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日々仮想通貨やNFT、DeFi(分散型金融)取引をしている方のなかには、「ブロックチェーン上のデータを活用し、自分なりの分析を行いたいが、具体的な方法が分からず困っている」という方も少なくないことでしょう。

そうした需要にこたえるツールのひとつとして、Dune(旧Dune Analytics)があります。  
Duneは、イーサリアムをはじめとする複数のブロックチェーン上にあるデータを自由に分析し、グラフやチャートで可視化できるツールです。基本的な機能は無料で利用でき、SQLの基本的な知識があれば初心者の方でも手軽に始められます。

この記事では、Duneの基本的な特徴や活用方法を簡単なクエリの実例も交えながら、初めてツールを使う方にも分かりやすく解説していきます。

目次

  1. Dune(旧Dune Analytics)とは
  2. Dune(旧Dune Analytics)の特徴
  3. Dune(旧Dune Analytics)の使い方
  4. まとめ

Dune(旧Dune Analytics)とは

Duneは、ブロックチェーン上の膨大なデータを分析・可視化するためのツールでSQL(Structured Query Language)を用いてカスタムクエリを作成し、必要なデータを抽出することが可能です。

また、SQLに詳しくなくともAIによるクエリ作成機能も用意されていますので未経験の人でも扱いやすい工夫がなされています。文章の後半ではAIによるクエリ作成機能の使い方も紹介します。  
SQLとはデータベースを操作するための標準的な言語のことです。

もし、簡単に複数の主要なブロックチェーンデータを可視化、分析をしたいということであれば、無料のDeFiのポートフォリオ管理ツール「defitact」を使ってみるのも一案です。

ウォレットアドレスを入力するだけで、瞬時にブロックチェーン上の取引を自動集約しデータを可視化できます。ブロックチェーンごとのトークンの割合や、DeFiプラットフォームの割合をグラフで表示することで直感的に資産を把握、分析できます。

なお、DuneはEVM互換チェーン(Ethereum、BNB、Polygon、Arbitrumなど)に加え、BitcoinやSolanaといった非EVMチェーンにも対応しており、多様なブロックチェーンデータを扱うことができます。

Duneの目的は、ブロックチェーンの透明性を活かし、誰でも簡単にデータを活用できる環境を提供することにあります。実際に、仮想通貨市場の動向を示すグラフや図表など、多くの情報がDuneによって作成され、共有されています。

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(Duneで作成されたグラフや図表の例)

Dune(旧Dune Analytics)の特徴

Duneの特徴は、初心者でも手軽に始められる基本機能、多様な活用例、そして活発なコミュニティによるサポートにあります。それぞれについて見ていきましょう。

Duneの基本機能

Duneでは、SQLを用いてブロックチェーン上の情報を自由に検索・取得することができます。これにより、トランザクションの履歴やウォレットのアクティビティなど、膨大なデータから必要な情報を正確に引き出すことができます。

また、取得したデータをグラフや図表としてわかりやすく表示するダッシュボードを作成することもできます。作成したダッシュボードは他のユーザーと共有することも可能で、コミュニティ全体でデータを活用していくことができるプラットフォームとなっています。

Duneの活用例

Duneを使えば、ブロックチェーン上に記録されたさまざまなデータを分析して、わかりやすいグラフや図表などの形で表示することができます。具体的な活用例を見てみましょう。

例1:NFT市場の動向をグラフで確認

Duneを使って、NFTがどれだけ取引されているか、人気のあるコレクションはどれかを分析できます。

例えば毎月のNFT取引量を棒グラフで表示し、どの月に市場が活発だったのかを見るといったことが可能です。

例2:DeFiプロジェクトの利用状況を把握

流動性の増減や、特定のDeFiプロジェクトの利用者数をグラフ化できます。

Uniswapの流動性プールに預けられた資金の総額を折れ線グラフで表示するなど、特定のDeFiプロジェクトの成長具合や盛り上がりを可視化することが可能です。

例3:トークンの動きをウォレットごとに調査

特定のトークンがどのウォレットで保有され、どのように移動しているかを分析することもできます。

例えば、あるトークンが送金された回数をウォレットごとに集計して、活発に取引されているウォレットを特定することで、投資家の行動を追跡して市場の予測材料にすることもできるでしょう。

例4:プロジェクトの透明性を可視化

プロジェクトのウォレットアドレスを調査し、そのウォレットの入出金履歴をSQLクエリで確認できます。

例えば、「どのアドレスにいくら送金されたか」や「資金が頻繁に移動しているタイミング」を調べることで、プロジェクトの透明性や信頼性を評価することができます。

コミュニティの活用

Duneのもう一つの大きな特徴は、活発なコミュニティが存在することです。コミュニティを活用することで、初心者でもさまざまなノウハウを学びながらDuneを活用することができます。

既存ダッシュボードを活用

他のユーザーが作成したダッシュボードを自由に閲覧することができます。人気のNFTコレクションやDeFiプロジェクトに関する最新情報であれば、既存ダッシュボードでも十分に情報収集できる場合があります。

ダッシュボードのコピーとカスタマイズ

気に入ったダッシュボードをコピーして、自分用に編集することができます。      
対象のウォレットアドレスやトークンなどを変更するだけで、オリジナルの分析を効率的に作成できます。

SQLクエリの共有と学習

多くのユーザーがSQLクエリを公開しているため、これを参考にすることで初心者でも短時間で分析スキルを向上させることができます。

またコミュニティの力を活用することで、初心者は学びながら進めることができ、経験者にとっては他のユーザーと情報交換しながらさらに高度な分析を行える環境が整っています。

Dune(旧Dune Analytics)の使い方

それではさっそくDuneを使ってみましょう。      
ここでは、Duneの基本的な使い方について解説していきます。

Duneのアカウントを作成する

Duneを使うためには、まずはアカウント作成をする必要があります。

Duneの公式サイトを開き、画面右上の「Sign up」をクリックしましょう。

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任意のユーザー名と登録したいメールアドレス、使用したいパスワードを入力し、「Create account」をクリックします。

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登録したメールアドレス宛に認証コードが届きますので、ブラウザ上の「Confirmation code」欄に転記のうえ「Submit code」をクリックしましょう。

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画面左上にユーザー名が表示されたらアカウント作成とログインが完了です。

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なお、DuneではID・パスワードによるログインの他、ウォレット連携によるログインにも対応しています。2度目以降のログインの際にウォレットの接続を試してみてもよいでしょう。

簡単なクエリ(SQL)を実行してみる

Duneのアカウント作成が完了したら、さっそくクエリ(SQL)を作ってみましょう。

(SQL)はデータベースを操作するための言語であり、勉強をすれば非常に奥が深いものですが、試してみるだけなら簡単です。

画面上部のメニューから「Create」を開き、「New query」をクリックしてください。

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クエリ画面が表示されます。

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試しに、クエリの入力欄に次のSQL文を入力してみましょう。

SELECT * FROM ethereum.transactions      
LIMIT 5

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これは、

  • 「イーサリアムのトランザクションから全ての項目を抽出する」
  • 「ただし5件のみ」

というシンプルなSQL文です。

入力が完了したら「Run」ボタンをクリックしてみましょう。

「Query reults」欄に、実行したクエリの結果が表示されます。      
トランザクションの情報が5件表示されていることが確認できるはずです。

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このように、DuneではSQL文を使ってブロックチェーンから自由に情報を引き出すことができます。

AIにクエリ(SQL)を作ってもらう

DuneにはAIがSQLクエリを作成してくれる機能も搭載されています。

抽出したい内容を英語の文章(自然言語)で入力するだけでAIがSQLクエリを提案してくれるため、SQL言語に詳しくない方でもクエリを作りやすい環境が提供されているのです。

AIにSQLクエリを作成してもらうには、クエリ入力欄の上部へ実現したいクエリの内容を入力し、「Submit edit」ボタンをクリックしてみましょう

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AIがSQLクエリを提案してくれます。

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ただし、提案されたSQLクエリが自分の意図している通りの内容であるかはユーザーが自分の目で確かめる必要がありますので、SQL言語の知識が全く必要ないわけではありません。

それでも、基本的な知識をベースに幅広い分析を行いたい際には非常に頼りになる機能と言えるでしょう。

他のユーザーが作成したクエリを検索する

Duneでは、他のユーザーが作成したクエリを活用することも可能です。

画面上部のメニューから「Discover」を選択すると、他のユーザーが作成したクエリや、クエリの集合体であるダッシュボードを検索することができます。

検索バーに検索したいキーワードを入力して検索してみましょう。  
該当するクエリやダッシュボードの一覧が表示されます。

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気になるクエリやダッシュボードをクリックすることで、内容を表示することができます。

ダッシュボードの場合、表示されているグラフ等のタイトルをクリックすることでクエリ(SQL文)の内容を表示することができます。

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さまざまなユーザーが作成したクエリを参考にしながら、自分好みの分析をしていきましょう。

まとめ

Duneはブロックチェーン上のデータを活用して多様な分析を行える、非常に便利なツールです。DeFiやNFT、仮想通貨プロジェクトのトレンドを把握したいユーザーにとって、有益なツールの一つと言えるでしょう。

一方、仮想通貨取引を幅広く行っていると大変になるのが「税金」の計算です。

仮想通貨の税金は、1年間に行った取引全てに対して損益計算を行いその結果を集計した「所得」に対して課税されます。損益は全て時価で日本円に換算しながら計算する必要があるため、取引件数が多かったり取引の種類が多いほど、計算は複雑で負担の大きくなります。

Duneはブロックチェーン上のデータを分析するプラットフォームであるため、各仮想通貨の日本円換算額などを保有しているわけではありません。そのため、残念ながらこうした税金計算はDuneでは行えません。

日本の税法に則った正確な税金計算をワンストップで自動化するなら、「クリプタクト」がおすすめです。

仮想通貨専門の損益計算ツールである「クリプタクト」であれば、仮想通貨取引所の取引履歴データをアップロードしたり、ブロックチェーンから直接取引履歴を取得する機能を使うことで簡単に取引データを取り込み、自動的に損益計算を済ませることが可能です。

もちろん、DeFi(分散型金融)取引やNFT取引にも対応しているため、幅広い仮想通貨取引の損益を一元的に把握することができ、確定申告の準備が大幅に軽減されます。

こうした機能は全て無料のFreeプランで利用することができますので、ぜひこの機会にお試しください。