XDCの特徴や将来性を解説.webp

仮想通貨XDCは、2019年にローンチされた企業や金融機関向けに開発されたハイブリッドブロックチェーン「XDC Network」のネイティブトークンです。

企業・金融機関に最適化された設計や、ハイブリッドブロックチェーンという独自の構造を持つXDC Networkと仮想通貨XDCは、多くの仮想通貨の中でも特徴的な存在として注目を集めています。

この記事では、仮想通貨XDCとXDC Networkの基本概要や特徴、将来性について、ホワイトペーパーや公式情報や市場動向をもとに解説していきます。

目次

  1. 仮想通貨XDC(XDC Network)とは?
  2. 仮想通貨XDCの特徴
  3. 仮想通貨XDCの将来性
  4. 仮想通貨XDCの価格動向
  5. まとめ

仮想通貨XDC(XDC Network)とは?

仮想通貨XDCは、企業や金融機関向けに最適化されたハイブリッドブロックチェーン「XDC Network」のネイティブトークンです。

当初はイーサリアムのトークン(ERC-20)として発行されましたが、2019年にXDC Networkのメインネットがローンチされたことで独自ブロックチェーンへ移行し、現在はそのネイティブトークンとして機能しています。

XDC Network上でのトランザクション処理や、DApps(分散型アプリケーション)などのスマートコントラクト実行時の手数料(ガス代)として消費されるほか、ステーキングや報酬支払いにも使用されています。

また、XDC Networkを活用した国際貿易の決済通貨としても使用されるなど、その高い実用性から企業間取引や金融インフラの分野で注目が高まっています。

仮想通貨XDCの特徴

仮想通貨XDCとXDC Networkとはいったいどのような仮想通貨・ブロックチェーンなのでしょうか。特徴について深掘りしていきましょう。

開発目的

XDC Networkは、国際貿易と金融取引の効率化を目的に開発されました。 
既存の国際送金や貿易金融(Trade Finance)では、アナログ作業による多くの書類手続きが必要であり、処理の遅さが課題となっています。    
そのためブロックチェーン技術を活用することで透明性の向上、コスト削減、取引スピードを改善することが期待されています。

ただし、国際貿易や金融取引に導入するためには、単にブロックチェーンによる利便性の向上だけでなく、取引に関する機密情報の保護も重要となります。 
XDC Networkはパブリックブロックチェーンの透明性と、プライベートブロックチェーンの機密性を両立した「ハイブリッドブロックチェーン」の構造を採用しているほか、国際的な金融基準である「ISO 20022」に準拠することで既存金融システムとのスムーズな連携ができるように設計されています。

アルゴリズム

XDC Networkは、XDPoS(XinFin Delegated Proof of Stake)というコンセンサスアルゴリズムを採用しています。

ブロック生成ができるバリデーターをランダムに選出されたマスターノードに限定しているため効率的にコンセンサスを形成でき、ビットコインのPoW(Proof of Work)や他の多くのブロックチェーンと比べて取引が高速で、エネルギー消費が少ないのが特徴です。ブロック生成間隔が平均2秒程度と極めて短く、1秒あたり2000件以上の処理が可能なため、スケーラビリティ(拡張性)にも優れています。

また、バリデーターの選出がランダム化されていることで、中央集権化を防ぎつつ安全性と分散性を確保している点も特徴と言えるでしょう。

組織体制・その他

XDC Networkは、開発元であるXinFin社と運営を担当する非営利組織XDC Foundationによって支えられています。XinFinは2017年にシンガポールで設立され、XDC Networkの開発を主導して2019年にメインネットをローンチしました。

一方、XDC FoundationはXDC Networkの成長と普及を推進するために設立され、助成金プログラムや技術支援を通じて企業や開発者の支援を行っています。    
米国のソフトウェア企業”R3”社が運営する金融機関ブロックチェーン「Corda」とも連携しており、Corda上の決済通貨として仮想通貨XDCを活用できる体制となっています。

仮想通貨XDCの将来性

それでは、仮想通貨XDCの将来性について考える上で、重要なポイントをそれぞれ見ていきましょう。

国際貿易・金融分野での実用化

XDC Networkは、国際貿易や金融決済に特化したブロックチェーンとして設計されており、企業や金融機関による導入が進められています。特に、国際送金の標準規格であるISO 20022に対応していることから、既存の銀行システムとスムーズに連携できる点が強みとされています。

また、金融機関向けブロックチェーン「Corda(コルダ)」と統合されており、XDCはCordaネットワーク内での決済手段としても活用可能です。今後も国際貿易・金融分野での導入が進むことで、仮想通貨XDCの実用化が加速し、取引量の増加にもつながる可能性があるでしょう。

SBIグループなど大手企業との提携

XDC Networkは、日本のSBIグループをはじめとする各国の大手企業や政府系機関との提携を通じて、普及拡大を進めています。

2023年にはSBIグループ傘下のSBI VCトレードが仮想通貨XDCの取り扱いを開始したほか、同年12月にはSBIホールディングスとアラブ首長国連邦のTradeFinex Tech社がアジアでのXDC普及を目的とした合弁会社「SBI XDC Network APAC株式会社」を設立しています。

また、2024年には7月にドイツテレコムの子会社「ドイツテレコムMMS」社がXDC Networkのマスターノード運用を開始したことに加え、8月にはブラジル政府系企業「SERPRO」との提携も実現しました。

今後、こうした大手企業や政府系機関との提携が進むことでXDC Networkの普及が進み、仮想通貨XDCの市場が拡大していくことも考えられます。

低コスト & 高速処理によるDeFi・NFT市場への展開

XDC Networkはイーサリアムとの高い互換性を持って設計されており、既存のDeFiやNFTプロジェクトを移植しやすいという特徴を備えています。さらに、取引手数料(ガス代)がほぼゼロに近いほど低額であるため、イーサリアムの高額なガス代問題を回避しながら、スムーズな取引が可能となります。

このような強みを持つXDC Networkですが、主に国際貿易や金融決済の分野をターゲットとして開発された経緯から、個人利用の分野では他の主要ブロックチェーンほど成熟しているとは言い難いのが現状です。

今後、XDC Networkの互換性・高速性・低コスト性が評価されてDeFi・NFT市場での活用が広がれば、大きな市場拡大につながる可能性もあるでしょう。

仮想通貨規制と市場動向による影響

仮想通貨XDCの将来性は、今後の仮想通貨規制や市場環境に大きく影響を受ける可能性があります。    
各国で仮想通貨の規制や法整備が進むことで、既存の大企業などの機関投資家が参入しやすくなる一方、規制の内容によっては仮想通貨市場全体が冷え込むことも考えられます。

また、XDC Networkは企業向けのブロックチェーンとして高い独自性を持っているものの、仮想通貨XDCは仮想通貨市場全体の価格変動の影響を受ける側面も無視はできません。    
仮想通貨XDCの価格を考える上で、仮想通貨規制の方向性と仮想通貨市場全体の動向を慎重に見極める必要があるでしょう。

仮想通貨XDCの価格動向

それでは、仮想通貨XDCの価格動向について確認してみましょう。

チャートによると、2025年3月12日現在の価格は1XDCあたり約10.1円となっています。

XDC価格チャート(Coinmarket cap)

参考:CoinMarketCapより

仮想通貨XDCは2017年にイーサリアムトークンとしてローンチされましたが、当初は主要な取引所に上場されておらず大きな価格上昇は見られませんでした。

2019年にXDC Networkのメインネットがローンチされると、仮想通貨XDCもXDC Network上に移行されます。

その後、2021年にKuCoinなどの大手取引所に相次いで上場されたことで注目度が高まり、同年8月には20円近くまで上昇してピークを記録しています。

しかし、市場全体が調整局面に入ったことでXDCの価格も下落し、5円前後でのレンジ相場が続きました。2023年中旬にはSBI VCトレードに上場したことで、日本市場での取引機会が拡大しています。

直近では2024年11月から1月中旬にかけて約4円から約20円まで価格が上昇していますが、これはアメリカ大統領選挙後の市場の期待感と、仮想通貨市場全体の回復が重なった可能性があります。

また、ドイツテレコムの子会社やブラジル政府系企業との提携が発表されたことにより、XDC Networkの信頼性や知名度が向上したことも価格上昇の一因と考えられます。

現在、仮想通貨市場全体の調整を背景に、XDCの価格は10.1円付近で推移しています。今後も新たな取引所上場や企業との提携、仮想通貨市場全体の動向が注目されることでしょう。

まとめ

この記事では仮想通貨XDCとXDC Networkの特徴と将来性について解説してきました。

仮想通貨XDCは企業や金融機関などの国際決済の用途が多い仮想通貨ですが、個人トレーダーでも自由に売買することができます。

トレードやステーキングによる利益を追求することも可能ですが、そうした仮想通貨取引を通じて得た利益は所得として課税対象となる点に注意が必要です。

株式投資や投資信託では「特定口座(源泉徴収あり)」を選択することで証券会社が自動的に税金を計算・納税してくれる仕組みがありますが、仮想通貨にはそのような仕組みがありません。そのため、自分で損益を計算し、確定申告を行う必要が生じるのです。

こうした損益計算は一定の知識が求められるほか、1年間に行った全ての取引の取引情報を漏らさず収集して大量の計算を行う必要があるため、個人が手作業で行うのは負担が大きいものです。

そのため、仮想通貨の損益計算には多くの人が専用の会計ツールを活用しています。

仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」であればシステムが仮想通貨XDCを含む24,000銘柄以上の時価情報を保有しているため、取引履歴データを取り込むだけで自動的に損益計算が行われます。

さらに、国内外130種類以上の取引所やウォレットサービスからの取引履歴データ取り込みにも対応しているため、大量の取引があってもいちいち手入力する手間がかかりません。

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