Polygonはイーサリアムが抱えるスケーラビリティ問題を解消するために開発されたセカンドレイヤーの一つで、世界的に認知されているブロックチェーンです。
分散型取引所(DEX)のUniswapやNFTマーケットプレイスのOpenSeaをはじめ、最新のブロックチェーンゲームなども含めた多くの世界的プロダクトがPolygonを採用していることから、Polygonチェーンを使いたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、Polygonの特徴や使い方について見本画像を交えてわかりやすく解説していきます。
仮想通貨を扱う上で避けては通れない税金計算を、効率的に行う方法についてもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次 |
Polygon(ポリゴン)とは
まずはPolygonを利用するにあたって改めて押さえておきたい主なユーザーメリットについて確認しておきましょう。
● Polygonはイーサリアムのセカンドレイヤーの一つで処理能力が高い
● 取引が早くガス代(手数料)が安い
● 基軸通貨のMATICは国内取引所でも購入できる
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
Polygonはイーサリアムのセカンドレイヤーの1つで処理能力が高い
Polygonは、イーサリアムが抱えるスケーラビリティ問題を軽減するために開発された、セカンドレイヤーブロックチェーンの一つです。
セカンドレイヤー(レイヤー2)とは、ベースとなるブロックチェーン(レイヤー1)の強固なセキュリティ技術を活かし、並行して動作することでその処理能力を拡張する別のブロックチェーンのことです。
イーサリアムは1秒間に約15件のトランザクションしか処理できないため、需要が高まった現在では常にネットワークが混雑した状態となっています。
一方、Polygonはイーサリアムのレイヤー2として1秒間に約65,000件のトランザクションを処理できるため、ネットワークの処理能力が大幅に拡張されています。
ブロックチェーンの処理能力に余裕があることで、送金の遅延や取引手数料の高騰などといった問題が生じにくくなり、利便性や安定性が向上するのです。
取引が早くガス代(手数料)が安い
イーサリアムのレイヤー2として開発されたPolygonは、その処理能力の高さによって取引が早く実行できるほか、混雑も少ないためイーサリアムと比較してガス代(手数料)が非常に安いという特徴があります。
その利便性の高さから、現在では少なくとも10,000種類以上のDApps(分散型アプリケーション)でPolygonが採用されており、ユースケースが非常に豊富なネットワークであると言えるでしょう。
基軸通貨のMATICは国内取引所でも購入できる
Polygonのネットワークでは、MATICと呼ばれる仮想通貨がネイティブトークン(基軸通貨)として使われており、取引手数料として利用されています。
2022年以降、MATICは国内の仮想通貨取引所でも徐々に取り扱われるようになっており、現在ではCoincheckやSBI VCトレードなど多くの取引所で日本円で直接MATICを購入することが可能です。
これによってMATICは日本国内でも流通が進み、多くの日本人投資家が取引に利用できるようになっているのです。なお、Polygonの開発チームである「Polygon Labs」では、2023年9月に新たな開発計画である「Polygon 2.0」の始動を発表しています。
この中で、仮想通貨MATICの名称をPOL(Polygon Ecosystem Token)とし、PolygonのPoS(Proof of Stake)におけるガス代通貨やステーキング通貨をPOLに切り替える方針が示されました。
既に発行されているMATICはPOLへ1:1の割合で置き換えられることが計画されており、MATICの保有者や、これからMATICの購入を検討している人はこのことを念頭に置いて、続報に注目しておくと良いでしょう。
Polygonの使い方
Polygonチェーン上でトランザクションを行うには、ガス料金を支払うためのMATICトークンが必要です。
ここではMATICの購入からDAppsで使用するまでの順を紹介します。
STEP1 MATICを購入
日本人投資家がMATICを購入する場合、最も身近な手段となるのが国内仮想通貨取引所の活用でしょう。
2024年2月6日現在、国内ではbitFlyer、Coincheck、SBI VCトレードなどが日本円でのMATIC購入に対応しています。
ここで注意が必要なのが、取引所によって出金に対応しているネットワークが異なる点です。
MATICはPolygonネットワークだけでなく、イーサリアムのネットワーク上でも保有することができますが、Polygonのガス代として利用できるのはPolygonネットワーク上で保有しているMATICだけなのです。
CoincheckやSBI VCトレードはPolygonネットワークでのMATICの出金に対応していますが、bitFlyerやDMMビットコインはイーサリアムネットワークでMATICを出金する方式になっています。
Polygonのメリットを享受するためにMATICを購入したい場合は、Polygonネットワークに対応した仮想通貨取引所で購入するように注意しましょう。
STEP2 購入したMATICを相関性のあるウォレットに移動
国内仮想通貨取引所は日本円でMATICを購入する手段として適していますが、取引所の口座にMATICを保有しているだけでは、数多くのDeFi(分散型金融)やDApps(分散型アプリケーション)を活用することはできません。ウォレットがPolygonネットワークに設定されてはじめて、DAppsやその他のサービスに接続して使用を開始できます。
それゆえ、購入したMATICは、MetaMaskなどの相関性のあるウォレットに移動して保管しておく必要があります。
MetaMaskのインストール方法については、こちらの記事の中でも詳しく解説していますので、確認したい方はぜひご覧ください。
Polygonネットワーク上での基本的な取引の仕方
ここでは、MetaMaskを使ったPolygonネットワーク上での基本的な取引について解説します。
なお、以降に掲載されているMetaMask,Polygonscanのスクリーンショットは、情報提供のために使用しています。これらの画像の著作権は開発者に帰属します。
トークンの入金・送金
MetaMaskのウォレットにMATICを入金したい場合は、MetaMaskを起動して画面上部に表示されるウォレットアドレス宛にPolygonネットワークで送金します。
ウォレットアドレスはクリックでコピーできますので、仮想通貨取引所などの送金画面で貼り付けて使用することができます。
なお、Polygonネットワークに入金するためには、仮想通貨取引所側もPolygonネットワークに対応している必要があります。使用する仮想通貨取引所がMATICをどのネットワークで送金するのか、よく確認しておくようにしましょう。
また、MetaMaskに入金したMATICを他のウォレットアドレスに送金したい場合は、
MetaMaskのネットワークがPolygonに設定されていることを確認のうえ、MATICを選択した状態で「送金」をクリックします。
続いて表示される画面で送金先のウォレットアドレスと送金額を入力し、「次へ」と「確認」をクリックすることで送金できます。
トークンの交換(スワップ)
MetaMaskには、トークンを別のトークンに交換(スワップ)する機能が搭載されています。
Polygonネットワーク上でスワップを行いたい場合は、MetaMaskのネットワークがPolygonに設定されていることを確認のうえ、スワップしたいトークンを選択した状態で「スワップ」をクリックします。
続いて表示された画面で、交換したいトークンを選択のうえ、上下どちらかの欄に希望する数量を入力します。
その時点の取引レートに応じて反対側の数量が自動入力されますので、問題がなければ「スワップ」ボタンをクリックしましょう。
これでPolygonネットワーク上のトークン交換(スワップ)が完了します。
トークンを別のネットワークに送る(ブリッジ)
MetaMaskでは、トークンを別のネットワークに送る(ブリッジ)機能も搭載されています。
Polygonネットワーク上で保有しているトークンをブリッジしたい場合は、MetaMaskのネットワークがPolygonに設定されていることを確認のうえ、ブリッジしたいトークンを選択した状態で「ブリッジ」をクリックします。
Webブラウザ上で「MetaMask Portfolio」のサイトが開きます。
初めて使用する際は、画面右上の「Connect wallet」ボタンからMetaMaskを接続します。
MetaMaskの接続が完了したら、交換したいネットワークとトークン、およびその数量を入力します。
上図の例は、Polygonネットワーク上のMATICを23枚、BNB Chain上のUSDTに交換する例です。
レートや手数料などを確認のうえ、問題なければ「Confirm」ボタンをクリックしましょう。
このように、MetaMaskを使うことでPolygonから他のネットワークへ、また逆に他のネットワークからPolygonへ資金を移動することができます。
なお、これらの取引はUniswapなどの分散型取引所(DEX)にMetaMaskを接続することでも行えます。
Polygonでの取引履歴の取得方法
Polygonで取引などを行った場合、税金計算や確定申告を行うために取引履歴を確認する必要が生じます。
MetaMask上でも「アクティビティ」の画面から取引履歴を参照することは可能ですが、大量の明細が存在する場合のデータ取得には不向きです。
そのような場合、取引履歴の最も基本的な取得方法としてPolygonscanを活用する方法があります。
Polygonscanのサイト上には検索フィールドが設置されており、そこに自身のPolygonチェーンにおけるウォレットアドレスを入力することで、詳細な取引履歴を一覧表示することができます。
ウォレットアドレスはMetaMaskの画面上部に青色で表示されていますので、コピーして使用しましょう。Polygonscanで検索を行うと、次のような画面が表示されます。
ページ中ごろにある「Transaction」(取引一覧)を選択した状態で、一覧表の右下にある「Download: CSV Export」をクリックすることで、取引履歴データをCSVファイル形式でダウンロードできます。
一度にダウンロードできるデータは5,000件までとなっていますので、取引件数が多い場合は日付を分割するなどしてダウンロードしましょう。
また、取引履歴はその内容に応じて複数の種類に分かれて表示されています。
税金の計算を行う際には、取引によっては利益が生じる可能性のある、以下の4つの全ての取引履歴を取得しておくことをお勧めします。
● Transactions
● Internal Transactions
● Token Transfers(ERC-20)
● NFT Transfers
取引の全体感を把握するには
polygonscanでは取引履歴を閲覧したり、網羅的にダウンロードすることが可能ですが、取引の全体感を直感的に把握したい場合には、あまりわかりやすいツールとは言えません。
特に複数のDeFiサービスなどを使い分けて取引をしている場合は、専用の管理ツールを活用することがおすすめです。
「どの分散型取引所(DEX)で流動性提供をしていたか忘れてしまった」
「あのコインはどのネットワーク上で保有していたかな?」
このように取引の全体感を把握したい場合は、Web3の家計簿がコピーの「defitact」が適しています。
「defitact」であれば、サイト上でMetamaskなどのウォレットを接続するだけで、ブロックチェーン取引をネットワーク別・サービス別などに自動的に分類して一覧表示してくれるのです。
「defitact」はアカウント登録が不要で利用料もかからないため、対応するウォレットを導入している方であれば誰でも手軽に利用することができます。
DeFiの税金計算ならクリプタクト
仮想通貨の取引を行った場合、取引から生じた所得を計算して税金を納める必要があります。
年間所得を計算するためには、1年間に行った全ての取引履歴を収集する必要がありますが、多くの場合は非常に労力がかかります。
日常的に仮想通貨取引を行っている場合、それらの取引履歴は複数のネットワークに跨り、多数の銘柄を扱い、膨大な取引件数が発生しているケースが多いためです。
さらに、それらの取引履歴は全て、取引時点における時価で日本円に換算してから損益計算を行う必要があるため、取引履歴と時価情報を紐づけるだけでも日が暮れるような作業になってしまうことでしょう。
そこで有効なのが、仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」を活用する方法です。
「クリプタクト」であれば、ネットワークとウォレットアドレスを登録するだけで、ブロックチェーンから必要な取引履歴を自動で取得することができます。
また、国内外90カ所以上の取引所からの取引履歴の取得にも対応している他、19,000銘柄以上の仮想通貨や法定通貨の時価情報を1分単位で取得しているため、取得した取引履歴に基づいて自動的に損益計算を行うことが可能となっています。
汎用性の高いカスタムファイルによるデータ取込も可能なため、複雑なDeFi取引やNFT取引も含めて、仮想通貨取引全般をワンストップで管理できるのも大きなメリットと言えるでしょう。
「クリプタクト」のデモ画面は、こちらからどなたでも閲覧できます。
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