楽天ウォレットは楽天グループが提供する国内仮想通貨取引所で、仮想通貨の購入額に応じて楽天ポイントが貯まるほか、楽天ポイントで仮想通貨を購入することもできます。
いわゆる「楽天経済圏」のサービスとして便利な機能が多く提供されているため、気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、楽天ウォレットのメリットやデメリット、公式アプリを使った口座開設の手順から取引方法や便利な機能の使い方まで、画像付きで初心者にもわかりやすく丁寧に解説していきます。
楽天ウォレットのメリット・デメリット
「楽天経済圏」の仮想通貨取引所として知られる楽天ウォレットですが、一体どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
具体的に見ていきましょう。
メリット1. 楽天ポイントで仮想通貨が買える
楽天ウォレットの大きなメリットとして、楽天ポイントで仮想通貨を購入できる点が挙げられます。
1ポイント = 1円相当としてビットコインやイーサリアムなどの購入代金に使用できるため、日常生活で貯まったポイントを使って仮想通貨投資や資産形成ができるのです。
また、仮想通貨の購入額に応じて楽天ポイントを貯めることもできるため、楽天ポイントを貯めたいユーザーにとっても魅力的なサービスと言えるでしょう。
ただし、楽天ポイントを使えるのは現物取引のみで、レバレッジ取引には利用できません。
メリット2. 仮想通貨で楽天キャッシュをチャージできる
楽天ウォレットでは、仮想通貨を楽天キャッシュにチャージすることもできます。
楽天キャッシュは、「楽天市場」はもちろん、フリマサービスの「楽天ラクマ」、そして「楽天pay」に対応しているさまざまな店舗での支払いに利用できるため、取引で増やした仮想通貨を便利に活用することができるのです。
もちろん、仮想通貨からチャージした楽天キャッシュであっても、使用時には通常の楽天キャッシュと同様にポイントが貯まります。
メリット3. 楽天のweb3ウォレットと連携予定
楽天グループはWeb3サービスへの事業参入を発表し、2024年10月23日からスマホアプリの「web3ウォレット」のβ版をリリースしています。
記事執筆時点ではさまざまなネットワークの仮想通貨を保管できる「デジタル資産管理」が使えるのみですが、今後はNFT取引やブロックチェーンゲームとの連携も予定されているほか、楽天ウォレットともスムーズに連携できる機能の搭載も予定されているようです。
楽天ウォレットで取引した仮想通貨を「web3ウォレット」で管理し、さまざまなweb3プロダクトに利用できるようになることが展望されています。
デメリット1. 取扱銘柄数が少ない
楽天ウォレットの現物取引では、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)の3銘柄のみ売買が可能です。
証拠金取引では上記にライトコイン(LTC)、XRP、カルダノ(ADA)、ポルカドット(DOT)、ステラルーメン(XLM)、テゾス(XTZ)が加わり9銘柄となりますが、それでも一桁にとどまります。
近年では国内でも数十銘柄を取り扱う取引所が増えている中、楽天ウォレットの取扱銘柄数はかなり少ない部類に入ると言えるでしょう。
デメリット2. 現物取引は販売所方式のみ
楽天ウォレットの現物取引は販売所方式でのみ提供されています。
販売所方式は、ユーザー同士が取引を行う取引所形式と比較して取引のやり方がシンプルである一方で、売買価格の差額(スプレッド)が大きく、実質的な取引コストが高いという特徴があります。
なお、楽天ウォレットの証拠金取引は取引所方式で提供されていますので、頻繁かつ小刻みな売買取引で利益を狙いたい方は、証拠金取引の利用を検討してみるのも良いでしょう。ただし、レバレッジを効かせる場合は損失が大きくなる可能性もありますので注意が必要です。
デメリット3. 出金・出庫に時間がかかる
日本円の出金や仮想通貨の出庫の時間がかかる点も、楽天ウォレットのデメリットと言えるでしょう。
日本円を外部金融機関へ出金する場合、一般的に翌営業日の出金となる国内取引所が多い中、楽天ウォレットでは「依頼日より3銀行営業日」以内の時間がかかるとされています。
また、仮想通貨を外部のウォレットへ出庫する場合は、「依頼日より5銀行営業日」以内の時間がかかるとされています。
こちらも即日に出庫できる取引所が多い中、かなり時間がかかる部類と言って良いでしょう。
楽天ウォレットの使い方①口座開設
楽天ウォレットは楽天会員を前提としたサービスですので、口座開設には楽天会員としての登録が必要です。
持っていない方は事前に登録しID、パスワードを入手しておくと口座開設がスムーズになります。
また、口座開設は楽天ウォレットの公式サイトまたは公式アプリから行うことができますが、公式アプリを利用した方が、本人確認の写真撮影をスムーズに行うことができます。
楽天ウォレットの口座を開設する際は、上述のとおり楽天会員登録、楽天銀行の口座もしくは本人確認書類を準備しておきましょう。
なお、楽天銀行口座を持っている場合は、口座を連携するだけで本人確認が完了するため手続きが非常にシンプルになります。
なお、楽天銀行口座がない場合は、運転免許証または在留カードで本人確認を行うことができます。
口座開設
それでは、さっそく楽天ウォレットの口座開設手順を見ていきましょう。
楽天ウォレットのスマホアプリは、楽天ウォレット公式サイトから入手できます。
スマホアプリを起動したら、ログイン画面が表示されますので、画面下部の「口座開設はこちら」をタップしましょう。
楽天アカウントを持っている場合は、「楽天会員の方はこちら」をタップして先へ進みます。
この時点でまだ楽天アカウントを持っていない場合は、「楽天会員ではない方はこちら」をタップするとまずは楽天アカウント作成画面に遷移します。
ここでは「楽天会員の方はこちら」をタップした場合を例に解説を進めます。
手順
1.楽天会員のユーザーIDとパスワードを入力してログイン
2.各種交付書面の承諾に同意
3.お客様情報を登録
なお、下記の内容を入力しますが、楽天会員として登録されている氏名や住所などの情報はあらかじめ入力された状態になっています。
● 楽天ウォレットで使用するメールアドレス
● 楽天ウォレットで使用するパスワード
● 氏名(漢字・カナ)
● 生年月日
● 性別
● 国籍
● 居住地・住所・連絡先・職業等
● 取引目的
● 収入源
● 投資経験 など
入力が完了したら「次へ」をタップし、表示される確認画面で入力に誤りが無いか確認しましょう。
4.本人確認
楽天銀行口座を持っている人であれば口座と連携させるだけで本人確認が完了し申し込みは完了します。
楽天銀行口座を持っていない場合の本人確認手順
「楽天銀行口座をお持ちでない方」をタップすると、らくらく本人確認の画面が表示されます。
運転免許証または在留カード(外国籍の場合)を用意し、「本人確認を行う」をタップ、画面に表示された内容を確認します。
その後、株式会社Liquidの画面に遷移しますので「同意して進む」をタップ、自動的にカメラが起動され、本人確認書類や顔認証用の写真撮影が始まります。
画面の案内に沿って、それぞれ撮影していきましょう。
撮影が完了すると楽天ウォレットの画面にもどり、「本人確認書類のアップロードが完了しました。」と表示されます。
これにて、楽天ウォレットの口座開設申し込みは完了です。
審査が完了すると、登録したメールアドレス宛てに口座開設完了のお知らせが届きます。
楽天ウォレットの口座開設審査は最短即日で完了しますので、お知らせが届くまで待ちましょう。
楽天ウォレットの使い方②日本円の入金方法・振込方法
楽天ウォレットでは楽天ポイントなどで仮想通貨を購入することもできますが、まとまった金額の取引を行うには楽天ウォレットへ日本円を入金しておく必要があります。
楽天ウォレットへの日本円入金は、通常の銀行振込と、楽天銀行からの入金の2通りが用意されています。
スマホアプリで入金を行うにはホーム画面で「日本円」を選択し、続いて表示される画面で「入金」をタップしましょう。
入金画面は、楽天銀行口座を登録しているか否かで表示される画面が異なります。
楽天銀行口座を登録していない場合は、入金画面を開くと入金用の振込先口座情報が表示されます。
表示された振込先口座宛に通常の銀行振込をすることで、楽天ウォレットに日本円を入金することができます。
一方で、楽天銀行口座を持っていて、かつ楽天ウォレットとの連携登録が済んでいる場合は、入金画面を開くと入金額の入力欄と楽天銀行口座の残高が表示されます。
残高の範囲内で入金したい金額を指定し、「次へ」をタップすることで即時入金が可能です。表示される画面の案内に沿って手続きを行いましょう。
(左:楽天銀行口座未登録の場合 右:楽天銀行口座登録済の場合)
なお、連携済の楽天銀行口座から入金する場合は、手数料がかからず入金は即時に反映されます。
一方で楽天銀行以外の銀行から通常の銀行振込をした場合は、振込手数料は本人負担となるうえ、入金の反映にも時間がかかりますので注意しましょう。
楽天ウォレットの使い方③仮想通貨の取引方法
楽天ウォレットのスマホアプリでは、仮想通貨の現物取引を行うことができます。
取引を行うには、ホーム画面から取引したい仮想通貨の銘柄を選択しましょう。
取引画面が表示され、画面下部に売買のレートが表示されますので、「売却」または「購入」をタップすることで、取引を行うことができます。
なお、楽天ウォレットの現物取引は「販売所方式」のみが提供されています。
「取引所方式」での現物取引はできませんので注意しましょう。
「販売所方式」「取引所方式」それぞれの方式のメリット・デメリットについてはページ下部の関連記事でも詳しく解説しています。併せてご覧ください。
楽天ウォレットの使い方④出金方法
楽天ウォレットに預けている日本円や購入した仮想通貨は、外部の金融機関や仮想通貨ウォレット等へ出金することができます。
日本円と仮想通貨、それぞれの出金方法について見ていきましょう。
日本円の出金方法
楽天ウォレットのスマホアプリを使って日本円を出金するには、入金の際と同様にスマホアプリのホーム画面から「日本円」を選択し、残高画面を表示します。
続いて表示される画面で「出金」をタップしましょう。
出金申請の画面が表示されるため出金したい金額を入力のうえ、出金先の銀行口座を選択しましょう。
確認画面が表示されたら、内容を確認のうえ「出金」をタップすることで手続きは完了です。
なお、楽天ウォレットからの日本円出金は楽天銀行宛・他の金融機関宛ともに出金手数料がかかります。
また、実際に出金されるまでには最大3営業日程度の時間がかかります。すぐに出金されるわけではありませんので、スケジュールに余裕をもって出金するようにしましょう。
仮想通貨の出金方法
楽天ウォレットのスマホアプリを使って仮想通貨を出金するには、ホーム画面で出金したい仮想通貨をタップします。
続けて表示される画面で「出庫」をタップしましょう。
仮想通貨を送金したい宛先のウォレットアドレスを入力し、「次へ」をタップします。
続いて表示される画面の案内に従って、数量や出庫目的、送付先の情報などを入力して仮想通貨を出金しましょう。
仮想通貨の出金においては、宛先のウォレットアドレスを間違えると仮想通貨を喪失してしまうおそれがあります。出金操作は慎重に確認しながら行うようにしましょう。
なお、楽天ウォレットからの仮想通貨出金には5営業日程度の日数がかかります。すぐにトランザクションの処理が開始されるわけではないため、注意しましょう。
楽天ウォレットの使い方⑤その他機能
楽天ウォレットでは基本的な売買取引や入出金以外にも、便利な機能がいくつか用意されています。それぞれについて見ていきましょう。
楽天ポイントを仮想通貨に交換する
楽天ウォレットでは、1ポイント = 1円相当として最低100ポイントから楽天ポイントを仮想通貨に交換できます。
楽天市場などの関連サービスで貯まったポイントを使えるためリスクが少なく、初心者の方でも安心して仮想通貨投資を始めやすいサービスと言えるでしょう。
スマホアプリで楽天ポイントを仮想通貨に交換するには、ホーム画面に表示されている「ポイント交換」をタップして、交換したいポイント数を入力しましょう。
仮想通貨で楽天キャッシュをチャージする
楽天ウォレットでは、保有している仮想通貨で楽天キャッシュをチャージすることができます。
楽天キャッシュは楽天市場などのオンラインショップや、楽天Payを通じてコンビニなどの店舗で支払いに使えるため、仮想通貨取引で稼いだ利益をすぐに買い物で使うことができます。
スマホアプリで楽天キャッシュをチャージするには、ホーム画面に表示されている「キャッシュチャージ」をタップしましょう。
証拠金取引
楽天ウォレットでは仮想通貨の現物取引に加えて、証拠金取引も行うことができます。
証拠金取引では自己資金の最大2倍までレバレッジをかけることができるため、資金効率を高めた投資が可能になります。
ただしその分だけリスクも高く、場合によっては損失が大きくなる場合もありますので、始める際には自分の投資経験なども踏まえて慎重に判断するようにしましょう。
なお、証拠金取引を行う場合は楽天ウォレットの公式サイトか、「楽天ウォレットの証拠金取引アプリ」をダウンロードする必要があります。
まとめ
この記事では、楽天ウォレットの公式アプリを使った口座開設の手順、取引方法や便利な機能の使い方について解説してきました。
なお、仮想通貨取引を通じて利益を得た場合、その所得は「所得税」や「住民税」などの課税対象となり、場合によっては「確定申告」を行う必要が生じます。
税金面を疎かにしたまま仮想通貨取引を行うと、後から追徴課税などを受ける事態にもなりかねません。
特に楽天ウォレットの場合は売買を通じて増やした仮想通貨を楽天キャッシュにチャージできるなど、得た利益をそのまま買い物などの支払いに利用しやすくなっています。
損益と納税額を事前にしっかりと把握して、納税資金を確保しておくようにしましょう。
仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」であれば、楽天ウォレットを含む国内外130カ所以上の取引所からの取引履歴取り込みに対応しているため、画面上の案内に従って簡単な操作を行うだけで自動的に仮想通貨の損益計算ができます。
実現損益や含み損益をいつでも把握できることから、確定申告に向けた準備はもちろん、税額の予測や年末の節税などにも大変便利です。
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