仮想通貨取引を行っていると、過去のある時点における仮想通貨の価格を調べたい場面が出てくることがあります。
仮想通貨の過去レートを調べる方法にはさまざまな手段がありますが、税金を申告するために損益計算を行いたい場合などは、正確性・妥当性などの観点から仮想通貨取引所が公表する過去レートを参照することが広く行われています。
この記事では、仮想通貨の過去レートの調べ方について国内の主要取引所別に、具体的な手順を画像も交えてご紹介していきます。
また、自動的に過去レートを反映した損益計算を行ってくれる便利なツールについてもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次 |
仮想通貨の過去レートとは
仮想通貨の過去レートとは、過去における仮想通貨の価格推移を記録したデータのことです。
過去のレートを把握することで、投資判断のための市場分析や税務申告のための損益計算などに活用することができます。
しかしここで重要なポイントとして、仮想通貨のレートは取引所ごとに異なり、一つに統一されたレートは存在しないという点に注意が必要です。
例えば、ビットコインの取引価格が史上初めて1,100万円を超えた2024年5月21日における主要銘柄の終値を見比べると、取引所ごとに次のような差異があることがわかります。
2024年5月21日の終値比較
ビットコイン(BTC) | イーサ(ETH) | リップル(XRP) | |
bitFlyer | 10,950,009円 | 588,172円 | 85.66円 |
Coincheck | 10,955,497円 | 589,296円 | 85.661円 |
GMOコイン | 10,871,176円 | 584,472.5円 | 84.2195円 |
bitbank | 10,968,394円 | 592,009円 | 83.996円 |
このような差異が生じる理由は、取引所によって取引量や流動性、スプレッドなどが異なるためであり、同じ通貨であっても若干の価格差が生じるのです。
もちろん、同じ仮想通貨の価格が取引所によってあまりにかけ離れてしまうと、安い取引所で購入して高い取引所で売却するいわゆる「アービトラージ取引」が行われるため、通常はそれほど大きな価格差は生じません。
それでも仮想通貨の価格は取引所ごとに違うという大前提があるため、確定申告などに向けた損益計算を行う際には各取引所のレートを参照するケースが多いのです。
過去レート参照にあたっての留意点
とはいえ、こうした損益計算を手作業で行う場合、取引を行った厳密な時間(何時何分何秒)でレートを確認することは現実的に困難であるため、一般的には取引日の終値(おわりね)が広く採用されています。
終値とは、その取引所における該当日の最後に取引された価格を指す言葉です。
この記事の後半では、実際に国内仮想通貨取引所が開示している正確な過去レート(終値)の見方についてご紹介していきます。
ただし、取引所の終値を参照する方法は税務処理において一定の妥当性があるものと評価されていますが、正確な取引レートに基づかない計算であるため、実際の損益とはある程度の乖離が生じる点を念頭に置いておく必要があります。
デイトレードのように短時間で売買を繰り返す場合や、日中に大幅な相場急変が生じた際などは、その乖離が特に顕著になることでしょう。
仮想通貨専門の損益計算ツール「クリプタクト」を使えば、取引所から取り込む取引履歴データと、クリプタクトが保有する1分単位のレート情報に基づいて正確な損益計算を行うことが可能です。
自動計算ツールであるため、手計算よりも大幅に手間を減らせる点も大きなメリットとなりますので、確定申告などに向けた損益計算にお悩みの方はぜひお試しください。
仮想通貨の過去レートの見方
国内の主な仮想通貨取引所では、その取引所における過去レートがサイト上で公開されています。
ただし、過去レートの公開方法は取引所ごとに異なるほか、取引所によっては同じ銘柄を「取引所方式」と「販売所方式」両方の方式で取引できる場合もあり、過去レートを参照する際には参照する数字の性質について注意が必要です。
ここでは各取引所における過去レートの調べ方について、その性質も交えながら具体的に見ていきましょう。
bitFlyerでの過去レートの調べ方
bitFlyerのサイト上では、「取引所方式」と「販売所方式」における各仮想通貨銘柄の終値を一覧表形式で閲覧できるほか、CSV形式のデータとしてダウンロードすることも可能です。
まずは、bitFlyerの「販売所・取引所の終値」ページにアクセスしましょう。
プルダウンで年月を指定することで、該当する月の月初から月末までの各日の終値が仮想通貨銘柄ごとに表示されます。
画面上部には「販売所方式」の終値、画面下部には「取引所方式」の終値が表示されていますので、ご自分が調べたい価格(自身が取引した方式)を参照するようにしましょう。
CSV形式のデータが欲しい場合は「CSV形式でダウンロード」をクリックすることで取得することができます。
なお、「販売所方式」の過去レートは全て日本円で表示されていますが、「取引所方式」の過去レートは日本円建てペア(BTC/JPYなど)のみ日本円で表示されています。
仮想通貨同士のペア(BCH/BTCなど)については、決済通貨(ペアの右側に表示されている通貨)建てで価格が表示されている点に留意しましょう。
Coincheckでの過去レートの調べ方
Coincheckでは、各通貨の「日足の終値」を月ごとに参照できるほか、日付を指定して「5分足の終値」を参照することもできます。
「日足の終値」が当日の終値であるのに対し、「5分足の終値」は取引を5分ごとに区切った際の終値です。
5分単位であるため完全に正確な価格とはなりませんが、より精度を求めたい場合には「5分足の終値」を参照してみるのも良いでしょう。
「日足の終値」はこちらのページから参照することができます。
プルダウンで年月を指定することで、該当する月の月初から月末までの各日の終値が仮想通貨銘柄ごとに表示されます。
続いて、「5分足の終値」はこちらのページから参照することができます。
プルダウンで参照したい通貨ペアと日時を指定し、「検索」ボタンを押すことで過去レートを参照することができます。
この際に日時を1分単位で指定できますが、表示されるレートはあくまでも5分単位での終値である点に注意してください。
なお、Coincheckでは「販売所方式」「取引所方式」ごとに終値が区別されていません。
Coincheckの終値については、“各通貨の参照先(Coincheck取引所やカバー先)において、当該日の23時59分59秒以前で最も近い約定値”が表示されています。
GMOコインでの過去レートの調べ方
GMOコインでは、サイト上で月ごとの終値一覧を参照できるほか、年単位の終値一覧をCSVデータ方式でダウンロードすることができます。
まずは、GMOコインの「終値一覧」ページにアクセスしましょう。
年単位のCSVデータが欲しい場合は、画面中央の「CSVファイルをダウンロード」欄からダウンロードすることができます。
画面上で参照したい場合は、プルダウンで参照したい年月を指定することで、各通貨ごとの終値の一覧表が表示されます。
なお、GMOコインでは販売所MIDレートを基準に表示されており、「取引所方式」でしか取り扱いがない銘柄のみ、現物取引の終値が表示されています。
bitbankでの過去レートの調べ方
bitbankでは、過去レート(終値)の表示や、CSVデータのダウンロード機能が提供されていません。
そのため、取引画面のチャートを用いて過去の価格を確認する必要があります。
まずはじめに、bitbankで過去レートを調べたい取引ペアのトレード画面を開きます。
ローソク足のチャートが表示されていますので、時間単位を指定します。
日足の終値を知りたい場合は「日」、1分単位の価格を知りたい場合は「1分」などを指定すると良いでしょう。
続いて、画面下部のカレンダーマークをクリックします。
表示されたダイアログで価格を確認したい日時を入力し、「→」ボタンをクリックします。
入力した日時のチャートが表示されますので、マウスを該当日時まで移動すると、画面上部にこの時点の価格詳細が表示されます。
上の画面イメージは2024年5月21日のBTC/JPYチャートを日足で確認した例です。この日の終値が10,968,394円であったことが確認いただけることでしょう。
時間単位を1分足にすることで1分単位の価格情報も取得することができますが、マウスがずれると価格詳細が誤った時点の情報になってしまいますので、参照する際は細心の注意が必要です。
また、価格情報は手で書き写す必要があるなど、実際に使用する際はある程度の工夫も必要になるでしょう。
まとめ
一般的に税務上の損益計算などを行う際は、その取引を行った取引所が公開する価格情報を採用することで税務署に対する妥当性の説明がしやすいと言えます。
しかし、取引所の価格情報は日別の終値単位である事が多く、また参照方法や表示基準もバラバラであるなど、不便な面も少なくありません。
実際に確定申告に向けて仮想通貨取引の損益計算を行う際には、1年間に行った全ての取引に対して一つ一つ過去レートを参照しながら損益計算を行うプロセスが必要になるため、特に頻繁に取引を行う人にとっては非常に面倒な作業となることでしょう。
仮想通貨専門の損益計算ツールである「クリプタクト」であれば、このような面倒な作業を自動的に済ませることが可能です。
「クリプタクト」は22,000銘柄以上の仮想通貨や法定通貨の時価情報を1分単位で保有しているため、過去レートを自分で調べる必要がありません。
また、国内外90カ所以上の仮想通貨取引所やウォレットサービスなどからの取引履歴データの取得にも対応しているため、画面上の案内に従って簡単な操作を行うだけで、仮想通貨取引を一括入力することが可能です。
これによって、取引履歴データの取得から損益計算までを「クリプタクト」で一元管理することができるのです。
「クリプタクト」では基本機能を無料でご利用いただけるプランも用意されていますので、仮想通貨取引の損益計算を手間なく正確に行いたい方はぜひこの機会にお試しください。