ジパングコイン(ZPG)は金価格と連動するように設計されたステーブルコインで、日本の三井物産デジタルコモディティーズによって発行されている仮想通貨です。
金価格に連動する仮想通貨として、また日本の大企業が運営する仮想通貨としてどのような特徴をもった銘柄なのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ジパングコイン(ZPG)のホワイトペーパーを含む公式情報や、直近の市場動向などを参照しながら、基本的な概要や特徴、将来の可能性などについてわかりやすく解説していきます。
ジパングコイン(ZPG)とは?
ジパングコイン(ZPG)は2022年2月にローンチされた、日本企業によるコモディティ型ステーブルコインです。
1ZPG=1g の水準で金(ゴールド)価格と連動するように設計されているため、資産運用やリスクヘッジとして金の安定性を活かしながら、ブロックチェーン技術による利便性の高さと小口化が実現されています。
つまり、投資家はジパングコイン(ZPG)を保有することで金(ゴールド)を保有するのと同等の資産効果・投資効果を得ることができるうえ、他の仮想通貨と同じように安い取引手数料で24時間365日、売買することが可能になるのです。
記事執筆時点(2024年11月25日)において、ジパングコインはbitFlyer、SBI VCトレード、DMM Bitcoin、CoinTradeなどの国内仮想通貨取引所で取り扱われています。
ジパングコイン(ZPG)の価格動向
それでは、ジパングコイン(ZPG)の現在の価格動向について確認してみましょう。
チャートによると、2024年11月25日現在の価格は1ZPGあたり日本円にして約13,204円となっており、 ました。 年初には1万円を下回っていましたが、直近は13,000円程度で推移しています。
これは金(ゴールド)現物の価格推移と連動した水準の動きとなっています。
参考:bitFlyer|ジパングコイン(Zipangcoin)/日本円のチャート
ジパングコイン(ZPG)がローンチされたのは2022年2月ですが、金(ゴールド)の現物取引はそれよりもはるか昔から行われており、金の価格は長い上昇トレンドを形成しています。
金(ゴールド)価格は、2000年には1gあたり1,000円程度でしたが、短期的な起伏はありながらも上昇を続け、現在の水準に至っています。
一般的に、地政学的リスクの上昇や利上げ、経済後退などの際に金(ゴールド)価格は上昇する傾向にあります。
逆に景気回復や利下げの局面では金(ゴールド)価格は下落しやすいと言われています。
直近では2012年から2015年頃にかけて米国の景気回復などを背景に金価格が大幅に下落した時期がありましたが、それ以降はコロナ禍、ロシアによるウクライナ侵攻、世界的なインフレ拡大などを受けて再び上昇が続いています。
ジパングコイン(ZPG)の価格推移を考える際は、こうした金(ゴールド)価格の動向に連動して価格が変動しているのです。変動要因に注目する必要があるでしょう。
ジパングコイン(ZPG)の特徴
ジパングコイン(ZPG)とはいったいどのような仮想通貨なのでしょうか。
発行体の三井物産デジタルコモディティーズ株式会社では、ジパングコイン(ZPG)について日本語のホワイトペーパーを公開しています。
ここではホワイトペーパーの情報をもとに、ジパングコイン(ZPG)の特徴について見ていきましょう。
開発目的
ジパングコイン(ZPG)のホワイトペーパーでは、その開発目的について次のように述べられています。
本トークンは、金現物価格と概ね連動するように発行価格が設定されており、その価格形成及び価値保全の仕組みから、金現物と同等の資産特性及び投資特性を有することに加え、既存の金関連商品にない小口決済としての機能を有します。
かかるトークンの特性及び機能を踏まえ、本トークンの発行及び販売によって、信頼性・利便性の高い資産運用・インフレヘッジ手段を提供すると共に、決済手段としての利用促進を図ることを目的としております。
もともと金(ゴールド)への現物投資は、インフレに強く、経済が不安定な時でも価格が落ちにくいなど、資産運用の安全性を高める手段として人気がありました。しかし、その一方で取引手数料や保管・管理コストがかかるほか、現金化に時間がかかる場合があるなど、利便性に欠ける面も少なくありませんでした。
ジパングコイン(ZPG)は、金投資のメリットをそのままに、ブロックチェーン技術を活用して保管や管理を効率化し、取引のスピードを向上させることで利便性の向上を目指したものととらえることもできます。
さらに、将来的には決済手段としての利用を促進することも目指して開発されています。
アルゴリズム
ジパングコイン(ZPG)の技術的な側面についても見てみましょう。
ジパングコイン(ZPG)では、株式会社bitFlyer Blockchainが開発した「miyabi」と呼ばれるブロックチェーンが採用されています。
「miyabi」はビットコインやイーサリアムのような公開チェーンではなく、限定されたノードによって運用されるプライベートチェーンです。
外部からの取引の閲覧ができないため取引の秘匿性やセキュリティ性が高い一方で、ブロックチェーンの信用を運営者に依存する中央集権的なブロックチェーンでもあります。
そのため、ジパングコイン(ZPG)の安全性について評価するためには、運営者の体制や信用度を確認することが大切です。
組織体制・その他
ジパングコイン(ZPG)は、三井物産の100%子会社である三井物産デジタルコモディティーズ株式会社が発行しています。
発行されたジパングコイン(ZPG)は、マーケットメイカーである株式会社デジタルアセットマーケッツを介して市場に流通します。その価格は、ロンドン市場の金(ゴールド)価格に連動するよう、適切に調整されています。
ジパングコイン(ZPG)の発行時には、発行量と同等の金(ゴールド)現物が信託に寄託され、価格が金価格から乖離しないよう担保として機能しています。
また、ジパングコイン(ZPG)には銀行保証が付与されており、万が一発行元である三井物産デジタルコモディティーズが破綻した場合でも、保有者はデジタルアセットマーケッツを通じてZPGの時価相当額を受け取れるという仕組みです。
もちろんジパングコイン(ZPG)のリスクがゼロというわけではありません。他の仮想通貨と同様に価格変動リスクや技術的なトラブルによるリスクなどは存在します。
しかしジパングコイン(ZPG)は、仮想通貨が一般的に目指す「技術や仕組みで信用を代替する」というトラストレスなコンセプトとは少し異なります。
銀行保証や金の信託といった既存金融的な「信用」に重きを置き、大手日本企業が提供する「信頼性・利便性の高い資産運用・インフレヘッジ手段」を目指している点が特徴と言えるでしょう。
このようなアプローチは、仮想通貨市場の中でも特に安定性と信頼性を重視するユーザーに適した選択肢として注目されています。
ジパングコイン(ZPG)の将来性
それでは、ジパングコイン(ZPG)の将来性を考える上で重要なポイントを見ていきましょう。
金価格と連動する安定性
ジパングコイン(ZPG)は金(ゴールド)価格と連動するコモディティ型ステーブルコインであり、今後も基本的には金(ゴールド)と同じ価格推移をたどると考えられています。
金(ゴールド)はインフレに強く、地政学的リスクへのヘッジ手段として広く利用されてきました。また、装飾品や工業製品への実需も多いことから、その価値は長年にわたって上昇傾向が続いています。
ジパングコイン(ZPG)は、こうした金(ゴールド)投資のメリットを保持しつつ、デジタル資産としての利便性を付加することで、新たな選択肢として普及していく可能性があります。
決済手段としての可能性
ジパングコイン(ZPG)は、「信頼性・利便性の高い資産運用とインフレヘッジ」を目的とすると同時に、「決済手段としての活用」も視野に入れて開発されました。しかし、現時点では決済機能は公開されておらず、各取引所においても送金機能は提供されていません。
ホワイトペーパーによると、Phase1からPhase2へ段階的にサービスを拡充する計画が示されており、Phase2では「送金または決済手段として利用可能なサービス」が予定されています。
これが実現すれば、インフレリスクに強い決済資金としての利用が広がり、利便性が大きく向上する可能性があるでしょう。
多様な取引対象への拡大
ジパングコイン(ZPG)は、今後、日本円以外の取引や交換対象の拡充も計画されています。
例えば、金(ゴールド)現物への直接交換や、他の仮想通貨との交換などが想定されているのです。
このように直接取引できる対象が増えれば、流動性が高まり、ユーザーがさまざまな用途でジパングコインを活用できるようになるでしょう。
まとめ
当サイトでは、今後も各種銘柄についてや仮想通貨全般に関する解説記事を紹介していきますので、最新記事の更新情報を知りたい方はぜひX(旧Twitter)のアカウントをフォローしてみてください。
なお、仮想通貨取引を通じて一定以上の利益を得た場合は、その損益を正確に計算したうえで確定申告や納税を行う必要があります。
売買取引で得た利益はもちろん、レンディングサービスに貸し出して得た報酬なども課税対象となります。
ジパングコイン(ZPG)は金(ゴールド)価格に連動していますが、あくまでも仮想通貨であり、他の仮想通貨などと同様に損益計算をして税額を算出する必要があります。
こうした損益の計算には一定の知識が求められるほか、1年間に行った全ての取引に対して計算を行う必要があるため、手作業で行うのは非常に負担が大きいものです。
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