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ブロックチェーンゲームのSTEPN(ステップン)では、NFTスニーカーを購入してウォーキングやジョギングをするだけで仮想通貨を稼ぐことができます。また、保有しているNFTスニーカーは仮想通貨を消費することで「レベルアップ」することができ、よりレベルの高いNFTスニーカーがゲーム進行上の特典(稼ぐ効率が上がるなど)をもたらす仕組みになっています。

「レベルアップ」は一見するとゲーム内だけの架空の行為のように見えます。しかし、仮想通貨やNFTには財産的な価値が伴うため、これらの取引を行う際には税務上の考慮が必要になるのです。

この記事では、STEPNなどのブロックチェーンゲームにおいて、仮想通貨を使ってNFTを「レベルアップ」した際の税務上の取り扱いについて解説していきます。

目次

  1. STEPNのNFTのレベルアップを行ったときの税金処理  
    基本的な考え方  
    事例1 GSTを支払ってNFTスニーカーをレベルアップ  
    事例2 GSTとGMTを支払ってNFTスニーカーをレベルアップ  
    事例3 レベルアップ後のNFTスニーカーを売却
  2. STEPNのNFTのレベルアップを行う際の注意点
  3. まとめ

STEPNのNFTのレベルアップを行ったときの税金処理

NFTの「レベルアップ」の税務処理を理解するにあたり、前提知識としてNFT取引の税務処理について押さえておく必要があります。

以下の記事で詳しく解説していますので、確認したい方はこちらも併せてご覧ください。

それでは、STEPNのNFTを「レベルアップ」する場合における、税務上の取り扱いついて見ていきましょう。ただし、現在(2024年1月16日)NFTを「レベルアップ」する場合の税務処理の方法について国税庁から明確な指針は示されていません。

そこでここでは一般的に考えられている処理方法についてご紹介しますが、今後新たな指針などが発表された場合は異なる取り扱いとなる可能性がありますのでご留意ください。

基本的な考え方

STEPNでは、GSTやGMTと呼ばれる仮想通貨を消費することでNFTスニーカーを「レベルアップ」し、機能を向上させることができます。

このことから、レベルアップに使用したGSTやGMTは、NFTスニーカーの価値を増加させるための支出であると位置付け、その時価をNFTの取得原価に加えるという処理方法が考えられます。

5万円相当で購入したNFTスニーカーを、1万円相当の仮想通貨を使ってレベルアップした。

⇒ 5万円 + 1万円 = 6万円 がNFTスニーカーの取得原価

 

上記はわかりやすく日本円で記載していますが、実際には、GSTやGMTと呼ばれる仮想通貨を支払ってレベルアップします。

また、レベルアップに使用した仮想通貨は時価で売却したものと見なされます。

そのため、取得原価と時価に差額がある場合は、その損益も認識する必要があると考えられます。

これらを踏まえて、具体的なサンプルケースを見てみましょう。

事例1 GSTを支払ってNFTスニーカーをレベルアップ

取得原価10万円のNFTスニーカー(レベル0)に対して、10GSTを使用してレベル4までレベルアップした。なお、GSTは1GST = 10円の時に取得していたが、現在の時価は1GST = 30円である。

【GSTの損益計算】    
⇒ (30円 × 10GST) - (10円 × 10GST) = 200円の売却益

【NFTスニーカーの取得原価】    
⇒ (100,000円 + (30円 × 10GST)) = 100,300円 がNFTスニーカーの取得原価

この事例はNFTスニーカーのレベルアップとして非常にシンプルなパターンです。

このように、GSTを使用することで発生する損益計算と、NFTスニーカーの価値が増加することで発生する取得原価の更新が同時に行われるという点を押さえておきましょう。

事例2 GSTとGMTを支払ってNFTスニーカーをレベルアップ

事例1のNFTスニーカー(レベル4)に対して、10GSTと10GMTを使用してレベル5にレベルアップした。なお、GSTとGMTの価格は次の通りである。

GSTの取得価格:1GST = 30円    
GSTの現在価格:1GST = 20円    
GMTの取得価格:1GMT = 100円    
GMTの現在価格:1GMT = 150円

【GSTの損益計算】    
⇒ (20円 × 10GST) - (30円 × 10GST) = ▲100円の売却損

【GMTの損益計算】    
⇒ (150円 × 10GMT) - (100円 × 10GMT) = 500円の売却益

【NFTスニーカーの取得原価】    
⇒ (100,300円 + (20円 × 10GST) + (150円 × 10GMT)) = 102,000円 がNFTスニーカーの取得原価

 

STEPNのNFTスニーカーは、LV5、10、15、20といった節目のレベルアップの際にはGSTに加えてGMTを支払う必要があります。

この場合、レベルアップの際にはGSTとGMTそれぞれの損益計算と、NFTスニーカーの価値の増加に伴う取得原価の更新が同時に発生することになるでしょう。

事例3 レベルアップ後のNFTスニーカーを売却

事例2のNFTスニーカー(レベル5)を、800GMTで売却した。GMTの現在の時価は1GMT = 150円である。

⇒ 売却価額(150円 × 800GMT) - 取得原価102,000円 = 18,000円が所得(利益)となる

NFTを売却した場合は、その売却価額と取得原価の差額から所得を算出することになります。

なお、NFTの売却による所得は、譲渡所得・事業所得・雑所得のいずれかに分類されることとなります。NFT売買の頻度などに応じて所得を判断することとなるため、NFTの売却がどの所得に計上されるかについては、税務署もしくは税理士と相談の上で決定していくのが良いでしょう。

ここでは考え方を示すためにシンプルな事例としていますが、厳密には譲渡取引にかかる費用(ネットワーク手数料など)が経費として認められる可能性があります。

STEPNのNFTのレベルアップを行う際の注意点

STEPNのNFTスニーカーをレベルアップすると、税務上はGSTやGMTの売却損益が発生することになります。

そのため、GSTやGMTの取引価格が取得時よりも高騰している時に大量のレベルアップを行った場合、大きな売却益によって多額の所得税を課せられる可能性があります。

レベルアップによって日本円を得ているわけではないにも関わらず、日本円で納税資金を準備する必要に迫られることになりますので、大幅なレベルアップをする際には必ず税金への影響に注意しながら行うようにしましょう。

まとめ

NFTゲームには「The Sandbox」や「Axie Infinity」、「クリプトスペルズ」など多種多様なタイトルがリリースされていますが、それぞれNFT(土地・キャラクター・カードなど)の強化方法や仕組みが異なります。

STEPNの取扱いは参考にしつつも、そのまま適用できるとは限らない点にご留意ください。

今回はSTEPNのレベルアップに注目して解説しましたが、STEPNではレベルアップ以外のタイミングでも税金の計算が必要なシーンが多数あります。詳しくはこちらの記事でも解説していますので、興味のある方はぜひ併せてご覧ください。

また、STEPNのNFTスニーカーをレベルアップする際には、仮想通貨の損益計算やNFTの取得原価(円貨)の計算が必要となりますが、これらの計算を全て手計算で行うのは複雑すぎて手に負えないという方が多いのではないでしょうか。

そのような方には、仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクトがおすすめです。

クリプタクト」であれば、国内外90カ所以上の取引所やウォレットサービスからの取引履歴の取り込みや、19,000種類以上の仮想通貨の時価取得に対応しているため、取引履歴の収集と取得原価・損益計算を手間なく自動的に行えます。本記事に関連する、GSTやGMTの時価も1分単位で取得されています。

クリプタクトの対応コイン抜粋

 

ウォレットの取引履歴に反映されない取引についても汎用性の高いカスタムファイル取込機能により対応が可能です。こうした複雑な処理方法については随時ヘルプページでのご案内もあります。

NFTのレベルアップ時のカスタムファイル作成方法

 

なお、市場の動向に合わせて取引種別(この場合はLEVELUP)なども用意されているため、こうした機能を用いて取引を入力することで、年間の損益予想額がリアルタイムに算出できます。

取引前にカスタムファイルをアップロードすれば、損益が自動で計算されるため税金への影響をシミュレーションすることにも非常に役立つことでしょう。DeFi機能(ウォレットを接続し取引履歴を取得する)はアドバンスプラン以上で利用が可能ですが、その操作感や画面イメージはデモ画面で手軽に確認することができます。 デモ画面の利用にユーザー登録は必要ありませんので、ぜひお気軽にご覧ください。

なお、「クリプタクト」には基本機能を無料からお試しいただけるプランも用意されています。、実際に取引データを入力して試してみたい方は、ぜひこの機会にご利用ください。