bybitのデュアル資産投資を徹底解説.webp

海外仮想通貨取引所のBybitでは、通常の現物取引に加えてさまざまな取引サービスや資産運用サービスが提供されています。中でも「デュアル資産投資」は特定条件下で極めて高いAPR(年間利回り)を得られることから、関心を持っている方も多いことでしょう。

この記事では、Bybitのデュアル資産投資についてメリット・デメリットや取引方法をご紹介したうえで、投資した場合の損益シミュレーションや税務上の取り扱いについて解説していきます。

目次

  1. Bybitのデュアル資産投資とは?
  2. Bybitのデュアル資産投資のメリット・デメリット
  3. Bybitのデュアル資産投資の取引のやり方
  4. Bybitのデュアル資産投資の損益シミュレーション
  5. まとめ

※本記事はBybitのデュアル資産投資を推奨する記事ではございません。

Bybitのデュアル資産投資とは?

Bybitのデュアル資産投資とは、一定期間内における仮想通貨の価格変動を予測しつつ仮想通貨を預け入れることで、高い利回りを得ることができる投資商品のことです。

BTCとUSDT、ETHとUSDTなどのように仮想通貨とステーブルコインのペアが用意されており、投資家は希望するペアと期間(1日から5日程度)を選択して、仮想通貨を預け入れることができます。

期間が完了すると、あらかじめ提示されていたAPR(Annual Percentage Rate:年間利回り)に応じた利回り収入を得ることができるのです。

ただしデュアル資産投資を申し込む際には、今後の価格変動を予測して「押し目買い(USDTで運用)」と「戻り売り(仮想通貨で運用)」いずれかのパターンを選択し、「ターゲット価格」を指定する必要があります。

そして期間完了時(決済時)には、市場価格がターゲット価格と比較して高いか低いかに応じて、受け取る仮想通貨の銘柄が変わるという仕組みです。

価格下落後に上昇すると予想する場合(押し目買い)

BTC価格が下落後に上昇に転じると予想しているケースで考えてみましょう。 
例えば、現在のBTC価格が20,000ドルで、1日後に18,000ドルでBTCを押し目買いしたいと考える投資家であれば、ターゲット価格18,000ドルの「押し目買い(USDTで運用)」を選択し、保有するUSDTを預け入れます。

価格下落後に上昇すると予想する場合(押し目買い)

決済日時が到達した時点でBTC価格が18,000ドルを下回っていた場合は、預け入れたUSDTとAPRに応じたステーキング報酬の合計額を原資として、ターゲット価格(18,000ドル)でBTCの購入取引が行われます。

一方でBTC価格が18,000ドルを上回っていた場合は、購入取引は行われずに、預け入れたUSDTとAPRに応じたステーキング報酬の合計額が戻ってきます。

価格上昇後に下落すると予想する場合(戻り売り)

逆に現在よりも価格が上昇した後に下落に転じると考えている場合はどうでしょうか。

現在のBTC価格が20,000ドルで、1日後に22,000ドルでBTCを戻し売りしたいと考える投資家であれば、ターゲット価格20,000ドルの「戻り売り(仮想通貨で運用)」を選択し、保有する仮想通貨(BTCなど)を預け入れることで取引を行うこともできます。    

価格上昇後に下落すると予想する場合(戻り売り)

この場合、決済日時到達時にBTC価格が22,000ドルを上回っていれば、預け入れたBTCとAPRに応じたステーキング報酬の合計額を原資として、ターゲット価格(22,000ドル)でBTCの売却取引が行われます。

一方でBTC価格が22,000ドルを下回っていた場合は、預け入れたBTCとAPRに応じたステーキング報酬の合計額が戻ってくるのです。

デュアル資産投資の取引パターンと受け取り通貨の関係

前述のように、価格変動を予測しながら仮想通貨を預け入れ、市場価格の結果に応じて受け取る通貨が変わるのがデュアル資産投資の大きな特徴です。

デュアル資産投資の取引パターンと受け取り通貨の関係性は次の表の通りです。

取引パターン 預け入れ通貨基準価格≦ターゲット価格基準価格>ターゲット価格
押し目買いUSDTBTCで受け取りUSDTで受け取り
戻り売り BTCBTCで受け取りUSDTで受け取り

(BTC/USDTペアの場合)

なお、市場価格の結果に応じて受け取り通貨は変わるものの、あらかじめ提示されたAPR(年間利回り)に基づくステーキング報酬は結果によらず受け取ることができます。

Bybitのデュアル資産投資のAPRはペアや期間などに応じて違いはあるものの、年率400%以上のものもあるため、短期間で高いステーキング利益を獲得することができる投資商品となっているのです。    

Bybitのデュアル資産投資のメリット・デメリット

Bybitのデュアル資産投資にはメリットと同時にデメリットも存在するため、それぞれについてしっかりと把握しておくことが重要です。

デュアル資産投資の主なメリットとしては次のような点が挙げられます。

● 非常に高いAPR(年間利回り)報酬を受け取ることができる 
● 希望するターゲット価格に達した場合のみ仮想通貨の売買ができる 
● ロック期間が比較的短期間(1日~5日)で利用できる

一方で、デュアル資産投資には次のようなデメリットもあります。

● 市場の結果に応じて受け取る通貨が変わる 
● 一度預けると決済日までロックされ、キャンセルはできない 
● 資産価値ベースで損失が生じる場合がある

Bybitのデュアル資産投資ではあらかじめ提示されたAPRに基づくステーキング報酬が保証されているため、市場価格の結果に関わらず高い水準の利回りを得ることができます。

また、市場価格があらかじめ予想したターゲット水準に達した場合にのみ売買取引が行われるため、メリットばかりのように感じる方もいるかもしれません。

ただし、Bybitのデュアル資産投資にも資産価値ベースで元本割れのリスクがあることはしっかりと押さえておかなければなりません。

例えば次のようなケースで損失が発生する可能性があります。

● 「押し目買い(USDTで運用)」で想定したターゲット価格よりも大幅に市場価格が下落した場合。
● 「戻し売り(仮想通貨で運用)」で想定したターゲット価格よりも大幅に市場価格が上昇した場合。

なぜならば、ターゲット価格に達した場合の仮想通貨の購入取引は、その時点の市場価格ではなく、指定したターゲット価格で行われるためです。

そのため市場価格の変動次第では、割高な価格で仮想通貨を購入(もしくは割安な価格で仮想通貨を売却)する可能性があるのです。

期間が長くなればなるほど、市場価格が大きく変動してターゲット水準から乖離する可能性が高まります。一方で、APRは期間が長いほど高く設定される傾向にあります。

リスクとリターンのバランスを見極めながら、慎重に投資を行うことが大切です。

Bybitのデュアル資産投資の取引のやり方

それでは、Bybitでデュアル資産投資を行う手順について見ていきましょう。

PCブラウザでBybitへログインした状態で、画面右上の「資産」メニューから「資産運用」を選択してください。

Bybitのデュアル資産投資の取引のやり方1

続いて表示される画面で、右上に表示されている「賢く資産運用」ボタンをクリックします。Bybitの資産運用商品の一覧が表示されますので、画面右側にある「商品ラインアップ」の中から「デュアル資産投資」をクリックしましょう。

Bybitのデュアル資産投資の取引のやり方2

デュアル資産投資の画面が表示されます。

デュアル資産投資の各種プランは「押し目買い(USDTで運用)」と「戻り売り(通貨で運用)」ごとに分かれて表示されますので、適宜タブを切り替えながら購入したいプランを探しましょう。

Bybitのデュアル資産投資の取引のやり方3

購入したいプランが決まった際は、プラン右側の「購入する」ボタンをクリックします。

Bybitのデュアル資産投資の取引のやり方4

プランの詳細が表示されるため、内容をしっかり確認します。

問題がなければ「投資額」欄に購入したい数量を入力し、「購入する」ボタンをクリックすることで投資を行うことができます。

なお、当然のことながらBybitのデュアル資産投資を行うためには、Bybitで口座開設を済ませておく必要があります。また、口座内に十分な残高があることも必要です。

Bybitにおける入金や取引などのやり方についてはページ下部の関連記事でも詳しく解説しています。

Bybitのデュアル資産投資の損益シミュレーション

それでは、Bybitのデュアル資産投資を行った場合の損益について、サンプルケースに沿ってシミュレーションしてみましょう。

※以降の損益計算の内容については、村上裕一公認会計士事務所の村上先生に監修いただいています。

ただし、現時点でデュアル資産投資に関する税務上の取り扱いについて、税務当局から明示的な指針は示されていません。ここでは仮想通貨に関する既存の税務原則等を踏まえた考え方についてご紹介しますが、実際に申告する際は税理士や税務署等に相談することをお勧めします。

サンプルケース 

山田さんは、押し目買い(USDTで運用)で以下のプランを購入した。

通貨ペア:BTC/USDT 
預け入れ額:1,000USDT 
ターゲット価格:15,000ドル 
APR(年間利回り):150% 
期間:1日


上記のケースでデュアル投資を行った場合、決済日(1日後)の市場価格に応じて次のいずれかの損益が発生します。

ターゲット価格に達しなかった場合の損益

サンプルケース 

決済日のBTC価格はターゲット価格を上回る15,500ドルであった。

受取額:1,004.10959USDT 
計算式: 
預入額1,000USDT +( 1,000USDT × APR150% × 1日 ÷ 365日)

決済日の市場価格がターゲット価格に達しなかった場合、BTCの購入取引は行われず、預け入れた1,000USDTに利回り収入4.10595USDTを加えた、1,004.10959USDTを受け取ることになります。

なお、税務上は4.10595USDTの利益を得たものとして見なされると考えられます。 
仮に決済日のUSDT価格が1USDT=150円であった場合は、616円の利益となることでしょう。

ターゲット価格に達した場合の損益    

決済日のBTC価格はターゲット価格を下回る14,500ドルであった。

受取額:0.06694064BTC 
計算式: 
 {預入額1,000USDT +( 1,000USDT × APR150% × 1日 ÷ 365日)} ÷ ターゲット価格15,000ドル

市場価格がターゲット価格に達した場合、預け入れたUSDTに利回り収入を加えた金額を使ってBTCの購入取引が行われ、0.06694064BTCを受けることになります。

この取引に用いられるレートは決済時点の市場価格ではなく、あらかじめ選択していたターゲット価格である点に注意が必要です。

なお、税務上は1,000USDTと0.06694064BTCで仮想通貨同士の交換取引が行われたものとして損益が発生するものと考えられます。

すなわち、もともとのUSDTの取得価格と譲渡価格との差額に基づいて、USDTの損益を計算する必要が生じます。

USDTの譲渡価格は、0.06694064BTCの決済日時点における日本円換算額です。ここでは仮に14万円としましょう。

USDTの取得価格が1USDT=120円であった場合、損益は以下の計算の通りです。

譲渡価格14万円 - (1,000USDT × 120円) = 20,000円

となり、USDTの取引で2万円の利益が発生することになります。

まとめ

Bybitのデュアル資産投資は短期間のロックで高い利回りを期待できる投資商品ですが、相応のリスクが存在するとともに、税務上の計算が複雑であることをご紹介してきました。

複数の仮想通貨銘柄が関連する取引であるため、それぞれの日本円換算額を正確に取得しながら損益計算を行うのは非常に困難な作業となります。

だからといって、損益計算ついて十分に備えないままデュアル資産投資を何回も行ってしまうと、あまりにも複雑になりすぎて確定申告の時期になってから税金計算が追い付かないという事態にもなりかねません。

たとえ海外取引所の取引であっても、必要な申告を怠った場合は税務調査で判明して追徴課税を受けることとなりますので、あらかじめ損益計算についてしっかりと備えておくことが大切です。

仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」であれば、画面上の案内に沿って簡単な操作を行うだけで、仮想通貨取引の損益計算を日本円で実施することが可能です。

Bybitを含む国内外90カ所以上の仮想通貨取引所からの取引履歴データの取得に対応しており、取引データの入力が機械的に行えるためです。

また、22,000銘柄以上の仮想通貨や法定通貨の時価情報も1分単位で保有しているため、面倒な日本円換算も自動で行われます。

「クリプタクト」には基本機能を無料で利用できるプランも用意されていますので、Bybitのデュアル資産投資などの複雑な仮想通貨取引を行う方は、ぜひこの機会に「クリプタクト」をお試しください。