円換算の損益などを算出し、仮想通貨の銘柄ごとに集計する必要があるためです。

しかしそのような作業も、仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」を利用することで簡単かつ効率的に済ませることが可能です。

「クリプタクト」には無料で始められるプランも用意されていますので、仮想通貨投資を始める方はこの機会にぜひお試しください。