仮想通貨TONの特徴や将来性を解説.webp

仮想通貨TON(トンコイン)は、世界的なメッセージアプリであるTelegram(テレグラム)から派生したブロックチェーンプラットフォーム「TON」のネイティブトークンです。

最近では日本国内の仮想通貨取引所に上場されたこともあり、仮想通貨TON(トンコイン)に興味を持っている日本人投資家の方も多いことでしょう。

とはいえ話題性や時価総額だけで投資先を判断してしまってよいのかとお悩みの方は、仮想通貨の計画書にあたる「ホワイトペーパー」の情報から判断材料を集めてみることをおすすめします。

この記事では、仮想通貨TON(トンコイン)のホワイトペーパーを参照しながら、その特徴や将来性について解説していきます。

目次

  1. NFTとは?
  2. 仮想通貨TON(トンコイン)とは?
  3. 仮想通貨TON(トンコイン)の特徴
  4. 仮想通貨TON(トンコイン)の将来性
  5. 仮想通貨TON(トンコイン)の価格動向
  6. まとめ

仮想通貨TON(トンコイン)とは?

「TON」は、ロシア発のメッセージアプリである「Telegram」から派生して開発されたブロックチェーンプラットフォームです。

当初は「Telegram Open Network」という名称で開発されていましたが、現在では「The Open Network」に改称し、TON財団(TON Foundation)によって開発・運営が行われています。

そして、仮想通貨TON(トンコイン)は「TON」ブロックチェーンにおけるネイティブトークンに位置付けられた仮想通貨です。

現在でもTelegramとの関連性は強く、Telegram内では仮想通貨TON(トンコイン)をさまざまな用途に活用することができます。

仮想通貨TON(トンコイン)の特徴

仮想通貨TON(トンコイン)とはいったいどのような仮想通貨なのでしょうか。      
その特徴について、見ていきましょう。

開発目的:仮想通貨が抱えるスケーラビリティや高速性などの問題を解決する

「TON」のホワイトペーパーでは、開発目的について次のように記載されています。

“The Open Network (TON) is a fast, secure and scalable blockchain and network project, capable of handling millions of transactions per second if necessary, and both user-friendly and service provider-friendly. “

引用:https://ton.org/whitepaper.pdf Introductionより

すなわち、「TON」のネットワークは高速・安全・スケーラブルなブロックチェーンとして、1秒間に数百万ものトランザクションを処理できるようにすることを目指しています。

ビットコインやイーサリアムなどに続いて開発された多くのプロジェクトと同様に、仮想通貨が抱えるスケーラビリティや高速性などの問題を解決することを目的として開発されたのです。

仮想通貨TON(トンコイン)は、そのメインとなる通貨として発行されました。 

アルゴリズム:PoSを採用

「TON」のネットワークでは、コンセンサスアルゴリズムとして「Proof of Stake(PoS)」が採用されています。

PoSはビットコインなどが採用する「Proof of Work(PoW)」が抱える課題、すなわち過大な電力消費による環境負荷などの問題を解消するために開発されたアルゴリズムで、イーサリアムなどにも採用されています。

ネットワークの参加者に対して、仮想通貨の保有量に応じてブロック生成権を付与する仕組みであるため、非常にエネルギー効率の高いアルゴリズムとされています。

ブロック生成のために仮想通貨をロックすることで報酬を受け取る「ステーキング」を行える点も、大きな特徴と言えるでしょう。

組織体制やセキュリティ対策の状況

「TON」は元々、Telegram社によって開発されました。

「TON」のブロックチェーン上で同社が独自の仮想通貨を発行し、メッセージアプリ内でユーザーが利用できるようにすることが想定されていましたが、この計画が米SEC(証券取引委員会)の規制に抵触したことで法的紛争となり、Telegram社は「TON」から撤退した経緯があります。

その後、「TON」はオープンソースのコミュニティによって引き継がれ、TON財団が設立されて開発・運営を行う体制となっています。

この独立した体制により、仮想通貨TON(トンコイン)は中央集権的な組織に依存しない仮想通貨として発行され、現在ではTelegram内で使用できるようになっています。

なお、「TON」はマルチブロックチェーンと呼ばれる構造を持っており、「マスターチェーン」 「ワークチェーン」 「シャードチェーン」の3つが連動することで、極めて高いスケーラビリティとセキュリティを実現しています。

仮想通貨TON(トンコイン)の将来性

それでは、仮想通貨TON(トンコイン)の将来性について考える上で、重要なポイントをそれぞれ見ていきましょう。

Telegramとの連携強化

「TON」のプロジェクトは紆余曲折を経ながらも、現在ではTelegramを通じた仮想通貨TON(トンコイン)送金機能が実装されており、両者は深い連携関係にあります。

日本での利用者こそあまり多くはないものの、Telegramはロシアなどを中心に世界で9億人もの人々が利用する巨大なメッセージアプリであり、その利用者は現在でも増え続けていると言われています。

今後、Telegramにおける仮想通貨TON(トンコイン)のユースケースが増えれば、大きなプラス材料となる可能性もあるでしょう。

USDTやXAUTとの連携強化

「TON」のプラットフォームの活用範囲は、現在進行形で広がりつつあります。

直近では2024年4月にUSDT(テザー)が「TON」のブロックチェーン上で流通を開始したほか、金価格と連動するステーブルコインであるXAUTについても、「TON」での流通が計画されています。

このように「TON」のプラットフォームの用途が拡大することで、ネイティブトークンである仮想通貨TON(トンコイン)の需要が増加すると考えられます。

AI新興企業との提携による個人認証技術の開発

「TON」においては、AI関連企業との提携も進んでいます。

「TON」に関するコミュニティの一つであるTONソサエティでは、AI新興企業「HumanCode」との提携が発表されています。

これは手のひらをスキャンすることで、匿名性を保ちながらブロックチェーン上で個人認証ができるようにするプロジェクトであり、OpenAIが主導し目の虹彩をスキャンすることで個人認証を可能とする「ワールドコイン」プロジェクトの競合相手となりうる存在として注目されています。

「TON」を通じた個人認証技術が普及することになれば、仮想通貨TON「トンコイン」の需要に大きな追い風となる可能性があるでしょう。

Telegramの匿名性に基因するリスク

Telegramとの強い関係性によって需要が増加している仮想通貨TON(トンコイン)ですが、それは同時に、Telegramの将来性に左右されやすいということも意味しています。

Telegramは匿名性が高いとされる「E2EE」と呼ばれる通信機能が実装されており、運営会社でさえも通信内容をチェックすることができない高い秘密性が確保されています。

そのため犯罪目的で利用されるケースも多く、各国の治安当局から警戒の目を向けられている状況があります。Telegramが本拠を構えていたロシアでは、公式に利用が禁止されていた時期もあるほどです。(現在はTelegram社は第三国に移転している)

今後、Telegramに関する新しい規制などが発表された場合、関連性の強い銘柄である仮想通貨TON(トンコイン)の価格にも影響を与える可能性もあるでしょう。

仮想通貨TON(トンコイン)の価格動向

さて、仮想通貨TON(トンコイン)の足もとの価格はどうなっているのでしょう。

チャートによると、2024年9月4日現在の価格は1TONあたり日本円にして約697円となっていました。

TONのチャート(CoinMarketCapより)


参考:CoinMarketCap


過去の推移を見ると2022年8月頃からゆるやかな上昇トレンドが続き、2024年3月上旬から急激な価格上昇を記録しています。

これはビットコイン現物ETFの承認のニュースを受けて仮想通貨全般の価格が急上昇した時期と重なりますが、仮想通貨TON(トンコイン)の上がり幅は市場全体より大きかったのが特徴的です。

これは、仮想通貨TON(トンコイン)がAI新興企業のHumanCodeと提携するなど、注目度の高いAI分野とも関連性を強めていることが一因として考えられています。

まとめ

この記事では仮想通貨TON(トンコイン)の特徴と将来性について解説しました。

今後もその他の通貨について解説記事を紹介していきますので、最新記事の更新情報を知りたい方はぜひ公式X(旧Twitter)のアカウントをフォローしてみてください。

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