
仮想通貨の取引が増えてくると、面倒に感じるのが「取引履歴の管理」です。過去の売買記録を一つずつ手入力している場合は、確定申告が近づくにつれ気が重たくなってしまう人も多いことでしょう。
そんなときは、API連携を活用して仮想通貨取引所での取引履歴を自動で資産管理ツールに取得することで、管理の手間を大幅に減らせます。
この記事では、仮想通貨の損益計算ツールで利用できる取引所のAPI連携機能について、まず簡単に紹介します。その後、いくつかの取引所を例に挙げながら、初心者の方にもわかりやすいよう、連携方法をステップごとに解説していきます。
仮想通貨取引所のAPI連携とは?
APIとは「Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」の略で、一般的に異なるソフトウェアサービス同士をつなぐ仕組みのことを指します。
通常、情報を提供する側のサービス(ここでは仮想通貨の取引所など)がユーザーごとに専用の「APIキー」や「秘密鍵」と呼ばれるコードを発行し、それを外部ツールに登録することで、両サービスが自動的にデータ連携できるようになります。
例えば、仮想通貨の損益計算ツール「クリプタクト」ではAPI連携で接続することで大量の取引所での取引履歴を自動取得できます。
これにより手入力の手間を省き、損益計算が効率化されるだけでなく、入力ミスや見落としも防げるため、より正確な損益計算が可能になります。
このように、API連携は仮想通貨の取引履歴管理を効率化する有用な手段です。
次項では、国内仮想通貨損益計算ツールの中で最もAPI連携可能先が多い「クリプタクト」(記事執筆時点)とAPI連携できる取引所について、その代表例と具体的な連携方法をご紹介していきます。
仮想通貨取引所との連携方法(APIキーの発行から連携まで)
仮想通貨取引所とツールのAPI連携のおおまかな流れは以下の通りです。

上記では仮想通貨の損益計算ツール「クリプタクト」での事例となっていますが、同様の機能を持つツールにおいてはおおむね同じ流れになります。(詳細についてはご使用になられるツールの説明をご確認ください。)
以下、クリプタクトでAPI連携が可能ないくつかの取引所を例に「クリプタクト」でのAPI連携方法を画像付きでご紹介します。
bitbank(ビットバンク)とのAPI連携方法
bitbankは日本の大手仮想通貨取引所のひとつで、取引量やセキュリティ面での信頼性に定評があります。
API連携にも対応しており、取引履歴の自動取得を行うための設定も比較的シンプルです。
bitbankと「クリプタクト」を連携する手順を見てみましょう。
STEP1 bitbankでAPIキーを発行する
APIキーを発行するには、bitbankへログイン後に「アカウント」メニューから「API」を選択し 「APIの発行」ボタンをクリックします。
発行画面が表示されますので、任意のラベル(名称)を指定し、「参照」の権限をつけて「確認する」ボタンをクリックしましょう。
「発行済APIキー」の一覧に、入力したラベル名が追加されます。
選択して開くことで、発行された「APIキー」と「シークレット」(秘密鍵)を確認できます。
bitbank(ビットバンク)のAPIキー取得方法(画像付き詳細解説)はこちら
STEP2 「クリプタクト」にAPIキーを入力する
続いて、「クリプタクト」に取引所のAPIキーを入力します。
「クリプタクト」にログインした状態で、画面右上の「+」ボタンをクリックし、「API連携」を選択します。
「クリプタクト」とAPI連携が可能な取引所の一覧が表示されますので、その中からbitbankを選択しましょう。
続いて表示される画面で「bitbankのAPIキーを追加する」ボタンをクリックすると、APIキーの入力画面が表示されます。
先ほどbitbankで発行した「APIキー」と「シークレットキー」をそれぞれ入力し、「送信する」をクリックしてください。
STEP3 「クリプタクト」と取引所の同期を確認する
「APIキー」の入力を終えると、API接続の画面が表示されますので、初回の同期が完了していることを確認しましょう。
なお、手動で同期したい場合は、左下の「同期する」ボタンを押すことで取引履歴を再同期することも可能です。
同期が完了するとAPIを通じて取引所の取引履歴が読み込まれ、「クリプタクト」に取引一覧に自動反映されます。
Binance Japan(バイナンスジャパン)とのAPI連携方法
Binance Japanは、世界最大級の取引所Binanceの日本法人で、グローバル基準の機能と日本の法規制への対応を両立しているのが特徴です。
API連携を活用することで、複雑な取引履歴も効率よく取り込むことが可能です。
Binance Japanと「クリプタクト」を連携する手順は次のとおりです。
STEP1 Binance JapanでAPIキーを発行する
APIキーを発行するには、Binance Japanへログイン後に「アカウント」画面を開き、メニューの中から「API管理」、「API作成」の順に選択します。
APIキーの種類を選択するダイアログが表示されたら、「システム生成」を選択して「次へ」をクリックしてください。
画面の案内に従って任意のラベル(名称)を設定のうえセキュリティ認証を済ませると、「API Key」と「Secret Key」(秘密鍵)が発行されます。
なお、Binance JapanではAPIの利用を許可するIPアドレスを指定することも可能です。
APIキー発行後の編集画面で、「APIの制限」欄の「読み込みを有効にする」にチェックを入れておきましょう。
Binance JAPAN(バイナンスジャパン)のAPI取得方法(画像付き詳細解説)はこちら
STEP2 「クリプタクト」にAPIキーを入力する
続いて、「クリプタクト」に取引所のAPIキーを入力します。
APIキーの入力方法はbitbankでご紹介した手順と同様ですが、Binance Japanは取引種類が豊富なため、「APIキー」入力時に表示される「API接続先」の候補が多くなっています。
既にファイルでアップロードされている取引がある場合は、チェックボックスの初期状態がオフとなっています。
自分にとって必要な取引を確認しながら選択するようにしましょう。

STEP3 「クリプタクト」と取引所を同期する
「APIキー」の入力を終えると、API接続の画面が表示されます。
初回の同期が完了していることを確認して、API連携の設定は完了です。
Bitget(ビットゲット)とのAPI連携方法
Bitget(ビットゲット)は自動トレードや仮想通貨の運用など独自性の高いサービスを多数展開していることで知られる海外取引所です。
ただし、現時点で日本の金融庁への暗号資産交換業登録が行われていないため、日本国内での営業は未認可の状態となっています。
未登録の取引所を利用すること自体に違法性はありませんが、日本の投資家保護などの法制度が適用外となるため、利用には十分な注意と自己責任が求められます。
Bitgetと「クリプタクト」を連携したい場合の手順は次のとおりです。
STEP1 BitgetでAPIキーを発行する
APIキーを発行するには、Bitgetへログイン後に画面右上のアカウントマークをクリックし、「APIキー」を選択してください。
表示された内容をよく確認のうえ「APIキーの作成」ボタンをクリックし、続いて表示されるダイアログで「システム生成APIキー」を選択します。
「新しいAPIキーを作成する」画面が表示されたら、メモ(ラベル・名称など)とパスフレーズを入力し、許可設定で「読み取り専用」にチェック、ビジネスタイプで「アクセス名」以下すべての項目にチェックを入力しましょう。
Bitgetでは自動生成されるAPIキーと秘密鍵に加え、自身で設定するパスフレーズも併用する方式になっています。設定したパスフレーズはAPI連携の際に使用するため、メモをとるなどして保管しておきましょう。

なお、BitgetもAPIの利用を許可するIPアドレスを指定することが可能です。設定は任意ですが、APIキーの不正利用を防止するため、指定しておくことをおすすめします。
(クリプタクトのIPアドレスは詳細解説ページをご参照ください。)
全ての項目の入力を終えたら、「次へ」をクリックします。
二段階認証の実施後に、発行されたAPIキーと秘密鍵が表示されます。
Bitget(ビットゲット)のAPIキー取得方法(画像付き詳細解説)はこちら
STEP2 「クリプタクト」にAPIキーを入力する
続いて、「クリプタクト」に取引所のAPIキーを入力します。
APIキーの入力方法はbitbankでご紹介した手順とほぼ同様ですが、前述したように「APIキー」と「シークレットキー」に加えて「パスフレーズ」の入力が必要な点に注意しましょう。
STEP3 「クリプタクト」と取引所を同期する
「APIキー」の入力を終えると、API接続の画面が表示されます。
初回の同期が完了していることを確認して、API連携の設定は完了です。
クリプタクトをご利用の場合、ご自身が口座を持っている取引所が対応しているかについて以下のページからご確認いただけます。
取引所がAPI連携に未対応の場合
仮想通貨取引所によっては、API連携に対応していない場合もあります。
また対応していても、連携の設定が面倒だと感じる方もいるかもしれません。
その場合は、取引所から取引履歴をCSV形式でダウンロードし、手動でツールにアップロードする方法もあります。
取り込みのたびにデータをダウンロードする必要はありますが、1件ずつ手入力する場合と比較すれば大幅に効率的に取り込むことが可能です。
自分が利用している取引所の対応状況に応じて、最適な方法を選択すると良いでしょう。
仮想通貨取引所のAPI連携を活用して損益計算をする際の注意点
仮想通貨取引所のAPI連携は非常に便利な機能である一方、使い方に注意をしないと正しい計算結果を得られない可能性もあります。
注意点とその対策について、それぞれ見ていきましょう。
APIで取り込める範囲を確認する
API連携を活用すれば、仮想通貨取引所での取引履歴を自動で取得することができ、大幅な効率化が期待できます。
しかし、必ずしも期待している取引データが全て取り込めるとは限らない点には注意が必要です。
例えば、ある取引所では現物取引の履歴はAPI経由で取得できても、信用取引やステーキング報酬、配布トークンなどの一部データが対象外となっているといったケースがあります。
このように、API連携で取り込めるデータの範囲は取引所ごとに異なるため、事前に対応範囲を確認しておくことが大切です。
また、APIで取り込める範囲を正確に把握しないまま、不足分を手動で入力してしまうと、のちにAPI連携によって同じ取引が重複して計上されてしまう可能性もあります。
取引履歴が「正確に、過不足なく」反映されているかは、自分でしっかりと確認するようにしましょう。
なお、クリプタクトのヘルプページでは、API連携時のトラブル対処法について考えられる原因とともに対処方法についても詳しく解説しています。お困りの際はぜひご活用ください。
まとめ
仮想通貨の取引履歴を正確かつ効率的に管理するには、取引所とのAPI連携に対応した計算ツールの活用が非常に有効です。
仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」であれば、30カ所以上の取引所とAPI連携に対応しているため、手動入力の手間を大幅に省くことができます。
また110カ所以上の取引所からダウンロードできる取引履歴データの読み取りにも対応していますので、API非対応の取引所を利用している場合も安心です。
取引履歴を取り込めばクリプタクト上で日本円換算による損益計算が自動で行われ、算出された実現損益は確定申告時の雑所得欄に転記して活用できます。
「クリプタクト」は現物取引やDeFi、NFTなどの取引種別を問わず、無料のFreeプランからご利用いただけます。ぜひこの機会にお試しください。